脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『アドルフ・ヒトラー~「独裁者」出現の歴史的背景』

即位礼正殿の儀とともに大雨が止んだり皇居の上に虹がかかったり富士山が初冠雪したりと瑞兆ぽい事象が:ハムスター速報
朝雨だったときは非常に落胆したんですが、この奇跡の前振りだったんですね。改めて、新天皇陛下の下令和がいい時代になりますことを。


 定期健診で10年ぶりの胃カメラバリウム嫌いなのでこっちのがいいかと一瞬でも思った自分がバカでした。もーやらねーぞ。


SRWT進捗

  • Expn第12話「大マゼランの激闘」アールフォルツと交戦中。トップエース:兜甲児@マジンガーZ


アドルフ・ヒトラー―「独裁者」出現の歴史的背景 (中公新書 (478))

アドルフ・ヒトラー―「独裁者」出現の歴史的背景 (中公新書 (478))

始まり終わる永遠の神話よりも美しく…

ヒトラー Adolf Hitler
 1889~1945年。ドイツの政治家。
 オーストリアの小税関吏*1の家に生まれ、13歳で父を、その2年後に母*2を失った。画家を志してヴィーンに出たが入学試験に失敗し、1912ミュンヘンに移った。肉体労働や絵の内職などで生計をたて、その間社会改革への欲求およびユダヤ人への憎悪感を抱くにいたった。'14軍隊に入り、第一次世界大戦に出征し、2度負傷して後送され、'19二度目にベルリンで入院中に停戦となってドイツ革命に遭い、ミュンヘンにあって反革命運動に参加し、'19フェーダー*3の勧めでドイツ労働党に入党、これは漸次党勢を拡大し党名を国家社会主義ドイツ労働党NSDAP*4と変え、'20党綱領を決定、'21その党首となって、反動的民族主義運動に専心した。'23ミュンヘン一揆をおこし、失敗して'23-'24入獄、獄中で『我が闘争*5を書いた。この書物において彼は、世界に対するドイツ民族の冠絶性をとき、ドイツの世界征服の正統性を主張した。世界恐慌('29)以後、党勢は急速に拡張し、'32大統領選挙では落選したがナチスは第一党('30-'32)となり'33.1彼は首相となった。'33.3国会放火事件を作り上げ、これを口実としてディミトロフ*6等を逮捕し、共産党を弾圧した。まもなくヒンデンブルク*7大統領の死後は'34.8総統(Führer)に選ばれ、ドイツに独裁政治をしいた。ザール帰属問題、ラインラントへの出兵、オーストリアチェコスロバキアの併合等を通じて、侵略政策を推進し、'39ついに第二次世界大戦をひきおこした。ヨーロッパ大陸を征服後、'41無宣告のままソ連に侵入したが、'45ソ連英米の連合軍に敗れた。'45.4.30降伏に先だって、ベルリンで死亡*8したといわれている。(『岩波西洋人名辞典 増補版』より引用)


 ドイツの政治的思想的土壌がどのようにヒトラーをひいてはナチスをはぐくみ育て大輪の花を咲かせるに至ったのかを丁寧な研究と論理構成で解き明かす労作。なのはいいんですが、「悪魔の落とし子たる狂気の天才アドルフ=ヒトラーがありうべからざる幸運と運命に導かれたまさか狂い咲いてしまった忌むべき存在ナチスが善良なるドイツ国民を抑圧蹂躙し暴走した」って現代世界の共通認識をいとも無邪気に「実は当然生まれるべくして祝福のうちに生まれた歴史的必然」ってちゃぶ台返ししていいもんかしらと不安になる一冊。この「物語」完成させて敷衍するのにヨーロッパの皆さんかなりの労力と我慢をつぎ込んでるはずなんだけどなあ。「部外者」たる日本人が口出ししていいことなのかしらん。
 そんな余計な心配を抜きにすると、実に丁寧な時代背景と思想的バックボーンの解説は正直退屈。この内容でタイトル「アドルフ・ヒトラー」は大分詐欺だぞ。という訳で、真摯にドイツ近代史を学びたい人はどうぞ。偉大なる総統閣下の大暴れが見たい方は大人しくどっかのB級映画でもご覧ください。

この世界が幻だと知っていても未来を輝かせて

 歴史って物語なんだなあと改めて。そう考えると「正しい歴史」ってのがどれだけナンセンスなのかがよく分かります。まあだからといって某隣の国みたいにウリナラファンタジーをコリエイトそれはそれでこまるんですけどね。物事何でも加減が大事です。

真実の黙示録

真実の黙示録


Cross Ange: Tenshi to Ryuu no Rondo OP 2 「真実の黙示録」 60FPS

帰ってきた今日の一行知識

ヒトラーの軍人時代の最終階級が「伍長」というのは誤訳

ゲフライターという下士官目前の一般兵の最上位の階級だから日本語訳としては上等兵兵長が正しいのかな?何でも上官の「指導力の欠如」という人事評定で下士官にはなれなかったようで。件の上官は見る目ないのかそれとも相当な慧眼なのか、どっちでしょう。

*1:Alois Hitler。リンツ税関上級事務官。母マリア・アンナ・シックルグルーバー、養父ヨハン・ネーポムク・ヒードラー。私生児として生まれ母の再婚に伴い、継父の弟に引き取られるも、家庭内暴力に堪えかね出奔。独学で経済学を修め、オーストラリア帝国の大蔵省に出仕。

*2:Klara Hitler。アロイス=ヒトラー夫人。父ヨハン=ペルツル、母ヨハンナ。子にグスタフ、イーダ、オットー、アドルフ、エドムント、パウラ

*3:Gottfried Feder。ヒトラー内閣経済省次官。建設会社を経営しながら、社会主義運動に傾倒し、ドイツ労働者党の立ち上げに参画。ヒトラーの私淑を受けナチ党の幹部となるも、ナチ党の躍進に伴い極端な反資本主義思想が憎まれ逼塞。

*4:いわゆるナチス

*5:Mein Kampf。2巻。1925-'27

*6:Георги Димитров。ブルガリア第44代首相。印刷工労働組合の書記として労働運動に参画。ブルガリア共産党に入党し累進するも、9月蜂起に失敗し亡命。ドイツ国会議事堂放火事件連座するなどしながらもコミンテルンの書記長として活躍。戦後帰国しブルガリア民共和国の首相に就任。

*7:Paul Ludwig Hans Anton von Beneckendorff und von Hindenburg。ドイツワイマール共和国第2代大統領。陸軍元帥。父ローベルト・フォン・ベネッケンドルフ・ウント・フォン・ヒンデンブルク、母ルイーゼ。ユンカー出身の士官として普墺・普仏両戦争で頭角を顕し、第一次世界大戦タンネンベルクの戦いを勝利に導き国民的英雄となる。戦後、その声望から大統領に就任し、ヴェルサイユ体制の堅持に尽力するも、世界恐慌により人心は離反し、ヒトラーの台頭を招いた。

*8:おそらく自殺