脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『忠臣蔵―赤穂事件・史実の肉声』

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取り巻きと政策には一抹ならぬ不安を覚えますが、政治家としての器は福田や小沢の及ぶところにあらず。誹謗中傷に負けず頑張れアソウたん。


 改めて言うことでもないですが、就職するとゲームしてる暇あんまりありませんね。嗚呼、ザ・ニートの時代が懐かしい。


SRWZ進捗報告

  • 第17話「青い放浪者」クリア。トップエース:ランド=トラビス@ガンレオン。

恐怖を知ってもその足を止めないで

赤穂事件
 播磨赤穂藩浅野長矩*1切腹の原因を作ったとして、1702.12.14旧藩士の内47人が江戸幕府高家吉良義央*2邸を襲撃した事件。'03.2.4元家老大石良雄*3ら襲撃浪士は幕府から切腹を命ぜられた。この事件の評価を巡っては、幕府と藩のいずれの義を優先すべきか当時から賛否が分かれたが、繰り返し演劇や文学作品に取り上げられ、今日に至るまで、主君への忠義を貫いた浪士のイメージが広く受け継がれている。(『岩波日本史辞典』より引用)

 毎年年末になる度クローズアップされる所為で正直もうネタ切れ気味の忠臣蔵。本作の切り口は「『義』と『不義』を分かつもの」。まずジェネリックの強みと新書のエクスキュースで、大胆に細部の解説や史料批判を省略しつつ、赤穂事件の顛末を紹介。関係者の日記や公式の口上書の底本にしているので、多少整合性や客観性には欠けますが、当事者のみが知りうる「リアル」の一端を感じられる熱さがあります。そこで、当時の雰囲気や各人の事情、そして「四十七士」が決して一枚岩出なかったことを考慮すれば、脱盟したもの達を一方的に不義士と決め付けるのは不誠実と断じています。
 終始一貫した上杉家*4の我関せずの姿勢や、「喧嘩両成敗」の原則は当時既に死文化していたという事実など、なかなか新しい発見も多く、全体的に読みやすく飽きさせない良書といえるでしょう。全くの初心者には不親切でマニアには食い足りない絶妙な濃さなので、私のように中途半端に聞きかじった位の知識で読むのが一番楽しめるのではないでしょうか。

もうすぐもう少しで晴れ渡る空の下で会える

 「其事は義なりと雖も、其党に限る事なれば、畢竟は私の論なり。(中略)若し私論を以て公論を害せば、此以後天下の法は立つべからず。」。人気沸騰で助命論の絶えなかった四十七士の罪を断じた荻生徂徠の名言ですが、現代の我々こそこの言葉を噛み締めるべきではないでしょうか。差別された、いくら働いても暮らしが楽にはならない、事故で子供を失った。どれもこれも同情と義憤に値する悲劇ですが、飽くまで私の事情に過ぎません。その私の義を以て国家の法を捻じ曲げようというのは筋が通らないのではないでしょうか。「可哀想」の一言で思考停止せずに、「義」と「情」のけじめをもう少し大事にした方がいいのかもしれませんね。

熱き鼓動の果て

熱き鼓動の果て

帰ってきた今日の一行知識

江戸の名君上杉鷹山吉良上野介の玄孫。
血は水より濃し。これぞ吉良義央名君説の揺るぎなき証拠。・・・と言うにはちと苦しいか。

*1:赤穂藩第3代藩主。内匠頭。父長友、母(内藤)波知。大名火消しの名人として名を馳せるも、勅使接待中に突如錯乱し、江戸城内で刃傷事件を起こし切腹

*2:高家肝煎。左近衛権少将。父義冬、母酒井忠吉女。高家肝煎として対朝廷外交に辣腕を揮うも、赤穂事件に巻き込まれ横死。

*3:赤穂藩家老。内蔵助。父良昭、母(池田)くま。大星由良之助のモデル。平時は「昼行灯」の陰口を叩かれるほどの凡庸さながらも、松山城接収などの「有事」にあたっては非凡さを見せる。御家断絶後は、急進派の旗頭として見事主君の復仇を果たした。

*4:当主綱憲は上野介の実子。