脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『なぜわれわれは怪獣に官能を感じるのか』

http://blog.livedoor.jp/parumo_zaeega/archives/50242936.html
倫理も平和も糞喰らえ。これぞ男の子の夢。

 困った時の唐沢俊一。題名から類推できる通り、大変下なネタ満載ですので、以下ネンネとカマトトと潔癖なお坊ちゃんは閲覧禁止。

なぜわれわれは怪獣に官能を感じるのか

なぜわれわれは怪獣に官能を感じるのか

そう、土地の子 受胎 哲学の胎児

 あなたは怪獣に胸ときめかせた経験はありませんか?街を蹂躙し、ヒーローに嬲られる彼ら。あの時感じた興奮が実は未熟な官能の発露だと言えばあなたは驚くでしょうか。それとも鼻で笑って終わりでしょうか。この馬鹿馬鹿しくも深遠な命題を当代きっての論者が語り倒す。これを読めばきっと明後日のウルトラマンメビウスを見る目が変わります。


 トリビアの泉開始前の一番唐沢俊一が脂の乗ってた時期の作品。「怪獣怪人はエロい」を主題に14人の論者が思い入れたっぷりに語り倒しています。この手のアンソロ本にありがちな欠点ですが、どうしても作者毎のレベル差が悲惨なことになっています。メインの唐沢俊一は文句なしの出来栄えですが、他で及第点は開田祐治・睦月影郎・べギラマ位。後はユリイカQJ臭くて溜まらんアングラサブカル調のいけ好かない文体か、そもそも文章屋ですらない人の感想文かの二択。性格的に飛ばし読みが無理な人にはちときつそうな構成です。あと怪人怪獣についての注釈・図版はほぼ皆無なので、予習は必須。

 内容は基本非常にフェティッシュ。人によってストライクゾーンど真ん中か、ビーンボールか両極端。一般化はほぼ不可能なので、詳述は避けます。
 これだけでは流石に手抜きなので、心に残ったお話を一つ。

何故ウルトラマンは最初にスペシュウム光線を撃たないのか
 特撮を馬鹿にする心無い人がしばしばあげつらう定番のネタで、それに対抗すべく数々の分析・考察がなされてきました。曰くウルトラマンは人間形態ではスペシウムを合成できないので、発射まで変身後に暫くの時間を要する。曰く双方にとって一撃必殺のリスクの高い技なので、相手を無力化するまで怖くて撃てない。この埒の開かない議論にも決着のつく日が来ました。

スペシュウム光線は射精の暗喩」だったのです。そう考えれば数々の疑問も氷解します。あの蛇足かに見えた怪獣プロレスも前戯と考えれば得心が行きます。互いの魅力を誇示しあい、体をまさぐりあい気分を高めあう。なんとエロチックな儀式だったのでしょうか。このような新たなテーゼを思いつくとはなんと唐沢俊一は偉大なのでしょうか。(「スペシュウム光線=プロレスの必殺技」説の焼き直しなのは内緒です。)

さらなる円環無限に果てなき

 無辜の民を蹂躙するサディスティックな快感。絶対の力を誇る無敵のヒーローに無残に嬲られ屠られるマゾヒズムの局地。あれほどに怪獣が少年の心を捉えて止まなかったのにはこれだけの理由があったのです。性が不自然に秘められ隠されたあの時代。少年達は怪獣映画にそれの香りを鋭く感じ取っていたのではないのでしょうか。
 そう考えると、昨今の怪獣モノの不振も納得がいきませんか?性情報の氾濫する昨今、少年は暗喩に頼らずとも欲求を満たせてしまうのです。これは由々しき事態ではないでしょうか。少年が怪獣に官能を感じなくなる日、それは日本から想像の力が失われる日と同義なのだと私は憂います。

今日の一行知識

アメリカ他で流行中の人工巨乳の発祥地は日本
占領下日本でGHQ相手のパンパンがヤンキーの趣味に合わせてシリコン注入手術を行ったのが嚆矢とのことです。日本でも某叶姉妹とかにその技術は継承されてますね。

「少女革命ウテナ」~バーチャルスター発生学

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