脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『物語 ドイツの歴史~ドイツ的とは何か』

【クソ】東京オリンピック「医者も通訳者もボランティアで頼むわ、募集するで~」医者「うわ、マジで医局経由できたんだが」通訳者「1秒で断った」:ハムスター速報
個人的には今回に限らず「ボランティア」というシステム自体が害悪だと思っています。福祉分野で「ボランティアでやってくれるところあるのに」のダンピングでビジネスが成り立たず圧倒的供給不足に陥ってるサービスがどれだけあるか。


 今年は珍しく帰省先でレンタカー調達して母方の実家の島を数年ぶりに訪問。妹夫妻に運転させればいいやの皮算用でしたが、旦那は免許なし妹は最後に運転したのが「2年前のアメリカ」との絶望的なお返事。とりあえずタクシーすら入ってきてくれない路地の奥底にプリウスで進入するのは我ながら正気の沙汰ではありませんでした。ああ疲れた。


競馬成績・・・2019収支-37100

物語 ドイツの歴史―ドイツ的とはなにか (中公新書)

物語 ドイツの歴史―ドイツ的とはなにか (中公新書)

Einigkeit und Recht und Freiheit Für das deutsche Vaterland!

ドイツ Deutschland
 われわれが国名として使うドイツの語は、本来、ドイツ語またはドイツ人の意味であって、その起源は中世初期の古いゲルマン語diutiskにある。このdiutiskというのは〈一般民衆の〉とか〈卑俗な〉という意味の形容詞で、フランク王国時代の公用語として用いられたラテン語(またはそれが変形した古フランス語)と区別するのに用いられたものである。そもそもドイツという国は、北フランス(ガリア)を中心にカール大帝*1がつくりあげたフランク帝国の東部(東フランク)が9世紀のあいだに西部と分かれて出来上がったものである。フランク帝国はゲルマン人の一派フランク族が建てた国であるが、のちにフランスとなるその西部地域が古くからローマの属州となっていたのに対し、ほとんどローマ文化の影響を受けていなかったため、古いゲルマン人の言語や文化がより多く保たれた。この点では北欧諸国の場合と似ている。地理的にみると、ドイツは隣国フランスと比べても、著しく内陸的な国であり、北海とバルト海にしか大洋への出口をもっていない。そして地形は南高北低、つまりアルプスにつながる南ドイツが高く、ライン・ウェーゼル・エルベ・オーデルといった主要なドイツの川は、中部山塊を通って北ドイツの低地に向かって流れ、北海やバルト海に注いでいる。気候は、地方によってかなり違うが、平均すれば北海道の南部あたりに近く、5月が花どきで、9月にはもう黄葉がはじまるところが多い。民族性は一般に質朴で誠実・善良で勤勉を重んずる風がある。(『ビジュアル世界史 ヨーロッパ アメリオセアニア事典』より引用)


 うん、わからん。わざわざタイトルに物語と銘打ってあるんだから、複雑怪奇そうなドイツの歴史をエンターテイメントで分かりやすく語ってくれる本かと思ったら結構ガチめの学術系概説書でやんの。カール大帝の時代からEU成立までを300P超のぶ厚めとは言え、新書一冊で語るのは大分無理があったようで、正直かなり読むのしんどかったり。著者は中世史専門なんで仕方ないといえば仕方ないんでしょうが、まさかビスマルクヒトラーあたりの一番面白くなるはずのパートを実質数ページ程度で駆け抜けられた時には目ん玉飛び出るかと思った。あんま不平不満ばかりでもあれなので、興味深かかった点は、ドイツにおけるアジール(避難場所)の伝統。領邦国家時代が長かったせいで、互いに亡命しあうのが常態化していて、政治難民の保護は当たり前の道徳になっているという指摘。20年前にもうすでに現在の難民問題につながりかねない問題が顕在化しつつあったかと考えると非常に感慨深いものがありますね。

Danach lasst uns alle streben Brüderlich mit Herz und Hand!

 魅力的なんだか厄介なんだか地味に判断しづらいドイツという国。謹厳実直な性向が日本人との相性◎とはよく言われますが、個人的にはイギリスのジェントルマンに憧れるしシンパシーを感じるなあ。

ドイツ国歌 「ドイツの歌」

ドイツ国歌 「ドイツの歌」


【日本語訳付き】 ドイツ連邦共和国 国歌「Deutschlandlied(ドイツの歌)」

帰ってきた今日の一行知識

ドイツはニュークリアシェアリング核兵器保有している

ついでにバリバリの徴兵制あり。何故か左巻きの皆さんはドイツのこういうところは見習えって言わないんですよね。ふっしぎ~。

*1:神聖ローマ帝国初代皇帝。父ピピン3世。カロリング朝フランスを父から受け継ぐと外征により勢力を拡大。ザクセンバイエルンロンバルディアなどを併合し、ローマ教皇レオ3世から東ローマ帝国に対抗する神聖ローマ帝国の皇帝として戴冠。現在につながるヨーロッパ世界の基礎を築いた。