脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『海賊とよばれた男』

富士山で滑落死したニコ生主、日本人初のダーウィン賞受賞 | 不思議.net
数々の蹉跌と絶望を乗り越えて最期に何者かになろうとした憐れなワナビーの夢が成就した・・・なんていうと怒られるでしょうか。


 朝は朝で満員電車にもまれ、夕方は夕方で渋滞に呻吟する。退屈でくそったれな日常が帰ってきました。これをうれしいと思えるのは後何日だろう。


DQⅪS進捗

  • 賢者の試練・不惑の森探索中。称号:悟りし老賢人。

荒波乗り越えて船をこぎ出せばそこは同胞集う希望の地

 かつて日本に「海賊」とよばれた男がいた。石統に抗い、七人の魔女と伍し、石油禁輸下のイランにタンカー日章丸を乗りつけさせた漢。彼の破天荒にして剛直な人生の物語。


 『永遠の0』最初の数ページで挫折したのに懲りてればよかった。栄えある本屋大賞に輝き、映画化もされた大ベストセラー!のはずなんですが、正直全く合いませんでした。一読の感想は一言、「なんだこの下手糞な文章は!」。大根役者がカンペ棒読みしてるかのような説明台詞、明らかにどっかの種本まんま孫写しだろうって聞きかじりの一切咀嚼されてない説明文*1、そして話の流れとは無関係に挿入される作者の思想信条を登場人物に声高に代弁させるうわぁなシチュエーションと、信者の方々がよく主張されるように国語の教科書に載せるべき小説です。勿論反面教師として。
 そんな致命的な小説技法の稚拙ささえ目をつむれば、世の好評のよくわかる骨太で魅力的な人物伝。特に第3章「白秋」の日章丸事件は手に汗握る義憤と喝采を禁じ得ない大迫力の歴史の一大ページェント。そうか、小説と思わず、ちょっと文章が不自由な素人作家が頑張って書いたノンフィクションなんだと思えば腹も立ちません。
 以上、結論としては、一読必須の名著であることは間違いないけど、百田尚樹が小説家として優秀なんていう人は盲目の信者か普段全く本読まない奴なんでえんがちょすべき。

常にその心に荒ぶる波をいにしえの海人の生き様を

 百田尚樹氏の思想信条には賛同しますし、間違いなく一廉の国士なんでしょうが、文筆家としての能力は・・・。左右関係なく、思想信条でその人の能力まで評価してしまう風潮は絶対に戒めるべきです。と浅田次郎山本弘ゆうきまさみを心から愛するネトウヨの魂の叫びでした。

国岡商店社歌 合唱団Ver.(映画「海賊とよばれた男」劇中歌)

国岡商店社歌 合唱団Ver.(映画「海賊とよばれた男」劇中歌)

  • 発売日: 2016/10/26
  • メディア: MP3 ダウンロード

【海賊とよばれた男】国岡商店社歌 Full Ver.

帰ってきた今日の一行知識

出光佐三は家庭人としては最低だった

徹底的に美化されてたはずの小説内でも隠し切れないその片鱗は節々にうかがえましたもんねえ

*1:生憎『日本国紀』は未読ですが、巷間囁かれるwiki丸写し疑惑の理由がよく分かりました