脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

犬死と命光一と明智光秀〜神に愛されなかった男〜について

痛いニュース(ノ∀`) : フジテレビ「めちゃイケ」の“オナラ王子”に高野連が激怒…番組協力の旅館を甲子園追放処分 - ライブドアブログ
高野連が野球の発展に百害あって一利なしの時代錯誤の老害揃いなのは百も承知でしたが、正直ここまで馬鹿とは。

 
 一向に帰ってくる気配のない文筆の神様。こうなれば人事を尽くして天命を待ちましょう。君子怪力乱神を語らずの精神で。
 今宵の御題は「おバカな死に」「菅原一高+声」「明智光秀+年の瀬+戦国時代」。共通点は志半ばの横死、でしょうか。うーん身につまされるなぁ。

神様にもらった一度きりの人生に勝負を賭けましょう 逆転を信じて

おバカな死に

Silly-Go-Round - 脱積読宣言

 おバカな死に方と続くのでしょうか。他生の因果で人間様に生まれたからには、畳の上で孫子に囲まれての大往生。さもなくば、武蔵坊弁慶のような光名を後1000年にまでも輝かす壮烈無比の立ち往生を。と願うのが人情ですが、世の中そうそう上手くはいかないもので、現代では、医者の要らぬおせっかいで得体の知れぬチューブに繋がれての恍惚の死か、誰にも見送られもせぬ孤独死かの二択が相場となってしまっています。そんなご時世だからこそ、おバカな誰もが呆れる死に方がクローズアップされるのではないでしょうか。

 
 てな訳で、以下いずれ劣らぬおバカな死に方の一覧。底本は私が崇拝して止まない唐沢商会の『怪体新書』。盗作・パクリの誹謗は著者本人以外からは受け付けませんw

まずは有名人。
 近代合理主義の父、神の作り給うた智性の最高傑作ロジャー=ベーコンの死因は肺炎。溢れる知性で冷凍保存の可能性に気づいた彼は、好奇心の赴くまま、雪の降りしきる真冬の街路で鶏の腹に雪を詰め込む作業中、体を冷やして、風邪をこじらせ頓死。教訓:好奇心猫を殺す
 次いで、最古の世界帝国の主アレキサンダー大王の死因は凍死。とある戦の戦勝会でベロンベロンに酔っ払って伴も連れず帰路についた大王。千鳥足が災いして途中の溝に落っこちて立ち往生。翌朝泡を食った家臣が見付けた時、憐れそこには氷のヘラクレス像が一体。教訓:酒は飲んでも呑まれるな

 一般人。
 サウスカロライナの死刑囚マイケル=G。必死の上告が実って電気椅子を免れた彼。死の恐怖から逃れ、心安らかにテレビを見ようとしたところ今一調子がよろしくない。それを自分で治そうとコードをいじったのが運のつき。司直の手ならぬ神の手にて、感電死の極刑が下されたのでした。教訓:生兵法は怪我の元
 最後にイギリスノーサンプトンのスティーブン氏。彼の身に如何なる不幸があったのかは知る由もありませんが、とまれ一身上の都合で自殺を覚悟した彼。神の好意か嫌がらせか、彼はその決意の重大なるに興奮のあまり血管切れて昇天。これは手間が省けたと喜ぶべきなんでしょうか。教訓:明鏡止水

怪体新書

怪体新書

菅原一高+声

闇を引き裂く稲妻が 俺の叫びだ雄たけびだ - 脱積読宣言

菅原一高
昭和二十一(1946)年〜。岩手県出身。テアトル・エコー所属。現在の消息は不明。
代表作
命光一(『サンダーマスク』)、小林(『白鳥の歌なんか聞こえない』)、原口覚(『野獣狩り』)

【聲】
1、こえこわ
 ア、人の発する声。
 イ、動物の鳴く声。
 ウ、物の発するひびき。
2、音楽。音律。音調。歌。
3、述べる。声を出す。宣告する。
4、噂。評判。
5、誉れ。名。名誉。
6、ことづて。おとずれ。音信。手紙。
7、音楽の音階。
8、漢語の音韻の声調の区別。中国語のアクセント。平・上・去・入の四声に分ける。
(『大漢語林』より引用)

 
 サンダーマスクの主役を務めたことで、ごく一部で大人気の菅原一高氏。残念ながら他の役には恵まれなかったようで、華々しい活躍の噂は聞こえてきません。更に『サンダーマスク』もこんがらがった版権の所為で、ほぼ絶版状態。残念ながら私には氏のお声を耳にする機会に恵まれておりません。岩佐氏や唐沢なをき氏の感想を読む限りでは、B級特撮相応の演技力であった模様です。

明智光秀+年の瀬+戦国時代

crosswise pt1 - 脱積読宣言

明智光秀
大永六(1526)〜天正十(’82)年。戦国・安土桃山時代の武将。日向守。明智光綱*1の子。美濃出身。通称十兵衛。斎藤道三*2の死後諸国を遍歴、1558織田信長*3に仕え殊遇を受ける。’71近江坂本城主。’75信長より惟任姓を受ける。’77以後丹波攻略に従事。’79八上城波多野秀治*4と母を交換して和睦したが、信長が秀治を殺したので光秀の母も殺され、信長を深く恨むに至ったという。’82羽柴秀吉*5の中国征伐援助を命ぜられたが、6月丹波亀山から京都本能寺の信長を急襲し自殺させた。細川忠興*6筒井順慶*7らを誘い天下人たることを策したが成功せず、中国から兵を返した秀吉と山崎に戦い、大敗して坂本に敗走の途中、小栗栖で農民に刺殺された。(『コンサイス日本人名事典 改訂新版』より引用)

