脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『西遊記(二)』

「示談しない」👈叩かれる 「示談して9000万払う」👈叩かれる どうすればいいのこれ(;´ん`) | やらおん!
守秘義務履行されない示談になんの意味が・・・。これからは日本もアメリカみたいにバチバチ裁判やり合う時代になって来るんですかねえ。


 忘年会開けた気のゆるみか思いっきり「謎」の高熱にぶっ倒れてました。参加した忘年会の二次会の一つでパンデミックおきてたけど関係ないよね、多分。という訳で書く予定だったM-1雑感は幻になってしまいました。楽しみにしてた方はすみません。おそらく本更新が年内最後となりますので、改めて来年もよろしくお願いします。

He knew every magic trick under the sun

西遊記
 中国で16世紀の明の時代に大成した白話小説で、唐僧・三蔵法師*1が白馬・玉龍*2に乗って三神仙孫悟空*3猪八戒*4沙悟浄*5を供に従え、幾多の苦難を乗り越え天竺へ取経を目指す物語、全100回。中国四大奇書に数えられる。
 著者は呉承恩*6(1504年頃 - 1582年頃、江南省出身)であるという説が定説化していた。これは『淮安府志』(明、天啓年間成立)の中に彼の著書として「西遊記」という書名があることによる。しかし、批判もあり明確な結論は出ていない。『西遊記』の流行を受けて、明代から清代にかけ呉元泰*7呉政泰*8余象斗*9が、仏教と道教に関わる戯曲・雑劇と神話伝説に基づいて編纂したのが『東遊記』・『南遊記』・『北遊記』で『四遊記』と称される。
 唐の時代に中国からインドへ渡り仏教の経典を持ち帰った玄奘三蔵の長年の旅を記した地誌『大唐西域記』を基に、道教、仏教の天界に仙界、神や龍や妖怪や仙人など、虚実が入り乱れる一大白話小説であり、物語の縦軸に玄奘三蔵の波乱の人生を、横軸に無敵の仙猿・孫悟空の活躍を置き、玄奘三蔵一行が天竺を目指し取経を果たすまでを描いている。『西遊記』には人間の登場人物として玄奘三蔵や唐の太宗皇帝*10など実在の人物が顔を並べるが、書かれている内容は完全にフィクションであり、史実とは一致しない。また、『西遊記』を映像化・舞台化する場合には主要な登場人物が男性のみとなってしまうことから、日本では、中心人物の一人である三蔵法師役には男性ではなく、たびたび女性が当てられる。(wikipediaより修整引用)


 前回から大分間が空いちゃいましたがとりあえず第二回。本巻は太宗の地獄めぐりからの帰還から猪八戒仲間加入まで。三蔵法師の旅も始まり、悟空と八戒も合流してようやく旅の始まり始まりって感じです。ただ問題なのは主人公なはずの三蔵法師の人物造形。居丈高だし感謝の言葉も知らないし、人の悪意を信じず騙されまくるわ、痛いだこすっただとワガママだし、全く覚悟も座ってない腰抜けだしと正直いいとこなし。苦労を知らない貴顕のお坊ちゃんを連れた出張旅行をアテンドする羽目になった幹事兼ボディーガードの悲哀をこれでもかと味わえます。その分と言っては何ですが、悟空と八戒のキャラは最高。トラブルメーカーな上司の無茶ぶりに愚痴りながらも各所で大暴れする悟空の姿はこち亀両さんで脳内再生余裕。八戒も一宿一飯の恩を返さんと村長の婿になって野良稼ぎに奮闘するも、肝心の嫁さんからはその醜さから忌み嫌われて退治を依頼されるという、現代のチー牛差別問題にも一石を投じうる先進性。愛すべき有能な鈍愚ってのは男にとっては最高の仲間なんですけどねえ。という訳で、数百年前の小説とは思えない現代性も備えた大傑作。訳がちと古臭いのだけが欠点ですが、教養としてではなくエンタメとして是非ご一読を。

To tease the Gods and everyone and have some fun

 人間離れしたメンタリティの怪物たちが跋扈する最近の漫画や小説も大好物なんですが、登場人物みんな愛すべき小悪党な古典小説群もいいですよね。きらびやかな外食と安心のお家ごはんをきっちり使い分けましょう。


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*1:褘。字は玄奘。父陳慧、母宋氏。隋末唐初の混乱期に各地を遍歴し学識を深める。高昌王の後援の下、仏典の原本を求めてインドを訪れ、ナーランダ僧院修行を行い膨大な経典を携え帰国。帰国後は唐の太宗の庇護下で翻訳事業に従事し、『大般若経』の新漢訳など多くの功績を残した。代表作:『大般若経』(翻訳)、『大唐西域記』(旅行記)他。

*2:父敖閏。父の西海竜王の宝物を失火により失い死罪となるも観音菩薩に一命を救われ、三蔵法師の取経の旅への助力を命じられた。

*3:斉天大聖。通称:孫行者。東勝神州傲来国の花果山の仙石より生まれ周辺の猿の長美猴王となる。須菩提祖師に師事し変化術を極め斉天大聖を称するも、天帝の怒りに触れ封印される。三蔵法師の取経の旅に同道することを条件に解放され天竺への往復行を成功に導き、入仏を果たした。

*4:悟能。天蓬元帥。天界の水軍の将軍であったが嫦娥を襲おうとしたことで天界を追放され黒豚の妖怪に転生。人食い妖怪として悪事を尽くすも観音菩薩に調伏され、三蔵法師の取経の旅への助力を命じられた。

*5:捲簾大将。通称:沙和尚。天帝の側近であったが玻璃の器を割った罪により天界を逐われ、流沙河で山賊に身をやつす。観音菩薩に調伏され、三蔵法師の取経の旅への助力を命じられた。

*6:浙江省長興県県丞。江蘇省山陽県の人。字は汝忠。文才を誇るも歳貢生どまりで立身はならず多くの小説をものにした。代表作:『禹鼎記』、『射陽集』、『春秋列伝序』他。

*7:代表作: 『東遊記』(小説)他。

*8:代表作: 『東遊記』(小説)他。

*9:代表作: 『南遊記』・『北遊記』(小説)他。

*10:唐朝第2代皇帝。諱は世民。父高祖、母太穆皇后竇氏。玄武門の変により皇帝即位。房玄齢や魏徴を登用し貞観の治と称えられる善政を行い、外征でも突厥を滅ぼし西方遊牧諸民族の天可汗となるなど、王朝交代の混乱を鎮め唐の発展の礎を築いた。