脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『カリフォルニアを奪れ〜ザ・アメリカ勝者の歴史1 リードの開拓魂』

http://hamusoku.com/archives/7143864.html
毎度思いますが、2chにはどんな優秀な諜報部員が揃ってんでしょうか。


 今日は上司宅にお呼ばれして手打ち蕎麦を堪能。非常に美味しかったのですが、真昼間から日本酒は自殺行為でした。ああ、明日が怖い。


SRWZⅡ再世篇進捗

Together We will go our way

ドナー隊 Donner Party
 1846年の春、アメリカの東部からカリフォルニアを目指して出発した開拓民のグループである。彼らは旅程の遅れのために、1846年晩秋から 47年早春までシエラネバダ山脈山中での越冬を余儀なくされ、過酷な環境の中で多数の餓死者や凍死者を出した。生存者たちは、必然的にカニバリズム(人肉食)に走らざるを得なかった。
 アメリカ西部への幌馬車による旅は大抵の場合は6ヶ月を必要とする。しかしドナー隊はヘイスティングズ・カットオフと呼ばれる近道を選択したところ悪路に阻まれ、さらにワサッチ山脈やグレートソルト湖周辺の砂漠地帯を越え、ハンボルト川の谷に従って進みネバダ州に至る間に多くの幌馬車と家畜を失い、グループ内にも分裂が生じた。1846.11一行はカリフォルニアに至る最後の障壁・シエラネバダ山脈に差し掛かる。しかし早い冬の訪れに伴う大雪に阻まれ、海抜 2,000mに位置するトラッキー*1々畔での越冬を余儀なくされる。食料は早い段階で尽き、幾人かは雪の山脈を越えてカリフォルニアに助けを求めた。しかし救援隊は'47.2まで到着せず、結局一行87人のうち、生きてカリフォルニアの地を踏んだのは48人だった。歴史家は、この事件を西部開拓史における壮大な悲劇と位置付けている。(wikipedia

 マニフェスト・ディスティニーに従い、西部に新天地を求めた開拓者たち。その中の一組の敗北者が今回の主人公。道を誤りソルトレイク砂漠の乾きに苦しめられ、シエラネバダ山脈での越冬を余儀なくされ、遂には人肉食の禁忌にすら手を染めざるを得なくなったアメリカ西部開拓史最大の悲劇の一つで盛り上がらない訳はないお話なのですが、作者の興味関心がマニフェスト・ディスティニーの原動力たるフランス・メキシコとの領土争いに向いているので肝心の苦難の旅路の描写はちょっと淡泊。正直上述リンクのwikipediaの方がよっぽど良質な悲劇を描いてくれています。まあ逆に言えば、その分背景世界の描写が丁寧なのですが。日本ではほとんど無視されがちなアメリカ西部開拓時代。マカロニ・ウェスタンだけでそれを理解した気になるのは勿体ありません。是非その教科書にどうぞ。

Together We will leave someday

 とまあ、早速タイトル倒れの敗者の物語で幕を開けた「ザ・アメリカ勝者の歴史」シリーズ。日本人でこのテーマを書けるのは私だけと作者の鼻息も荒いこのシリーズですが、結構先行き不安になります。最近こそその覇権にも翳りの見えて来た米帝ですが、四半世紀に亘るパクス・アメリカーナを築いた実力は伊達ではないはずです。大森氏の描くアメリカの巨人たちはどんな物語を紡いでくれるのでしょうか。今から楽しみです。

アルティメイト・ヒッツ

アルティメイト・ヒッツ

帰ってきた今日の一行知識

習慣的に人肉食を行っていると「狂牛病」に罹る
人肉食の風習の残っていたニューギニアの風土病「クールー」がそれ。哺乳類が同族食を行うとプリオンが生成されるなんて説もあったり。狂牛病も飼料に牛の肉骨粉を混ぜていたのが原因ともいわれてますね。同族食をタブーとする為にDNAに刻み込まれたブービートラップでは、って想像は知的好奇心がくすぐられませんか?

*1:現在では、ドナー湖と呼ばれている