脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『平家物語』

炎上したNPOと土佐市によるカフェ追い出し事件 ヤバい続報が出る ※要約あり:ハムスター速報
役所の事なかれ主義と、地元の名士(笑)の醜悪さと、若手起業家の足元の甘さと、現代日本の抱える闇の教科書的なトラブルだったことが判明。地方にはまだまだこんなトラブル佃煮にするほど転がってますから、我こそはと思うライターの方は是非取材の上告発を。


 宿酔いが翌々日まで祟るようになった。俺ももう若くねーなあー。

地獄極楽辛く甘く鐘の声響き儚く

 琵琶引きの父を平家の禿に殺された少女びわが、何の因果か平重盛に拾われ養われることに。彼女の未来を見透す目は落日の平家になんの物語を見出すのか。


 気になってたけど手を出しそびれてた傑作アニメを藤津先生の「アニメを読む」の予習にまとめて見てみました。感想は一言、なんでこんな傑作を見逃してたんだろうか。雄大極まる大河ドラマである平家物語が、山田尚子・吉田玲子のけいおんコンビの手で日常アニメの文脈に落とし込まれて、壮大さと身近さを兼ね備える傑作になっています。軍記物語や仏教説話の要素はフレーバー程度にまでそぎ落とされ、もう一つの核である「鎮魂の物語」という側面が「愚かしくも愛らしい魅力的なキャラクターたちが激動の時代に振り回されながらも懸命に生きた等身大の記録」という現代風にリブートされ、現代人の需要にジャストフィット。話の主軸に本編では非常に影の薄い維盛・資盛・清経の三兄弟を持ってくるセンスには素直に脱帽です。
 個別で言うと、いずれも劣らぬ怪人ぶりを示す平清盛後白河法皇の怪獣大決戦的な角逐と、それでいてどこか愛らしいおじいちゃんなキャラ造形とか、教経の猛将要素を取り込んで知勇兼備の名将になった知盛とか、声優の演技力で現代人の常識からは異常にしか見えない最期に謎の説得力を持たせる平時子とか、知名度ゆえに無視できなかったか中盤唐突に生えてくる敦盛とか静御前とか、ここスキ要素を並べ立てると無限の紙幅があっても到底足りないのでここらで切り上げますが、平家物語愛する人も知らない人も絶対に見ておくべき大傑作です。FODで見れるので、全力脱力タイムスあたりと一緒にどうぞ。

憚りながらお耳拝借伝える栄華と没落

 平家物語は概略は全部さらってるけど精読はしてない程度の自分の知識だと、細かい展開を適度に忘れてて、とは言え有名だったりマニアックだったりするくすぐりには「あ、これ」って気づいてニヤニヤできたりと非常に楽しめました。本来強要ってのはこういうことができるためにあるんですよね。みんなもっとこうやって色んなフィクションの解像度を上げるためにも、歴史と古典を勉強しましょう。


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