脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

太平洋行進曲と蒼天航路と阿諛追従について

NHK紅白の白組トリは近藤真彦、赤組は松田聖子 - 政経ch
NHKよ、どこへゆく。


 冬季賞与も支給され漸く活発になって来た転職市場。来年度の人員確保に向け、人事部なんて夢のまた夢の中小勤務の事務としては、引き抜きの下交渉に余念がない日々なんですが、おかげで支出と肝臓の負担が半端ありません。「外交」も仕事のうちとは言え、正直自分の賞与分くらいはふっとんでんですけど。来年は絶対に交際費に計上してやるぞ。


SRWBX進捗

  • 2周目第25話「虹を見た日」プルトゥエルブ暴走。トップエース:ミスマル=ユリカ@ナデシコ

ゆれる会話できない子もとけこむ日隠れたいように

太平洋行進曲

太平洋行進曲 - 脱積読宣言

太平洋行進曲
作詞:横山正徳、作曲:布施元
歌詞はこちら

 漸うアメリカとの関係の悪化しつつある昭和14年。海の日復活を記念して大阪毎日・東京日日両新聞社が公募した楽曲。戦前軍歌の常として色んな歌手がレコード化してます。しかし、のちの歴史知ってる身からすると完全無欠にアメリカにケンカ売ってる歌詞だなあ。朝日に限らず、当時の新聞社がどれだけ主戦論に傾いていたかのいい証拠です。

蒼天航路

Listen!! pt3 - 脱積読宣言
Listen!! pt1 - 脱積読宣言

蒼天航路
 原作・原案:李學仁*1、漫画:王欣太*2による漫画。1994.10-2005.11『モーニング』で連載された。
 中国の後漢末期から三国時代の英雄曹操*3を「最も人に興味を示した英雄」として主人公に据え、新しい解釈のもとで三国志の世界を描いた長編大作である。キャッチコピーは「衝撃のネオ三国志」。三国志の正史と『三国志演義』のエピソードへの独自のアレンジと、臨場感溢れる豪快な迫力や作者が「その人物に与えるコマにおいては全員主役」と語るという緻密なキャラクター描写が特長。王欣太が当時の編集長に「ブロードウェイのミュージカルのように三国志を描いてみないか?」と言われたことをきっかけに連載が決まった。王欣太は連載前は『中国仁侠伝』を愛読し、古代中国に親しんでいながらも、三国志の知識は全く無く、曹操劉備*4の名前も知らず、孔明*5に聞き覚えがある程度だった。連載依頼の後、吉川英治*6の『三国志』を読むも、冒頭の段階で嫌気が差し、読むのを辞めた。そして正史も読むも、著者*7の修飾が当たり前のように入っていることに違和感を覚え、「修飾が許されるならもっと面白く描くべき」という考えに至った。そのため、正史・演義はもとより、数多くの資料の綿密な考証をもとに、史実を主軸にストーリーを進めながら、作者曰く「史実の横を突っ込む」という想像を大いに盛り込んでの独自のアレンジがされている。連載当初は、原作・李學仁、漫画・王欣太の分業により進行した。1998.9李學仁が死去して以降は、王欣太一人によって執筆された*8。原作者の死去による作風の変化が語られることが多いが、第一話から既にほぼ原作原稿と離れた内容であり、王欣太は「原作とのスタンスは当初からフリーにしてもらった」「(外的要因で)影響が如実に出ていることといえば、編集者の交代」と語り、『三国志演義』では悪役とされていた曹操を主人公としたのはもっぱら李學仁の功績であると述べている。単行本の累計発行部数は1800万部を超える*9。1998年度第22回講談社漫画賞一般部門を受賞した。その後、王欣太自身の完全監修により製作された『画伝蒼天航路』が造本装幀コンクールにて入賞した。2009.4-9日本テレビにてテレビアニメが放送された。(wikipediaより引用)

 三国志に英雄豪傑数あれどそのスケールの大きさは群を抜く怪物曹操。古典三国志では完全無欠の悪役(小物風味)に造形されていた彼を「正当に」評価した新時代の三国志。無味乾燥というかおざなり感の漂う横山三国志とは比べ物にならぬ活き活きとした描写と、史実演戯をない交ぜにした上で更に必要とあらば「嘘」を混ぜることも厭わない狂気の構成がもたらす疾走感は他の追随を許しません。戦闘描写も圧倒的な武と武のぶつかり合いとそれに薙ぎ散らかされる雑兵たちと今流行の無双モノを先取る爽快感。個人的には三国無双の文化史的な直系の先祖はこの作品だと思っています。デフォルメの利いたというかどいつもこいつも怪物的に造形された魅力的なキャラクターたちの乱舞を是非堪能あれ。

蒼天航路 全18巻 完結コミックセット (講談社漫画文庫)

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阿諛追従

嵐の中で輝いて - 脱積読宣言

阿諛追従
 相手の気に入るように、こびへつらうこと。(『大修館四字熟語辞典』より引用)

 阿諛追従をこととすると言えば、宦官とか側用人とかの君側の奸の代名詞な感もありますが、正論ばかりでは世が回らないのもこれまた事実。物事を円滑に回せるお愛想と方便を駆使できる立派な事務になりたいと思います、まる。
 本来はここで語源とか故事について語りたかったんですが、意外や意外由緒のある熟語ではなかったようで、私の力量では初出を探しきれませんでした。

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消えて空いたイメージだけで逃げてく日隠れたいように

ピンホール

ピンホール

帰って来た今日の一行知識

蒼天航路は連載時は「劉備玄徳」と姓+諱+字の典型的間違いな名乗りをしていた
文庫化された時にこっそり全部修正されてましたね。この調子で日本史ジャンルでも会話文で平気で諱を呼ぶ風潮を改めて欲しいものですね。

*1:代表作:『異邦人の河』・『詩雨おばさん』(監督)、『三夢伝』(原作)他。

*2:代表作:『達人伝―9万里を風に乗り―』、『ReMember』、『ファイアキング』他。

*3:武帝。魏王。字は孟徳。沛国譙県の人。父嵩。反董卓連合軍に参加し頭角を顕す。屯田制の採用により勢力を伸張し献帝を保護、官渡の戦い袁紹を破り、中原の覇者となる。中華統一を目指し南進するも赤壁の戦いでの大敗により頓挫し、三国時代を招く。積極的な人材登用により内政を充実させ魏の礎を築いた。

*4:昭烈帝。蜀漢初代皇帝。字は玄徳。涿郡涿県の人。父弘。黄巾の乱後、景帝の後裔を名乗り各地を転戦。劉表死後荊州を簒奪、次いで益州漢中を制圧し蜀漢を建国、三国時代を現出した。義兄弟の関羽張飛の仇討ちの夷陵の戦いで志半ばに陣没。

*5:諸葛亮蜀漢丞相。琅邪郡陽都の人。父珪。単福の推挙により劉備三顧の礼で招かれる。天下三分の計を献策し信任を得、劉備劉禅二代に亘り輔弼。南蛮征伐など功を挙げ、魏打倒の為5次に亘る北伐を繰り返すも志半ばに陣没。

*6:勲一等瑞宝章。父直広、母イク。代表作:『宮本武蔵』、『新・平家物語』、『鳴門秘帖』他。

*7:陳寿。治書侍御史。字は承祚。巴西郡安漢の人。代表作:『古国志』、『益部耆旧伝』、『諸葛亮集』他。

*8:クレジットは “原案”・李學仁に変わっている

*9:2009年9月時点