脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

BUMPと揚羽本手と高橋財政について

http://www.kajisoku.com/archives/eid511.html
ビバ、ラーメンズ


 黒田愛してる!今日は他に言うことありません。一ヶ月前から密かに準備していた黒田阪神移籍への恨み節って言うか、怨嗟の記事を破棄できてなによりです。
 そんなこととは一切関係なく、今日の御題は「BUMP」「揚羽本手」「世界恐慌高橋是清」です。 

詩人がたったひとひらの言の葉に込めた 意味をついに知ることはない

BUMP

うたをうたおう君の為に - 脱積読宣言

bump
v1.to knock or strike sth with a short hard blow; to COLLIDE with sth.
2.to hit or knock sth, esp a part of the body, against or on sth.
3.to move across a rough surface in the specified direction.
【動詞1、激しい一撃で何かを叩くもしくは殴ること。何かと衝突すること。2、何か、特に本体の一部を叩くもしくは殴ること。3、ざらざらした表面を横切ってある方向に動くこと。】
n1(a).a short hard blow, knock or impact.
(b)the low dull sound made by this.
2.a swelling on the body, esp one caused by a blow.
3.a part of a surface that is not flat or even.
【名詞1(a)、短く強烈な一撃、殴打もしくは衝撃。(b)、これによって生じる低く鈍い音。2、からだに生じた脹らみ。特に殴打によって生じたものをいう。3、平らもしくは水平ではない表面の一部。】
(『OXFORD Advanced Learner's DICTIONARY』より引用。【】内は管理人訳。)

 日本では最近もっぱらBUMP OF CHICKENの略称で使われていますかね。正直これ以上語ることもありません。なのでバンプについて少々。
 「BUMP OF CHICKEN」は「臆病者の一撃」という意味だそうです。このように詩的な名前に違わずストーリー性のある詞とポップでノリのいい旋律とで、非常に人気のあるグループで、私もご多分に漏れず愛聴させていただいております。特に音楽の趣味が節操なく偏っている私には合わせ打ちのしやすい便利なバンドです。
 ただ詞の内容というか趣味は中二病の典型症例な同人ノリなので、褒め方には要注意。

揚羽本手

鶺鴒も一度教えて呆れ果て - 脱積読宣言

揚羽本手 
 正常位で、女が両脚を揚げ、男の腰を巻き固めた体位。(『新版 いろの事典』より引用)

 纏絡位*1に分類される体位。四十八手の一種。腰に絡げ宙に突き出した女性の足をアゲハの尾状突起に見立ててのネーミングでしょう。*2因みに日本独特の体位だそうです。
 それはそうとこの体位は私、腰がロックされて非常に動きにくいので苦手なのですが、経験豊富な皆様方はいかがお考えでしょうか。

世界恐慌高橋是清

明治の松方、大正昭和の高橋、平成の宮沢 - 脱積読宣言

世界大恐慌
 昭和四(1929)年10月のニューヨーク株式市場の崩落を契機として36頃まで資本主義世界を襲った恐慌。大量の失業、激しい物価下落、深刻な農業不況により、各国は金本位制を離脱してブロック経済化を図った。アメリカではニューディールの実施、ドイツではナチスの台頭、日本では高橋財政の開始など、現代資本主義を進める契機となった。

高橋是清
嘉永七(1854)〜昭和十一(1936)年。官僚、銀行家、大蔵大臣。江戸生まれ。渡米後、大学南校に入学。農商務省特許局長を経て、92年日本銀行に入行、99年副総裁、日露戦争の外債募集に成功し、1906年から横浜銀行頭取を兼任、11年日銀総裁。13年山本内閣蔵相となり政友会に入る。18年原内閣蔵相、21年首相兼蔵相、政友会総裁(〜1925)となるが22年辞職。24年に加藤護憲三派内閣の農商務相、25年辞職。27年の金融恐慌時に田中義一内閣の蔵相となり恐慌の処理を経て直ちに辞職した。満州事変後の31年犬養内閣の蔵相となり金輸出再禁止、財政支出の増大を行い、次の斎藤内閣にも留任し、日銀の国債引受等による財源処置により景気刺激策を続けた。しかし軍部の軍事費増額要求の中で34年に岡田内閣の蔵相として軍事費を厳しく抑制する予算編成方針をとり、36年二・二六事件で暗殺された。(以上二項『岩波日本史辞典』より引用)

 世界大戦の傷の未だ癒えぬ世界を襲う未曾有の大恐慌。今を時めく大帝国アメリカに発したこの災厄が、金融恐慌に呻吟する日本をも飲み込む。軍部の台頭・農村の疲弊で大正デモクラシーの繁栄の面影すらない日本にこれに耐える力は残されてはいない。最早日出国の栄光もこれまでかと誰もが覚悟したその時敢然と立ち上がる勇者の影。後世日本のケインズと讃えられる高橋是清ここにあり。戦争や外交だけが歴史の華にあらず、陰にして基たる経済の英雄の活躍。いざ刮目せよ。


 てなわけで、世界大恐慌における高橋是清の活躍、いわゆる高橋財政についてのお話です。勿論、例によって例の如く、経済は物理の次に嫌いな科目なので、それなりの内容です。これを鵜呑みにしてレポート書いて怒られても一切責任持ちませんので悪しからず。

 日本に世界大恐慌が波及して来た時、日本は金融恐慌の真っ只中*3、井上準一郎蔵相が、緊縮財政と金解禁によって財政健全化を図っている最中のことでした。井上蔵相を擁する第二次若槻内閣が倒れると、そのあとを襲った犬養毅に擁立され、高橋是清蔵相が誕生、高橋財政の開始となります。
 高橋財政の特色は積極財政と金輸出再禁止。これにより、インフレや軍事費の増大とブロック経済化などを招き、軍部の暴走を財政的援助することになったと批判も多いですが、この政策により世界に先駆けて世界恐慌から立ち直ったのは事実。彼に擬せられることの多い宮澤喜一などとは役者が違います。
 経済の好転後は清廉硬骨の財界人らしく軍部を掣肘しようと試みますが、それを恨まれ、二・二六事件で暗殺。高橋財政は完成を見ることなく、軍部の傀儡たる馬場硏一による戦時統制経済に移行します。結果、戦争への道は思想・外交上だけでなく経済上でも不可避の運命となったのでした。

もしこれが戯曲なら なんてひどいストーリーだろう

 あるいはニューディール的政策で世界恐慌の荒波を乗り越えた名蔵相。あるいは統制経済の導入で、大戦に向かう日本の背に最後のBUMPをくれた売国奴。時代により人により毀誉褒貶あい半ばする高橋是清ですが、責任を彼一人におっ被せるのは筋違いというものでしょう。春画に描かれた揚羽本手の如く男に体を絡め身動き取れなくしてしまったのは我々国民なのですから。
 大正デモクラシー期の軍人蔑視による軍部の孤立先鋭化。反対の為の反対による有為の人材の払底。現実を無視した美字麗句な空論による言論の封殺。憲法の不磨の大典化とそれに伴う死文化。これらの状況は今と何が違うのでしょう。サヨクの皆さん。都合のいいことしか聞こえないその耳にも軍靴の音は届いていますか?

今日の一行知識

「局部」という単語は阿部定事件の際に作られた造語
言い換え言葉もこんな風に市民権を得られればいいですね。

アゲハ蝶

アゲハ蝶

*1:胸と胸、腹と腹を密着させる体位

*2:本手とは正常位のこと

*3:金融恐慌と世界大恐慌を併せて昭和恐慌と一括りにすることも。