脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『奇人怪人偏愛記』

http://www.sanspo.com/baseball/japan/06wbc/score/20060316_1.html
 アメリカ負けたみたいですね。つーことは失点率*1が、日本4+1/8三分の二+9で0.28301・・・でアメリカが3+2/9+8で0.294117・・・、オマケにメキシコが5+1/9+9で0.33333・・・。うわ、本気でぎりぎり。かっこ悪いですが、勝てば官軍と開き直って、雪辱を果たして欲しいものです。つーか対韓国三連敗なんてことになったら、本気で責任問題にするべきではないかと。ともあれ、おめでとう。あの胃の搾り出されるような緊張感がまた味わえるのは素直にうれしいです。

 さて、本題へ。文章に強い影響を受け、尊敬を通り越し、崇拝しかけてるわりには当ブログへの登場率の低い唐沢俊一氏の久しぶりの新刊を紹介します。最近はTVの仕事で忙しいのか、連載は沢山やってるみたいですが、上梓される本が非常にに少なく単行本派には、寂しい限りです。上のニュースの為に見切り発車で書き始めたので、枕も考えてません。さくさく本文紹介へ。では以下ネタバレ注意

奇人怪人偏愛記

奇人怪人偏愛記

ダメ人間ども集まれ

 唐沢俊一初の本格エッセイ集になるのかな。普段この人は週刊誌の埋め草用に与えられたお題で一ネタ。って印象が強いので、エッセイと言われると意外な感じがします。実際最初の方は、ガラにもなく幼少期の思い出話を肩肘張って気楽に書こうとしているのがうかがえて、微笑ましいのですが、回を進めるに従って、自分のペースを取り戻し、いつものトリビアルな視点で万事を相対化するという彼の本領が発揮されます。彼の魅力を十全に引き出しているとは言い難いこの本ですが、それでも「不治の病」や「マゾヒストの像」で見られる博覧強記ぶりと、それだけにとどまらず、エンターテインメントへと昇華させる力量は、いつの日か俺も、と思わずにいられません。雑学よかくあれかし、というお手本のような作品ではないでしょうか。
 とはいえ、こじんまりとまとまりすぎて面白くないというのが正直な感想です。しかも、表紙や挿絵の中途半端にシュールな挿絵を見るに、編集者は売り方間違えてる、と思わずにはいられません。唐沢兄弟は感性の作家ではなく、理性の作家だというのが分かってないような気がします。私は、お高く止まった権威や誰もが疑わない常識に、学問から零れ落ちたトリビアで新たな視点を与えるのが、唐沢俊一の魅力であると信じて疑いません。

まとめ、というか言い訳

 うん無理。ただでさえ感想の書きにくいエッセイのしかも、出来が余りよくないのを紹介できるほど器用じゃありませんでした。もそっと精進します。鼻ほじりの癖を西欧かぶれに馬鹿にされた森鴎外が、必死になってヨーロッパでの鼻ほじりの実例を探す顛末を描いた鴎外のエッセイ『大発見』の紹介記事など、面白いネタは沢山あるのですが、どういじっても原文の魅力を損なう気がして、結局断念しました。是非原本でお楽しみ下さい。
 

今日の一行知識

ラジオ体操はもともと昭和天皇の即位の大礼の記念行事の一環として作成されたもの*2
軍靴の足音がここにも。

世界一受けたい授業〈vol.1〉

世界一受けたい授業〈vol.1〉

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*1:三つ巴になった場合は、勝ち抜けの決まった韓国戦は除外

*2:陛下に臣民の五体満足を証明し、国家の藩屏としての役割に不自由のないことを示すのが目的。ラジオ体操が基本的に一方に正対して行う運動なのもそのため。