脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『フルメタル・パニック!~疾るワン・ナイト・スタンド』

https://hosyusokuhou.jp/archives/48955014.html
迷走が止まらない。政界の若きプリンスと将来を嘱望されるも疑獄で総理になりそこなって、焦って無理筋の政界再編しかけて頓挫失脚からの、政党交付金目当ての小政党のお山の大将へ。ってプロフィールだけ追うと、犬猿の仲の小沢一郎とそっくりな政治家人生辿ってますねこの人。


 誘われて楽しみにしてたけど誘ってくれた人がドタキャンで某イベントに単独参戦の予定。さあ、このコミュ障は保護者なしで泣かずに帰ってこれるのでしょうか。

この世界に生まれたその意味を君と見つけにいこう

 千鳥かなめの護衛任務として平穏な高校生活を満喫する相良宗介ことウルズ7。そんな彼のセーフハウスに転がり込んできたのは御年16歳の美少女艦長テレサテスタロッサ。同世代の異性との交流にまんざらでもない上司と彼女が持ち込んできた超ド級のトラブル。サージェント・サガラは無事難敵ベヘモスとかなめの嫉妬を退けられるのか?


 懐かしの名作をだらだら読み直そうのコーナー。高校時代に初めて読んだ時の感動が色褪せずに何度でも蘇ります。内容というかテイストは、長編ラノベあるあるの、「2巻は、読切が好評で無事長編できたけど準備が整ってないんで、後から見たら設定が固まってなくて異色な1冊になりがち」を地で行く構成。なんせ敵役が怨敵ガウルンでもアマルガムでもなくぽっとでのテロ組織「A21」。「国内」の「極右」のテロ組織に作者の政治的バランス感覚とシニカルな視点を感じてほっこり。それでいて行動理念は古式ゆかしい「復讐」で滅びの美学に身をゆだねてるんだからそら魅力的な悪役にもなります。敵ASもでっかいことはいい事だのベヘモスで、明確な弱点を持たせることによってヒロインのかなめにも華を持たせる痒いところに手の届く仕様。ついでに言うと、日常パートも前巻のミステリアスで冷徹な美女からポンコツ可愛いおちゃめな少女へ見事なジョブチェンジを果たした我らがテッサたんが魅力を振りまいてくれるので◎。宗介が徹頭徹尾古き良きラノベ主人公の宿命として板挟みでおろおろしっぱなしなのも実に不憫可愛いです。とまあ、世紀末に爛熟したラノベ文化の粋を集めたような一冊ですので、温故知新の気概のある若人は是非ご一読を。

痛みさえも抱えながら

 前にも書いた気がしますが、スレイヤーズが大輪の花を開かせたラノベ文学の完成形はこの『フルメタル・パニック!』であると確信しています。新シリーズ『フルメタル・パニック! Family』来月新刊発売!の嬉しい知らせも届いたことですし、是非またこの名作が日の目を見る日が来ることを願って。


www.youtube.com