年の瀬
 年の暮。(『広辞苑 第一版』より引用)

戦国時代
 15世紀後半から16世紀前半までの約100年間で、中世から近世への移行期に位置する時代。始期と終期には諸説がある。始期は、応仁の乱が始まった1467説が一般的だが、細川政元*8が将軍足利義稙*9を廃して義澄*10を擁立、北条早雲*11が伊豆に侵攻し堀越公方を逐った’93説もある。終期は織田信長足利義昭*12を擁して上洛した1568説が一般的だが、義昭追放・幕府滅亡の’73説、安土築城の’76年説、あるいは豊臣秀吉が全国を統一した’90年説がある。戦国時代は下剋上と戦争の時代で、古代・中世の権威や権力が没落し、地侍や商人ら新興勢力が台頭した。全国統一政権は存在せず、各地に戦国大名が登場して領国支配を展開したほか、山城の国一揆や加賀の一向一揆などの一揆が国や地域を支配した。その位置づけを巡っては、後期封建制や純粋封建制への過渡期とする説が古くからあり、それを批判して在地領主制の最高の発展段階としての戦国大名領国制説、荘園制最終段階説も出された。近年は、従来の時代区分に囚われずに近代社会の始期と位置づける村町制説が提唱された。(『岩波日本史辞典』より引用。)


 年の瀬ではなく年始の1/3にフジテレビで放映されたドラマ『明智光秀〜神に愛されなかった男〜』のことを知りたくての検索でしょうが、残念ながら私このドラマを見ておりませんので直接の言及は避けます。公式ホームページのあらすじを見る限りでは、光秀の秀吉への嫉妬がメインテーマだったようですが、実際には光秀の方が秀吉を一歩も二歩もリードしており、接点も京奉行を共に勤めたのと、最後の山崎の合戦位しか思いつきません。少し無理のあるテーマ付けだったのではないでしょうか。出世競争でのライバルを描きたいのなら、義昭配下時代の上司にして、後に光秀の部下になる細川幽斎辺りが適当だったと思います。尤もそうすると、心の底から地味な絵面になりそうですが。
 最後に明智光秀主人公のオススメの小説を紹介。堺屋太一の『鬼と人と』。信長の時代を超越した異形の才能についていけない「人間」光秀の苦衷が余すところなく描かれた名著です。是非ご一読を。

織田信長と明智光秀 (学研M文庫)

織田信長と明智光秀 (学研M文庫)

自分より大きなハードルを選んで 越えてしまおうメゲないで行こう

 逆コースという言葉がぴったり当てはまるような2006年の年の瀬。平成の信長とも讃えられたホリエモンも志半ばに倒れ、同じく信長を自称した小泉も菅原一高のようにいずこに消えたかも分からぬ隠遁ぶり、残ったのは前と変わらぬ既得権益にしがみ付く老害ばかり。秀吉のように覇業を継ぐ勇者の現れぬものでしょうか。
 しかし、希望の持てぬ現代に背を向け、夢溢れる戦国時代に目を向けて見れば、明智光秀織田信長もなんとおバカな死に方をしてしまったのだ、と声を荒げたくもなります。もし、信長にあと30年の生が許されれば何が出来たかを妄想すると本当に残念でなりません。狭い日本を嫡子信忠と信頼は出来るが些か時代遅れの名将柴田勝家滝川一益らに託し、自身は己の理想を理解しうる新時代の鋭才惟任光秀・惟住長秀・羽柴秀吉らの股肱の臣を率いて海外に雄飛する。信長ならば、秀吉の如く大陸に固執する愚は犯さず南方を制覇し、500年早く大東亜の覇業を完遂できていたのではないか。と想像するだに心躍るものがあります。もし、歴史にIFが許されるなら、東亜を制し、世界帝国スペインと角逐する黄金の国ジパングを視てみたいものです。

今日の一行知識

本能寺の変で信長と運命を共にした近習に黒人がいた。
名づけて「弥助」。宣教師に献上された黒人奴隷。信長は染色されているのだと信じて部下に目の前で体を洗わせて、それでも色落ちしないのに驚嘆し、以降は近習に取り立て、来る客来る客に自慢していたそうです。合理的で好奇心が強く、愛情深い信長の性格が良く出たエピソードですね。


V-sit.

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*1:土岐氏の氏族

*2:長井規秀。美濃の戦国大名。山城守。父松波基宗。

*3:尾張・美濃の戦国大名。右大臣。父信秀。

*4:丹波戦国大名。父晴通、養父元秀。

*5:豊臣秀吉。関白。父木下弥右衛門、母高台院。旧名木下藤吉郎。幼名日吉丸。

*6:三斎。小倉藩藩主。父藤孝(幽斎)、母沼田光兼女、妻ガラシャ

*7:大和の戦国大名。父順昭。「洞ヶ峠」の故事で有名。

*8:室町幕府管領右京大夫。父勝元、母山名煕貴女。通称「半将軍」

*9:旧名義材・義尹。足利10代将軍。権大納言。父義視、母日野重政女、養父義政。通称「流れ公方」

*10:清晃。旧名義遐・義高。足利11代将軍。左近衛中将。父政知、母日野永俊女、養父義政。

*11:伊勢新九郎。伊豆・相模の戦国大名。父伊勢盛定

*12:覚慶。旧名義秋。足利15代将軍。権大納言。父義晴、母近衛尚通女。