脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『禍』

次の選挙どこに投票したらいいんだ?支持政党とか考えてる?:哲学ニュースnwk
安倍さんいなくなってから、宏池会公明党支配のハト派路線まっしぐらな自民党は今回流石に一回痛い目見ろと思うんですが、代わりの野党がどいつもこいつも。消去法で国民民主党になりそうなんですが、いちいち信頼しきれんのよなあと。悩ましい所です。


 気付けば10月も過ぎて衣替えのシーズンに。ただ昼間動いてると普通にまだ暑いんだよなあ。風邪ひかないように注意します。

禍

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浮遊する善悪に味付けをし、我先にと飛び込む先は

食書

"おめでとう。太宰に追いついたね"by恭子


 初っ端からこれか!(歓喜)書物と物語への偏愛が大爆発。悍ましくも美しい最高の作品です。

耳もぐり

俺はここにいると言ってるんだ。いないことになんかできねえよ」by鈴木


 世にも奇妙な物語チックなコミカルホラーだと思ってたら、突如物語は深淵を覗かせ・・・って感じのこれまた最高の作品です。ああどんどん語彙力が・・・。

喪色記

"灰色の獣たち"……」byマナ


 飛浩隆を思わせるもの悲しくも美しい破滅の描写が出色。『残月記』でもそうでしたが、この人異世界と「現実」をリンクさせるの大好物なんですね。

柔らかなところへ帰る

お隣、よろしいですか?」by女


 女性美は豊満な肉体にこそ宿ると信じる者としては、けしからなさ過ぎて何と言っていいやらの逸品。うっかり混雑気味の電車の車中で読んだので、つい陶然たる目つきを肩を触れ合わせながら座る隣の乗客に向けてしまいました。残念ながらその人はしょぼくれたおっさんでしたが。

農場

この歳んなるとよォ、もう毎日が退屈で退屈で……。若いときみたいに夢中になってなんかやるなんてことはもうねえな。昔は人生五十年なんて言ったもんだけどよォ、よくできたもんで、まあちょうどいい塩梅だ。そっから先は線香花火の終わりかけみたいなもんで、ちらっぱ、ちらっぱ、まあ大したことは起きねえな」by篠田


 ものすごく淡々とした口調で語られる凄まじい悪夢の世界。風呂敷畳み損ねたかラストは個人的にちょっと不満足でしたが、中盤あたりの自分の常識がグラングランと揺さぶられるような感覚は最高です。お仕事ものとしても◎。

髪禍

男とつきあうときはな、まず握り拳を見んねん。女を殴る男は、この骨の出っぱったところに肉がつぶれたみたいな傷があるから。そういう男はかーってなったら、女だけやなくて、壁殴ったり電柱殴ったり郵便ポスト異殴ったりするからな、傷が残んねん」by母


 確か小田雅久仁氏の初読がこれ。再読してみると流石に初見時のインパクトには欠けましたが、想起させられるビジュアルイメージの凄絶さは凶悪。是非新たな妖怪か邪神として根付いてもらいたいくらいの存在感です。

裸婦と裸夫

いつまでもそんな格好してんじゃねえよ!これからはそんな時代じゃねえだろ!」by裸夫


 筒井康隆「最後の喫煙者」がモチーフかな。ラストの「さあ新世界へ!」のオチは個人的にちょっと興醒めでしたが、そんなのどうでも良くなるくらいにヒロインの地味娘ちゃんの描写で艶っぽくて最高。

信じてます行く日が来ると

 「11階」で名前を胸に刻んで、『残月記』で本格的に惚れ込んだお方。何処までも悍ましく禍々しく、それでいてどこか清潔感すら感じさせる不思議な作風が、心を大きくえぐります。正直読むのにかなりなカロリーを消費するタイプの作家さんではあるので、安易におススメはできませんが、是非一度読んでみてください。


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