http://www1.odn.ne.jp/setsuna/zazamushi.html
いざ、と言うときは
カープが空気を読まない三連勝なんてことをやらかしてくれたもうたお陰で溜まりに溜まった更新作業。GWの読了済みリストと睨めっこして作った更新予定表が、お情けで京大文学部の末席に除名され忘れられている身の沽券に関わり兼ねない代物になってしまった為、急遽この子が代打で登板することと相成りました。やっぱり見栄って大事だよね。因みに選択基準は手持ちの岩波で一番薄い奴*1。それでは以下コウショウなネタバレ感想をどうぞ。
- 作者: 河上肇,大内兵衛
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1965/10/16
- メディア: 文庫
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容赦なく厳しい人
大正五(1916)年に大阪朝日新聞で連載された記事ということです。なので出来はそれなり。文語体に騙されそうになりますが、文章は凡庸の極み。内容も単純な共産主義礼賛で、なんの面白みも目新しさもありません。一般人は正直読むだけ時間の無駄と思いますが、運悪く上司か岳父が朝日愛読者*2な人にはお勧めです。マルクスやレーニン読むよりは楽です。あきらめましょう。
高尚な議論をなおざりにしないためにも、おざなりに内容の紹介。
一般庶民に生活必需品が行き届かないのは、生産システムが奢侈品の生産に最適化されてるからである。なので、金持ちは質素倹約を旨とし、余った資本を国家指導の下で全て生活物資の生産に投資すべきである。但し、インテリの執筆活動は人々の善導に必要不可欠なものであるから、これの例外である。
なんとも都合のいい主張です。自分は君の味方だよと甘い誘いで近づいて、旧支配者層を弾劾し、追い出した後は先の領主様が仏に見えるような苛政を行う。インテリ系革命家の常套手段です。騙されないようにしましょう。
勉強しろ 本を読め 大物になるために
頑迷固陋な儒教的徳治主義をベースに共産主義的統制経済を主張しているので、妙な味わいがあります。後知恵で先人を批判するのはアンフェアだとは知っていますが、後の歴史を知っていると苦笑せざるを得ない記述満載です。朝日を楽しんで読める度量のある人は一度読んでみてもいいんじゃないでしょうか。