脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『日本残酷物語1 〜貧しき人々のむれ』

姪っ子に「巻き戻しって何で巻くの? 何を巻くの?」と聞かれた:ぁゃιぃ(*゚ー゚)NEWS 2nd
一緒にゲームやってて、キャンセルの意味で「Bボタン」って言って、キョトンとされたことならある。


 ヘルニア悪化させて入院手術してた同僚が職場復帰。「嘘みたいに痛みと痺れが消えた」の体験談に心動かされ中。今後のこと考えると、さっさと決断した方がいーかなー。


SRWOGⅡ進捗

  • 2周目第45話「凶鳥は三度死ぬ」エグゼクスバイン新生。トップエース:マサキ=アンドー@サイバスター

日本残酷物語1 (平凡社ライブラリー)

日本残酷物語1 (平凡社ライブラリー)

生まれてこのかた強きを助けて弱きをくじいた権力社会

 海賊山賊野盗に乞食、疫病飢餓、間引きに姥捨て、遊女に人身売買。かつて否今なお日本には残酷と名付けらるべき現実が存在する。飽食と懶惰に慣れ、ゆめこの現実を忘れることなかれ。


 宮本常一山本周五郎らの手になる日本民俗誌の古典中の古典が復刊。内容は同ジャンルの教科書的な名著故に、現代においては議論の基礎にされているような内容ばかりで目新しさには欠けますし、当時の論調を反映してド直球の階級闘争史観を誇らしげに掲げているので今となっては苦笑を禁じ得ないところもしばしば。この本の現代的評価は大月隆寛氏による解説の「かつて『残酷』と名づけられてしまった現実」という副題が過不足なく言い表しているでしょう。疫病や飢饉の理不尽や間引きや姥捨ての悲惨さは、まさに残酷とでもいうしかないでしょうが、盗賊や乞食、流浪の男に重労働のシングルマザーなんかは、現代的な視点から見れば、「逞しい民衆の底力」と名付けてしかるべきだと思います。
 半世紀も前の本に視野狭窄や議論の後進性を後知恵でいうほど愚かなことはないので、ここらでやめますが、本流から外れた民俗誌という分野を開拓したパイオニアとしての業績や、今となっては復元することなど夢にも敵わぬ近世の遺風を残す明治を生きた先賢たちの実体験の原資料の記録を記した教科書として、尊重すべき一冊だと思います。あと少なくとも、文章や校正も昨今の木端売文屋の到底及びもつかぬ名文揃い*1なので、十二分にファンタジーな娯楽作としても読めます。まあ、そんな読み方されると作者のお歴々は草葉の陰でむせび泣くかもしれませんが。

闇にて潤う共産社会

 古書狂のサガとして、数十年前の本を読むのはざらなんですが、四半世紀を超えたくらいから気になりだすのが、進歩主義階級闘争主義、唯物主義の臭み。当時の時代の息吹を感じるとでも思えば、腹も立たないのかもしれませんが、どうもまだその境地にはたどり着けません。となれば、気になるのは、今我々の生きるこの時代を後世省みたとき、どんな悪臭を放っているのか。歴史修正主義?物質快楽主義?それとも旧時代の常識に囚われ自縄自縛に陥ってる愚かなピエロの愚痴?なんにせよ後進にその言い訳をできる位までは元気で長生きしたいものです。我々世代の使命は後世に日教組進歩的文化人の悪行三昧を語り継ぐことだと信じて。

孤独の太陽

孤独の太陽

帰ってきた今日の一行知識

古来日本では子供は7歳になるまで人間ではなかった
前近代特有の極悪な幼児死亡率から、7歳までは現世に定着しきってない「神の子」扱いだった模様です。それを思えば、ちょっとずつ人間界に馴染んでいく過程としての七五三の儀式の重要さがしのばれますね。

*1:多作者によるアンソロジー(しかも無記名)なので、多少ならずレベルの差があるのはケンチャナヨ