脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『明治書道史夜話』

電通社員「CMは偏差値40の人にも理解できるものじゃなきゃダメ。電通で働く自分を普通ではないと自覚しろ。世間には恐るべき量の恐るべき馬鹿がいる、それが日本の普通の人だ」:ハムスター速報
最近なんだか「田舎の学問より京の昼寝」の格言の意味を今まさに痛感している自分がとても嫌です。


 弁護士・税理士・医師、「先生」と呼ばれる方と語らうのはどうしてこうも楽しいのでしょうか。

明治書道史夜話

明治書道史夜話

夜明け前の遠い空

 市河米庵日下部鳴鶴巌谷一六・金井金洞・中林梧竹・西川春洞・松田雪柯・小野鵞堂・三条梨堂etc明治書道史を彩った稀代の才能たちの物語。


 自分でも忘れがちですが、「天翔」の雅号を持つ*1書家たる私奴の七〜八代前の師匠筋に当たるであろう*2方々の活躍を比較的読みやすい文章と、取っつき易い話題でキャッチーに仕上げてくれています。まあ、ただテーマがニッチもいいとこなんで、どこに需要を見出したのかは杳としてしれませんが。とまれ、書を志した方なら一度は臨書したことのある大家の方々が雁首揃えてますので、楽しめること間違いなし。書道に興味がない人は・・・なんでこんな本手に取ったんですか?

確かめるように照らし出すよ歩く道程とその先を

 武田双雲は書家として認めない!素人とプロの書き比べ的なバラエティーの1コーナーで女子高生の方がよっぽど見事な作品仕上げてたのに腹抱えて笑いました。東京人のプロデューサーさんは知らんかったんでしょうが、安田高校の書道部なんてセミプロもいいとこですよ。自称書道家のタレント風情が敵う訳なんかないでしょうに。という訳で、もっと基本のしっかりとした一本筋の通った若手書家の方がメジャーになってくれると、書道を齧った身としては肩身が狭くならなくていいなあと思う今日この頃でした。

BREAK OUT!(DVD付)(ジャケットA)

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帰って来た今日の一行知識

内国博覧会で「書は美術か否か」の大激論が交わされたことがある
否定派の急先鋒は小山正太郎、一方擁護派はかの有名な岡倉天心。どっちが勝ったかは言うまでもなく。西洋かぶれもここまでくると滑稽ですね。

*1:小学校の頃からずっと習ってた習字の先生に大学合格祝いに無理矢理つけてもらったもの。今から考えると相当無茶で不躾なことしたよな、これ。

*2:師匠の師匠の師匠が古谷蒼韻でそこから村上三島→辻本史邑→中村春堂→小野鵞堂と遡れるはず