脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『大化改新~六四五年六月の宮廷革命』

【朗報】「サガ フロンティア」HDリマスター版発売決定!8人目の主人公ヒューズや未実装イベントも追加 : ガハろぐNewsヽ(・ω・)/ズコー
超朗報。「戦え!アルカイザー」のボーカライズVer.は是非収録して欲しいもんです。


 先日から隣家の取り壊し工事開始。朝8時から作業始めてくださる騒音は丁度いい目覚ましとしても困るのは振動。常時震度3位の揺れってのはなかなか精神衛生上よろしく・・・つーか倒壊しねえよなこのボロ家。


競馬成績・・・R2収支-52450

聖剣ⅢToM進捗

  • 2周目ランプ花の森探索中。主人公の職業:ソーサレス

傲れる者は久しくないやがて蘇我氏をつぶそうと仲良し二人が立ち上がる

大化の改新
 皇極天皇四(645)年6月の中大兄皇子*1らによる蘇我蝦夷*2・入鹿*3討滅事件*4を始まりとし、同月の孝徳天皇*5即位後、大化二(646)年1月に宣されたとされる〈改新之詔〉(大化改新詔)を中心とし、大化元(645)年8月の大化年号制定・官制改革・東国国司派遣、難波への遷宮や評の全国への設置など、大化(645-'50)・白雉('50-'54)期に施行された政治改革を総評する用語。
 近世後期の尊王思想により天皇中心の国家体制確立の画期として大化期が注目され、近代になり近代国家成立の端緒の明治維新と対応する古代における国制確立、社会変革の出発点として大化改新を位置づける歴史観が提唱されるになった。津田左右吉*6は社会経済史的研究による大化改新社会変革論批判のために「上代日本の社会及び思想」(1933)で『日本書紀』「孝徳紀」の史料批判を行ない、改新之詔は近江令により述作されたこと、大化改新は政治改革に過ぎなかったことを主張した。坂本太郎*7は「大化改新の研究」('38)で津田説を批判し、改新之詔は当時のものであり大化改新の過程は日本書紀通りに復原できると主張した。井上光貞*8は「大化改新の詔の研究」('64)により、固有法体制から律令体制への国制発展を検討する視覚から改新之詔には原詔と令条からの転載部分とがあることを論じた。前後して、八木充*9の浄御原令(689)による改新之詔修飾説、岸俊男*10の原詔の存否を疑う説も出された。1965頃から『日本書紀』「孝徳紀」の政治改革記事は後代の述作で大化改新を歴史的画期とするのは近代史学の所産であるとする大化改新論批判が門脇禎二*11・原秀三郎*12らにより提起された。門脇は孝徳期はそれ以前からの政治改革の最終段階であることを論じ、原は『日本書紀』「孝徳紀」が記述する部民廃止・東国国司派遣などは天智期の政治改革に他ならないことを論じた。これにより、大化改新日本書紀をもとに認める見解、改新之詔の史料批判により改新の実態解明を主張する見解、日本書紀の描く大化改新は虚構との見解が対立し、大化改新論争と称されている。大化・白雉期には、班田・造籍が実施された明証はないが評の設置などの地方行政組織の改革が行われたことは確実とされ、部民廃止・官制改革も着手されたと考えられているが、律令制確立には天智期・天武期の改革を経て大宝律令施行までなお50年余を要した。大化・白雉期の政治改革の実態にはなお検討すべきことが多い。(『岩波日本史辞典』より引用)


 大化改新のタイトルですが取り上げられてる内容はほぼ乙巳の変。つーか時期的に見て「乙巳の変」とその後の改革を明確に弁別するようになったのってひょっとしてこの本が最初?ってな訳で、大化改新というか乙巳の変に関するかなり革新的な見解が示される非常に魅力的な一冊となっています。乙巳の変の本質は古人大兄皇子を擁立しようとする蘇我入鹿ら主流派と軽皇子を擁立しようとする蘇我倉山田石川麻呂らクーデタ派との権力闘争で、中大兄皇子はクーデタ実行の現場責任者、中臣鎌足に至ってはクーデタ派の若手その一に過ぎないという史観は目から鱗というか、個人的に今後飛鳥時代を理解するのに根幹となるであろう世界観になりました。これだから新進気鋭の学者さんの本に挑戦するのはやめられませんよね。

最期に笑うのは名もない人々だ

 大化改新は645年、鎌倉幕府成立は1192年じゃなかった今は1185年でしたっけ。小学生の歴史の授業で年号を暗記させるのは歴史教育に百害あって一利なしです。もっと歴史ってこんなに楽しいんだよっていうことをしっかり分かってもらうことこそ初等教育に必要なカリキュラムなのではないでしょうか。さあみんなもそれを入り口に歴史沼にはまるんだ

帰ってきた今日の一行知識

中大兄皇子がすぐに天皇になれなかったのは妹とできてたから

異母兄妹ならなんの問題もない古代においても同母兄妹は完全アウト。彼が天皇に即位できたのはその間人皇女が死んでから。そんなスキャンダル正史に堂々と記載できるはずもないので、ここら辺の皇位継承順が謎めいたものになってます。つーか擁立した天皇に自分の妹兼愛人押し付けるってどんな鬼畜の所業だ。

*1:第38代天皇。諱は葛城。父舒明天皇、母皇極天皇。謚:天智。乙巳の変により蘇我氏を駆逐し孝徳天皇を擁立。大化の改新を断行し律令体制の基礎を築く。白村江の戦い大津宮遷都を経て天皇に即位。庚午年籍近江令を制定した。

*2:大臣。父馬子、母物部太媛。推古天皇の後継者争いにおいて山背大兄王を退け、田村皇子を擁立し舒明天皇とする。大臣として権力を掌握するも、乙巳の変により敗死。

*3:大臣。父蘇我蝦夷。父蝦夷と並んで政権を担当しその勢威は父を超えるとも言われた。山城大兄王を攻め滅ぼすなどの強引な手法を憎まれ乙巳の変にて横死。

*4:乙巳の変とも称す

*5:第36代天皇。諱は軽。父茅渟王、母吉備姫王。乙巳の変により中大兄皇子中臣鎌足に擁立され即位。彼らの輔弼の下大化の改新を断行するも、飛鳥宮への還都に反対したため見捨てられ、一人取り残された難波長柄豊碕宮で失意のまま病死。

*6:早稲田大学教授。従三位勲一等瑞宝章。代表作:『神代史の研究』・『日本上代史研究』・『古事記及び日本書紀の研究』他。

*7:東京大学名誉教授。従三位勲一等瑞宝章。父宗十郎、母ちか。代表作:『大化改新の研究』、『日本歴史全集 2 国家の誕生』、『六国史』他。

*8:国立歴史民俗博物館初代館長。従三位勲二等旭日重光章。父三郎、母千代子。代表作:『日本浄土教成立史の研究』、『日本国家の起源』、『日本の歴史3 飛鳥の朝廷』他。

*9:山口大学名誉教授。代表作:『律令国家成立過程の研究』、『古代日本の都 歴代遷都の謎』、『飛鳥藤原京』他。

*10:京都大学名誉教授。父熊吉。代表作:『日本古代政治史研究』、『日本の古代宮都』、『藤原仲麻呂』他。

*11:京都府立大学名誉教授。代表作:『古代出雲』、『「大化改新」論』、『釆女』他。

*12:静岡大学名誉教授。代表作:『日本古代国家史研究 大化改新論批判』、『地域と王権の古代史学』、『日本古代国家の起源と邪馬台国 田中史学と新古典主義』他。