脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『昨日までの世界〜文明の源流と人類の未来』

http://reaction-j.blogspot.jp/2013/04/fake-priest.html
日本人も忍者だのジュードーマスターだの色々やらかしてますから、あんま人の事言わないようにしましょう。


 今年度新しく入ってきた事務の方々は皆さん大企業からの転職組なのですが、仕事への取り組み方に、中小との違いが見えてとっても面白かったり。エキスパート育成する余裕のある大手と、嫌でもゼネラリストにならなければいけない零細。狭く深くか、広く浅くか。スキルアップにはどっちがいいんでしょうね?


SRWUX進捗

昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来

昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来

How I wondered where they'd gone

 『銃・病原菌・鉄』・『文明崩壊』で世界を震撼させたジャレド=ダイアモンド氏の新作。文明人への「進化」に伴い人間は何を失い、そして何を捨て損ねたのか?


 私の読書生活四半世紀におけるオールタイムベスト作家の一人ダイアモンド氏の新作を見かけたので、年度替りで山と積まれた仕事を背に頑張って読了してみました。本当は前二作のようにあっという間に読み切れるかと思っていたのですがちと苦戦。『文明崩壊』下巻の現代への提言パートがだらだら続く感じで正直期待外れ。まあ、期待が高すぎただけで、出来自体は凡百の文化史もどき本と比ぶべくもないかなりの良作。現代アメリカの常識は歴史世界の非常識と、WEIRDの偏狭なる世界観をぐらぐら揺さぶっています。こう言った「異文化」紹介本にありがちな、自身の研究対象の過度の美化がないのも◎。ちょっと油断すると「原始に戻れ」の大合唱になりがちなテーマを、現代文明の利点を客観的に肯定しつつバランスよく紹介しています。ただ、当然ながら日本人向けに書かれた本でないので、当たり前とされている常識がちょっとずれてたりするのでちょっとモヤモヤ。その分伝統的世界紹介パートは相変わらずのクオリティで「ダイアモンドは砕けない!」を地で行ってます。個人的に印象に残ったのは「建設的パラノイア」。自分の命なんてかけがえないもの賭ける以上、そりゃあ病的に慎重にもなりますわな。
 

So much has changed

 専門性を言い訳にせず、それでいて専門性を失わずに娯楽作に仕立て上げる。ジャレド=ダイアモンド氏の天才たるは疑うべくもありませんが、それ以上にため息が出るのが、こういった文句なしの良書が普通に大ベストセラーとなるアメリカの書籍業界の健全性。日本もいつの日かこういった「大人」の読書環境を構築できる日はくるのでしょうか?

Yesterday Once More

Yesterday Once More

帰ってきた今日の一行知識

日本語は世界で8番目に話者の多い言語
EEZ面積世界6位と同じで意外にかなり上位にいますね。マスゴミその他による「日本は小国」のセルフネガティブキャンペーンに騙されないようにしましょう。