脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『第二次世界大戦〜ヒトラーの戦い6 モスクワ・冬』

【KAGEROU】水嶋ヒロ先生の小説のあらすじが厨二すぎる件 : 暇人\(^o^)/速報 - ライブドアブログ
これでゴーストライター説は消えたかな?少なくとも多分プロットは本人だ。


 たかだか10人程度ですが、ボランティアの人を動員してのイベントがようやく終了。イベンターの方の苦労を痛感しました。とりあえずみんな余り自由に行動しないで欲しいなー。

第二次世界大戦・ヒトラーの戦い 第6巻 モスクワ・冬

第二次世界大戦・ヒトラーの戦い 第6巻 モスクワ・冬

AN EVEN FIGHT

第二次世界大戦 Second World War
 1939年9月〜'45年8月。ドイツ・イタリア・日本を中心とする全体主義国家群(枢軸国)の侵略により、民主主義国家群(連合国)との間に生じた戦争。その導火線となったのはドイツのダンツィヒおよびポーランド廻廊に関する要求である。
 1939.9ドイツ軍のポーランド侵略に対するイギリス及びフランスの対ドイツ宣戦で戦争が始まり、ドイツは直ちにポーランドを圧倒してソ連とこれを分割。'40.4デンマーク及びノルウェーを降し、次いでベルギー・オランダを蹂躙、'40.6フランスをも降服させ、イギリスを空襲した。ところが東ヨーロッパに於ける利害の衝突の為'41.6ドイツはソ連に宣戦した。一方ドイツと同盟関係にあった日本が、'41.12合衆国及びイギリスに宣戦したので、戦火は全地球に波及し、太平洋方面でも最初は日本が優勢であった。しかし'42.6ミッドウェー海戦、また'42.11に始まるソ連軍の反攻や米英軍の北アフリカ上陸によって戦況は逆転し、'43.9イタリアが降服。'44.6連合軍はノルマンディーに上陸し、パリを解放してのち'45春ドイツ本土に進攻した。一方ソ連軍はスターリングラードでドイツ軍の前進を阻止して反攻に出、西進して東ヨーロッパ諸国を解放、'45.4ベルリンに突入した。ヒトラー*1は自殺し、'45.5.7ドイツは降服。極東では米軍は飛石作戦によって太平洋の島々を奪取し、'45.4沖縄を占領、'45.8原子爆弾投下とソ連参戦によって日本を屈服させ戦争が終了。(『新編 西洋史辞典 改訂増補』より引用)

 
 モスクワ攻略作戦停頓から青作戦発動までのドイツ軍のソ連領内での悪戦苦闘を描く本巻。英明で鳴らし第三帝国実現への覇道をまっすぐに突き進んできたヒトラー総統が、救い難い耄碌したワンマン経営者の如き醜態を晒しまくってます。決断すべき時に優柔不断で機を逸し、破綻した作戦に妄執し、失策を諫める気骨を粛清し、大局を放棄し些事に執心する。その姿に瀬戸際外交で英仏を翻弄し、電撃作戦でヨーロッパを蹂躙した栄光の残滓すら感じることができません。英雄たりとも貧すれば鈍するのか、それともこれが所詮元伍長の限界か。どっちなのかは知りませんが、とまれ前職の無能な上司連を思い出させてくれるので実に不快です。対するソ連軍もグデグデの内紛と迷走であんまりかっこよくないので、戦記ものとしてはちと退屈ですが、反面教師としては実によくできた教科書なので、統帥者たらんとする人は是非一読を。

"諦めろ"と奴が嘆く

 ナポレオンに続いてヒトラーまでもがその毒牙にかかったソ連(ロシア)の底力。数百年の昔からロシアを仮想敵国とする我が日本にとっても他人事ではありません。折りしも、対特亜では仙谷総統閣下に角を矯められている前原外相の鬱憤の矛先が完全に北方領土方面に向いているので、少し不安がよぎります。ロシアとの関係は裏切られない程度の防備を残して相互不可侵位がちょうどいいのではないのでしょうか。かの国相手の無理な高姿勢は多分しゃれにならんと思いますよ。

スーパーロボット大戦A PORTABLE

スーパーロボット大戦A PORTABLE

帰ってきた今日の一行知識

アメリカでは日本がドイツに対米開戦を詩的な表現で通告したと信じられている
米軍が傍受した大島駐独大使への外相訓電「(日米開戦が)何人が夢想するよりも早く到来するかもしれぬ*2」のこと。因みに原文は「(前略)且右発生ノ時期ハ意外ニ早ク来ルヤモ知レザル旨付言セラレタシ」。何をどう訳したら、そんな大仰な文章になるんでしょうか。こんな誤解で交渉打ち切られたら溜まったもんじゃありません。通訳って大事ですね。

*1:Adolf Hitlerドイツ国総統。父アロイス、母クララ。第一次大戦後の混乱に乗じナチス党を創設。ヴェルサイユ体制からの離脱を掲げ人心を掌握し、合法的に完全独裁体制を樹立。厭戦気分の蔓延するヨーロッパ列強の隙を付いて領土を拡大。ポーランド侵攻により第二次世界大戦の火蓋を切った。初期の電撃戦の成功により第三帝国に野望成就目前まで迫るも、対英戦の停滞・独ソ不可侵条約の破棄・同盟国日本の暴走によるアメリカ参戦などにより、漸く勢力は後退。最後はベルリン陥落を目前に自殺。

*2:May come quicker than anyone dreams