脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

「マリみて」2学期その1〜可南子編〜

さつまいも - YouTube
選手会長になっても粗いさん節は全開です。


 某友人に蔵書印を彫ってもらうことになったので、その打ち合わせに行ってたら帰りが思った以上に遅くなってしまいました。時間も時間ですので、簡単なのに記事を差し替えさせてもらいます。悪しからず。ラノベは考えること少なくていいから楽だなあ、っと。

涼風さつさつ

私が望んでいるのは、温室の中で花開く日を待つこのロサ・キネンシスのつぼみなんです。」by細川可南子

 姉妹校花寺学院の文化祭!男嫌いの祥子さまは無事この試練を乗り切れるのか。そして、祐巳を狂信的に崇拝する1年生可南子が初登場。彼女の盲目的な愛情に振り回される祐巳は、彼女との関係にどう決着をつけるのか!?


 姉との関係性を強固に構築し終えた祐巳が次に抱えたのは妹問題。ここに来ての新キャラ投入で物語はどう転がるのか。妹から姉へ物語の主題の一大転換期なはずですが、漂うこのゆるい空気は何なんでしょう。男子校の文化祭というアウェーでのイベントというめんどくさい状況で、話を無理やり進める必要があったのでしょうか。正直両方とも消化不良に終わってます。構成は自分の力量と相談して決めましょう。
 一応誉めておくと、「Chercher〜シャルシェ〜」歌詞*1のモチーフになっているラストシーンは感動的です。絵面を創造すると果てしなく間抜けですが。

レディ、GO!

祐巳さまはどうして、そこまで細川可南子に寛大なんですか。」by松平瞳子

 運動会!!


 秋のイベント消化強化月間第二段。運動会編。これでもか、ってくらい本筋が進展を見せません。正直この話飛ばしても何の問題もないんじゃあ?フォークダンスとか棒引きとか、萌え萌えで微笑ましいシーンは多いので、多大な期待をせずまったり読みましょう。

バラエティギフト

本筋完全にすっぽらかして、雑誌連載の短編集。

「降誕祭の奇跡」

ね、奇跡って信じる?」by安倍美嘉

 降誕祭に起こった二つの奇跡の物語。


 短編一発で新規キャラのキャラ立てできるような器用な人でなし。地味かつ綺麗なお話です。少女小説に長期連載が多い理由が分かるような気がします。

「ショコラとポートレート

ポーズをとっている、っていうこと自体がドラマになっていることもあるから。」by武嶋蔦子

 時は遡って昨年度のバレンタインデイ。「薔薇のつぼみのバレンタインデイカードを探せ!」のイベントに密かに潜り込んだ中等部の少女笙子と写真部のエース蔦子との不思議な邂逅。


 短編にしては珍しく綺麗にまとまっていて、新規キャラの造形も確かなものです。やればできるじゃないか。尤も私が大の蔦子さんびいきな所為だけかも知れませんが。

「羊が一匹さく越えて」

嫌な予感したんですよね。」by二条乃梨子

 想定外のトラブルで、第一志望の高校を受験し損なった二条乃梨子不本意ながらも入学することになった滑り止め校は名にしおう名門リリアン女学園。入学前準備から庶民の彼女にはカルチャーショックなことばかり。


 内容がないよう。それでも読ませるのは、作者の力量かキャラの魅力か。とまれ、喫茶店での与太話のような気楽な気分で読める佳作です。

「毒入りリンゴ」

今日はいかがなされましたの?リリアン女学園に、何かご用が?忘れ物でも?」by佐藤聖 

 ×イチ子持ちの男性との恋愛に進むべき道を見失い迷う江利子の前に現れたのは旧友の佐藤聖。取り留めのない昔話とどうって事のないアドバイスが彼女のほつれた心を解きほぐす。


 先代白薔薇黄薔薇再登場。ただそれだけで、どうって事のない話が、締まって華やかになるのは何ででしょう。つくづく先代薔薇さま方は偉大だなっと。

『チャオ ソレッラ!』

マリア様って、こんな感じで私たちを見ているのかな。」by福沢祐巳

 修学旅行!!!


 修学旅行でイタリアですって、まあ羨ましい。学年編成再編の煽りを受けて、中学は廃止、高校は京都としょぼしょぼの修学旅行だった管理人の妬みはさておき、相変わらず本筋が一切進まないイベント消化編第三弾です。正直アニメ化バブルのご褒美に連れて行ってもらった取材旅行の感想文でしかありません。そもそも紀行文は嫌いだって、作中でキャラに言わせてた*2じゃありませんか。有言実行を心がけて欲しいものです。

『プレミアムブック』

 アニメ化で増えたご新規目当ての阿漕なムック本。意外と丁寧かつ多彩な構成で好感が持てます。

「Answer」

用途に合わせて便利に使える。邪魔にならない。壊れない。」by白薔薇さま

 巡り合いは偶然。名門子女揃いのリリアンでも群を抜いたお嬢様の小笠原祥子。「高嶺の花」に目を付けた紅薔薇のつぼみは彼女をどう攻略するのか。


 水野蓉子さまと小笠原祥子の出会いを描いたショートショート。蓉子さまと先々代薔薇さま方の魅力爆発の一編です。蓉子さまファンはこの短編だけのためにこの本を買っても惜しくはないのではないのでしょうか。

特別でないただの一日

二人にとって特別な日だもの、祥子さまにうーんとおねだりして、素敵な記念日にしたらいいわ。」by島津由乃

学園祭!!!!


 本筋が一切進まないイベント消化編第四弾。かと思いきや、急転直下可南子問題が解決。なし崩しで物事を進める癖は長編小説を連載する上では致命的な欠陥では無いかと。
 ぐでぐでの可南子周りを無視すれば、まったりとした良作。前回のお返しに応援に来た男共が結構いい味出してます。ようやくフラグの立ちかけた瞳子祐巳とのもどかしい関係も見ものです。

いつもつないだ手を すり抜けて駆け出すから

 アニメ化の余波か妙に完成度の低い作品の続く時期です。リアルタイムで読んでたら、ここら辺で挫折してたかも。特に鳴り物入りで登場した細川可南子は場を乱すだけ乱した挙句、自己解決して嵐のように去っていきました。本当に何を考えて登場させたのでしょうか。
 とまれ、次回更新分からは祥子×祐巳に継ぐ第二のメインストリームの祐巳×瞳子編にようやく突入します。乞うご期待。

今日の一行知識

イタリアローマの真実の口は元々ローマ時代のマンホールの蓋。
あの顔は海神トリトンだそうです。ローマ時代の下水道は海へと繋がる通路だったいい証拠ですね。

Chercher ~シャルシェ~ (通常盤)

Chercher ~シャルシェ~ (通常盤)

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*1:「たとえ深い闇にはぐれ迷い込んでも 私ならば間違わずにあなたのこと見つけられる。」「たとえこの世の果て身体さえも失っても 顔も髪も声もすべて消える日が来ようとも それを動かしてたあなたの心がそこに残ってたら 小石ほどの欠片だって見逃さない」

*2:子羊たちの休暇』「押し葉の暑中見舞い」6より「紀行文て、あまり好きじゃないわ」by小笠原祥子