脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『蚤と爆弾』

『議員の給与を半分、都知事給与は全額カット』百田尚樹氏の都知事立候補に現実味:ハムスター速報
頼むから誰か早くまともな人立候補して。


 風邪がようやく寛解。しかし、帰省と合わせてほぼ丸10日近く全く仕事にならんかった所為で今週の「宿題」がえらいことになってくれてます。さあどうしてくれよう。


競馬進捗・・・H28収支-21410

新装版 蚤と爆弾 (文春文庫)

新装版 蚤と爆弾 (文春文庫)

さされてたとえ痒かろうともつぶすことさえまかりならぬ

 関東軍防疫給水部創設者曾根二郎。日々混迷を増す大陸戦線を打開せんと彼が辿り着いた結論、「生物兵器」。戦中という異常事態に満洲という治外法権の地で、彼の悪魔的頭脳はどこまで到達するのか。


 悪魔のプロジェクトX生物兵器の実用化という困難に倫理を振り捨て全身全霊をかける一人の医師の物語。材木、こと中国人捕虜の皆さんがモルモット以上の気軽さでバンバン死んでいくのさえ見ない振りすれば、一人の天才の滅私の情熱が一歩一歩結実していく見事な科学小説。道徳心にかけるせいか主人公の曾根に思いっきり感情移入したので、敗戦により、今まで築き上げた研究成果があわれに灰燼と化すさまは涙なくして読めません。最後の最後で、かろうじて持ち出した研究記録がアメリカ軍に引き継がれたのにはバッドエンドの中のちょっとした癒し。
 以上、学校の読書感想文で提出したら間違いなく職員室呼び出しコースの不謹慎な感想でした。

御殿の中でいばりかえらす

 戦局を覆すには至らなかったもののほぼ実用化に成功していた旧日本軍の生物兵器。倫理的には決して許されることではないのでしょうが、少しロマンを感じてしまいます。個人的にはABC兵器で殺されるのと、通常兵器で殺されるのに本質的相違はないと思うんだけどなあ。

帰って来た今日の一行知識

風船爆弾は1000発以上がアメリカ本土に到達していた

BC弾頭を搭載されることを恐れたアメリカ政府の必死の隠蔽工作で、日本軍は「やっぱり失敗だったか」とあっさり諦めた模様。日本人は相変わらず、想像の方向性とそれを実現してしまう技術力が異次元だ。