YouTube
棒読みはともかく、せめて口パクあわせろよ
久しぶり、ってゆうかほぼ2週間ぶりの通常更新。復帰記念に今日はホームグラウンドで勝負してみたいと思います。当ブログのエントリーからは想像できないでしょうが、私奴、実は日本中世史が専門だったりなんかします。さあ、こんなにハードル上げて大丈夫か自分?玉砕したら指差して笑ってやってください。
- 作者: 網野善彦
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 1983/01
- メディア: ハードカバー
- 購入: 1人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
殺意がたなびくなら 愛は有罪なのに
中世史を志すものならば、一度や二度は泣かされたことがあるであろう実力派の研究者による中世における罪と罰の考察。現在とは似ても似つかぬ罪と罰の観念。しかし、それこそが我々の深層心理にわだかまる名状しがたき伝統の正体なのかもしれない。
普段ならひとしきりくさしてから、各論に入るのですが、今回は畏れ多いので、さっさと本論に入りたいと思います。流石にこの面子に文章下手糞だの、論旨が撚れてて分かりにくいだの、テーマが散漫だのいう度胸はありません。
「お前の母さん・・・」 笠松宏至
中世日本では「おやまき」「ははまき」「母開」*1等の悪口が飛び交っていた。これは、古代日本の氏族タブーの系譜を受け継いだ悪口である。
これらの「Mother Fucker」系の悪口が「お前の母ちゃん出ベソ」の先祖ではないかと推測しておられます。何処をどうやって薄めたらこんなに穏やかな悪口が誕生するのでしょうか。研究の価値はありそうです。
家を焼く 勝俣鎮夫
罪人を追放するに際し、家だけでなく、犯人が逃走中に立ち寄った家も破却し、焼き払われた。これは罪が穢れとみなされていたからである。
中世において、「罪」に対応するのは、「罰」ではなく「祓」である。という考察はしっくりきます。罪を憎んで人を憎まずの思想の源泉でしょうか。
「ミ々ヲキリ、ハナヲソグ」 勝俣鎮夫
「耳切り」「鼻削ぎ」の罰は罪という穢れを背負ったものを、常人と区別するために行われた。
「異形」の思想ですね。中国でいう刺青の代わりに行われたのでしょうが、日本の技術が遅れていたことが良く見て取れます。
死骸敵対 勝俣鎮夫
死骸には故人の遺志が宿っている。
死者の死後の様態は、死骸の状態に左右されるという考えは面白いですね。
盗み 笠松宏至
中央政府は撫民政策の一環として、窃盗は軽罪に分類しようとしたが、在地では依然として、額の大小に関わらず、死罪もしくは追放に値する重罪であり続けた。
日本人の厳罰志向は遥か以前からの伝統のようで。
博奕 網野善彦
- 作者: 増川宏一
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 1980/06
- メディア: 単行本
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
- 作者: 増川宏一
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 1982/06
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (4件) を見る
今度読みます
幾度 嘘をつけば地獄に落ちられる
ほら酷い出来。どの論考もいかにも国史らしい迂遠かつ慎重な議論がなされており、真面目にまとめると一本論文が出来そうな重厚な内容なので、上の要約は非常に乱暴かつ恣意的なものとなっております。ご勘弁ください。
しかし、この文章読んでいると、ろくでもない思い出が色々フラッシュバックしてくるのですが、これはPTSDと認めてもらえるのでしょうか。医者及び法律家の方々お教えください。
鎌倉以前は現在日本と文化的連続は乏しい。とはよくいわれることですが、日本人の原点は確実に中世前期の混沌とした社会こそ存在するのではないのでしょうか。西洋的文法では決して理解できぬ暗渠。中世の魅力は其処にこそあると私は信じます。
今日の一行知識
中世において、一人歩きの女性は襲っても無罪だった
あまり他所様の事笑えません。とは言え、治安が良すぎるのも考え物ですね。送り狼がやりにくいったらありゃしない。
- アーティスト: THE BOOM,宮沢和史
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 1993/11/21
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (2件) を見る
*1:「まき」は「枕き」と書き、「開」と共に、SEXを表す。