脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『室町戦国の社会〜商業・貨幣・交通』

すごいな、なんJ。どうやったんだ? 14年ぶりのAクラス入りを果たしたら・・・
欲しがりません。勝つまでは。


 数年ぶりにフットサルに参加。久しぶりに童心に戻って無邪気に球追っかけるのはとても楽しかったのですが、翌々日の朝に猛烈な下半身の痛みで碌に動けなくなったのは色んな意味で悲しかったり。


SRWZⅡ進捗

  • 4周目第40話「降臨!!真なる者!」クリア。トップエース:クロウ=ブルースト@ブラスタ。

プラモ進捗

  • ソウルゲイン 平手完成

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遠い空で奪われたのはいつだって名も無き愛しい者

 鎌倉以降江戸以前。知ってるようで知らない日本中世社会史の実情を最新の研究結果を元に斯界の泰斗永原慶二氏が描く力作。現代日本の源流は室町戦国にあり。


 ばりばりの専門書で読み進むにつれて大学時代のトラウマがフラッシュバックしまくってくれる一冊。晩年の'80年代に書き散らかした論文を再編集しただけの本なので資料性はともかく物語性には徹頭徹尾欠けますので、読み物としての完成度は最低限。日本中世社会史を村落共同体から流通・身分制まで、よく言えば網羅的に、悪く言えば節操なく寄せ集めた代物ですので、論文引用の用でもない限りは手を出さないのが吉。
 とは言いつつも、一本一本の論文の出来は当然ながら見事なもので、色気とか読みやすさとは無縁ながらも、重厚な議論を堪能できます。政治史が煮詰まり、文化史が色物に堕し、社会史が論壇のメインストリームに躍り出た時代の息吹の詰まった一冊ですので、病膏肓に入った重病人の方はぜひ格闘してみてください。

このまま、前へ進むのみ

 その社会史も陳腐になり次いで流通史が脚光を浴び始めていたのが、私の在学中の約10年前のトレンド。今は論壇の趨勢はどのように流れているのでしょうか。力不足を痛感し袂を分かってしまった業界ではありますが、今更ながらに懐かしく思うときがあります。特にそう感じるのは症例報告なんかを聞いてるとき。現在の職に直結した実学的な議論を聞きながらもどうしても違和感がぬぐえません。多分きっと自分は何処まで行っても歴史家崩れが本籍であり続けるのでしょう。いつの日か、挫折せずに功為し名を遂げた同輩や恩人たちのところにサインでももらいに行けたらいいなあ。

帰って来た今日の一行知識

室町時代以降土地売買の証文には「徳政令が出ても取り戻しを要求しない」の文言を入れるのが一般的になった
で、上記のような徳政文言が入っていても取り戻せるっていう徳政令が出されて・・・のイタチゴッコの始まり始まりと。例外則なんて作るもんじゃないですね。