脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『司令官たち~湾岸戦争突入にいたる"決断"のプロセス』

痛いニュース(ノ∀`) : 日本政府、ホワイト国から韓国除外 閣議決定 - ライブドアブログ
昨日のアメリカ介入報道で一時はどうなることかと思いましたが無事断交もとい断行。これが「普通」の国への第一歩になりますように


 梅雨が明けたら即猛暑。夏は好きですけどもうちょっと助走ってもんを


競馬成績・・・2019収支-36420

同時に傷つく日も予感しちゃったけどもう止まれなかったね

湾岸戦争 Persian Gulf War
 西暦1990年8月2日~'91年4月6日。イラククウェート侵攻排除のため、合衆国を中心に英・仏・埃・沙などの連合軍(多国籍軍)とイラクとの間で戦われた戦争。イラクは1990.8.2フサイン*1大統領が「イラクの領土」とする、豊かな石油を産出するクウェートに侵攻し、'90.8.8併合を発表。国連安保理事会はイラク経済制裁を決議し、その後もイラクの違法性を声明した。イラクは在留外国人の人質作戦をとり、フサインクウェートからの撤退を、パレスティナからのイスラエル撤退などの3条件とリンクさせ、また、ミッテラン*2仏大統領は調停和平工作にのりだしたが成功せず、デクエヤル*3国連事務総長も、国連が'90.11.29に決めたイラク軍の'91.1.15の撤退期日直前にフサインと会談したが失敗。連合軍は'91.1.17イラク空爆、ミサイル攻撃を開始。イラクによる戦争不参加国イスラエルへのミサイル発射やサウディ・アラビアのカフジでの地上戦も行われた。この間、劣勢に立ったイラクが国連安保理決議の条件受け入れを声明したり、ゴルバチョフ*4ソ連大統領の和平提案がなされたりしたが、ブッシュ*5米大統領はこれを拒否。'91.2.24クウェートイラク軍に対し、多国籍軍が本格的地上戦を開始、'91.2.28イラクの完敗で停戦、'91.4.6戦時賠償・復興費の負担や監視団の駐留を含んだ国連の停戦決議をイラクが受け入れた。戦争は高度技術戦で、この面でアメリカ製武器の優秀性が証明された。イラクによる原油ペルシア湾放出、クウェート油田700ヵ所の放火による環境汚染が進んだ。戦争の結果、イラクは中東の軍事大国から転落、フサイン指示を表明したヨルダンやパレスティナ解放戦線(PLO)も経済制裁をうけ、発言力を弱め、エジプト・サウディ=アラビアの発言力は増した。日本は戦争協力費90億ドルを支出、戦後、機雷除去の掃海艇部隊をペルシア湾に派遣した。'92.8合衆国・イギリス・フランスは、シーア派イスラム教徒を爆撃から守るためイラク領内に飛行禁止区域を設定。'93.1.13飛行禁止区域内にイラクが地対空ミサイルを配備したことを理由に、合衆国はイギリス・フランスと共同して空爆を開始した。(『新編西洋史辞典 改訂増補』より引用)


 ブッシュの大統領選当選から砂漠の嵐作戦開始まで、パナマ侵攻と湾岸戦争がどのような意思決定プロセスで始められたかをパウエル統合参謀本部議長とチェイニー国防長官への丁寧な取材で解き明かした労作。なんですが、如何せん翻訳が下手糞で目が滑るので500Pの力作を読み切るのは結構な苦行です。原著はきっとスリリングでエキサイティングな名著なんだろうなあってのがうかがえるのが非常に残念。悔しかったら原典読める語学力を身につけましょう。
 そんな日本側の事情を抜きにすれば、主人公のパウエル&チェイニーの「どいつもこいつも話を聞け」の歯噛みの音が聞こえてきそうな臨場感が実に楽しい一作です。プレイヤーとして颯爽とカードを切ろうとするたびブッシュ大統領やシュワルツコフ中東派遣軍司令官に盤面めちゃくちゃにされるんだからそら切れるわとちょっと同情。どこの国でも、どんなに偉くなっても中間管理職の悲哀は変わんないんですね。

Okey-Dokey 君の意向にはそっからもう絶対逆らうことなんかなく

 テクノロジーの差が練度や士気や軍略はおろか数ですら覆せなくなってしまっていることを満天下に示した記念すべき一戦、湾岸戦争。費用対効果のこと無視すればアメリカに敵う国や組織なんてもう存在しえないんですよね、と遠い目。パラダイムシフトが起きれば・・・っても、現状の知的リソースの偏在具合から考えて、それ起こすのまず間違いなくアメリカだしなあ。現実は厳しいです。そう考えると今の日本のスネ夫戦略はあながち間違ってないんだよなあ。安倍さん、当分の間は、トランプさんとの蜜月関係の維持しっかり頼みますね。

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帰ってきた今日の一行知識

湾岸戦争は戦艦が実戦参加した最後の戦争

ミズーリがトマホークぶちかましてましたね。・・・てかミズーリって普通に大和あたりと交戦してなかったっけ。もし日本が敗戦の憂き目にあってなければ、彼女たちの雄姿を目撃できたかもと思うと残念でなりません。

*1:صدام حسين。イラク共和国第三共和政第2代大統領。父フセイン・アル=マジード、母スブハ・ティルファー。バアス党の党情報委員会の一員として頭角を顕し、バクル政権の副大統領となる。バクル退陣後大統領となり親米独裁政権を樹立。イラン・イラク戦争の結果中東の軍事大国となりクウェート侵攻を行うも湾岸戦争の敗北により国連の監視下に入る。その後も瀬戸際外交を続けたがイラク戦争により失脚逃亡。その後アメリカ軍により逮捕処刑。

*2: François Maurice Adrien Marie Mitterrand。フランス共和国第21代大統領。父ジョゼフ。ドゴールの第四共和政で要職を歴任、アルジェリア戦争の鎮圧などに貢献した。大統領就任後は内では社会主義的政策を推進、外ではECの発展拡大に尽力し、ハト派として東西冷戦終了前後の困難な政局を乗り切った。

*3:Javier Felipe Ricardo Pérez de Cuéllar de la Guerra。ペルー共和国第135代首相。外交官として活躍し国連事務総長も務める。退任後大統領選に出馬するも落選、その後パニアグア大統領の下で首相職を勤めた。

*4:Михаил Сергеевич Горбачёв。ソビエト連邦初代大統領。スタヴロポリ地方の党官僚として頭角を顕し、同郷のアンドロポフの知遇を得て累進。チェルネンコ死後書記長となりペレストロイカグラスノスチを推進するも頽勢を挽回するに至らずソ連は崩壊した。

*5:George Herbert Walker Bush。アメリカ合衆国第41代大統領。海軍中尉。父プレスコット、母ドロシー=ウォーカー。地元テキサスでオイルビジネスに従事していた際にCIAとの関係を持ち、政界進出後も中東・諜報通として累進。レーガンの後を襲い大統領就任後はパナマ侵攻や湾岸戦争などで冷戦後の新秩序の確立に尽力した。