脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『女大学集』

http://alfalfalfa.com/articles/126851.html
ロマンですね。私も先日神保町で東洋文庫全735巻セット120万円なりを見つけて心ときめきました。


 打ち続く猛暑日にも関わらず解除されない節電モード。抗議の意も込めて事務所のエアコン切って仕事してたら見事に尻と股に汗疹が出来ました。ああ座ると痛えよう。


SRWZⅢ天獄篇進捗

  • 2周目第55話「死闘の銀河」宇宙怪獣と交戦中。トップエース:ブライト=ノア@ラー・カイラム

女大学集 (東洋文庫 (302))

女大学集 (東洋文庫 (302))

どうしてこんなにいじめるの

女訓書
 江戸時代、妻女としての道徳を教諭する書。一般に、七去・三従や貞節など男尊女卑の道徳を説いた。
 江戸前期に中国の女訓書を翻案した仮名書きのものが出版されるようになり、中期には民衆向けにより平易な教訓を手習い用の教科書に仕立てた『女今川』『女実語教』なども出版された。1716『女大学宝箱』の刊行以降、「女大学」の名を冠する類本が多数出版され、「女大学」が通俗的女訓書の代名詞となった。『女大学宝箱』の本文は貝原益軒*1の『和俗童子訓』巻5「女子を教ゆる法」にもとづくものであったため、「女大学」は益軒の編述したものと誤って伝えられることになった(『岩波日本史辞典』より引用)

 妹が婚約したので嫁入り道具にと渡したら見事に突っ返された一冊。全く相変わらず兄の真心を一切解さぬ愚かな妹だ。
 といった与太はさておき、原形となった『和俗童子訓』「女子を教ゆる法」から福沢諭吉の『新女大学』まで所謂「女大学」と称される一群の書籍類を網羅した労作。嫁に忍従を強いるにも、姑に反抗するにも、必読の一冊と言えるのではないでしょうか。出典も怪しいうろ覚えの故事成句を振りかざすことほど間抜けなことはないと国史上りの私なんかは思うの。
 内容は人口に膾炙する「女七難あらば去るべし」をはじめとした今となっては完全無欠に時代遅れの男尊女卑の典型ですが、底に流れるのはねじくれた差別感情ではなく、真情からの「嫁ぎ先で揉めずに上手くやっていく方法」なのがちょっと好感持てたり。打ち続く嫁姑戦争に飽いた旦那が本人たちには直接言えぬ諫言つーか愚痴を余所で声高にのたまってるだけな気もしますが。
 

きっとつかむわ幸せを

 女大学を振りかざして嫁イジメに余念のない無学な姑様方に反論するにはただ「福沢諭吉の『女大学評論』を読め」の一言に尽きます。明治期の未だかなり厳格に男尊女卑の残る時代においてすら『女大学』はかくも時代遅れの遺物だったのかと感慨しきり。あの時代にあって別居や二世帯住宅を勧める*2先進性は凄まじいものがあります。やっぱり福沢先生は偉大だ。

宮史郎全曲集  女のみち

宮史郎全曲集 女のみち

帰って来た今日の一行知識

三行半は本来妻が夫に請求するもの
所謂再婚許可証というか離婚証明書にあたるものですからもらえないと女性側が面倒なことになるんですね。そこら辺現在の離職票に似てるかもしんない。

*1:篤信。福岡藩藩医。150石。父寛斎。代表作:『養生訓』・『大和本草』(著書)、『黒田家譜』(編纂)他

*2:「女子結婚の上は、夫婦共に父母を離れて別に新家を設くるこそ至当なれども、結婚の法一様ならず。家の貧富・職業の事情も同じからざれば、結婚必ず別門戸は行われ難しとするも、せめて新夫婦が竈を別にする丈は、我輩の飽くまでも主張するところなり」