SF JACK - 脱積読宣言

　社内でのコミュニケーションの研修で進化版動物占いを実施。結果は「放浪の狼」皆から指差して笑われましたが、なんかディスられてる気がする。

SRWV進捗

「急いで下さい……哮先輩。たった今、旗艦〈九品蓮台〉が……墜ちました」by紅匂宮紗耶花

　正統派ロボットアニメの第1話のパロディ。それに徹頭徹尾中二チックな単語遣いって癖の強い調味料を振りかけてどうしてここまで本格派の小説に仕上げれるんだろう。冲方氏の力量には感服しきりです。ただ、素材が素材だけに読後感は強烈な胃もたれ起こしますけど。

「―にゃあ」byラ・モール

　人類の歴史を影から静かに見守る超存在・・・。個人的に結構好きな設定なんですが、ラ・モールとニナに萌えたことしか覚えてない気がする。

「だから、人間が人間の姿を捨てると、その瞬間から、人間の人間性は根本から変わる可能性があると思わない？」by森口宏美

　実に上野早夕里な一篇。相変わらずこの人は「伴侶」を失った人の喪失感を描くのが上手いなあ。

「もしかしたら、本当に今俺たちがやっているのとは別のピンアンが存在したかもしれない」by俺

　タイムパラドックスものになるのかな？途中でオチは想像つくけど、それでも「え、俺はそんな型は伝えてないぞ」の一言にはにやり。

「もしかしたら、トムを探しに行ったんじゃないんですか」by五木梨花

　ゾンビものとアルジャーノンのハイブリッドかな？設定とかだけ抜き出すと面白そうなんですが、なんだか自分には合いませんでした。

「他者を傷付け、奪う文明は長くは生き延びられない」byラミア

　空想的平和主義への痛烈な皮肉なんでしょうが、政治的主張が表に立ちすぎててあんま好きじゃないなあ。

「リアルなんか見ない方がいい」byレンヤ

　これも実に山本弘らしい作品。ディスコミュニケーション書かすと相変わらず上手いなあ。

だとしたら、これが、あたしの"ウォーター"？by山内

　軽やかな口調で語られるインターネットに対する疑義。メタ的に見れば、本短編集のテーマたる拡張現実に思いっきり中指おったててるロックな作品。実はこれが新井素子女史の初読だったんですが、結構好きかもしんない。

「私自身にしか見えませんね」by野村

　うん、好かん。

「わたしたち、ハーマンと仲良く暮らしてきました」by若い娘

　しっとりとした筆致で描かれるおんぼろロボットと孤児たちの愛情と別れの物語。遠からぬ将来捨てペッパーくんが問題になるんだろうなあと考えさせられる一篇。宮部みゆきってだけで食わず嫌いしないでよかった。

「多々良陣内様でございますか？」by苫米地三休

　なぜこれがここに。正統派ハードSFの連続でそれに染まった頭では全く頭に入ってきませんでした。日を改めて読んだら意外と面白かったですが、どんな経緯で採録されることになったんだか。解説で言い訳に終始してたのが笑けました。

　SFを読んで必ず思うのは「長生きしてえなあ」の感想。いつの日かこの珠玉の物語たちが現実になる日を味わいたいものです。

戦後空手が流行したのはGHQが空手をよく知らなかった所為
武道禁止令の限定列挙の中に空手道が含まれてなかったのをいい事に、柔道や剣道が禁止されるなか大手を振って普及した模様。塞翁が馬ですね。