脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『婦人論(上)』

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現代の禁酒法固執する方が遥かに不健全だと思います。


 忘年会の衣装材料買出しに日暮里出張。全くの門外漢の素人でも専門店街は不思議と心が滾ります。


プラモ進捗

婦人論 上巻 (岩波文庫 白 132-1)

婦人論 上巻 (岩波文庫 白 132-1)

世の中君達無しで語れない

婦人論 
 ドイツの社会主義者ベーベル*1の著作。1883刊、原題『Die Frau und der Sozialismus』。正しくは『婦人と社会主義』。女性の歴史と現状を被抑圧者として描きだし,その状態を痛烈に批判すると同時に,女性の真の解放は社会主義革命を通じてのみ達成されることを強調した。(コトバンクより引用)

 女性解放運動の先駆けとなった一冊。女王として君臨していた古代女系社会から如何にして奴隷として虐げられる近代資本主義社会へと女権が堕して行ったかを丁寧に解説し、離婚率出産率などの確たる数字を以て近代社会の孕む女性抑圧の現状を痛烈に批判した名著。なのですが、初版から130年から経とうかとする現代の目からするとさすがに陳腐なことしかいっていません。まあ、逆に言えば100年以上前の言説が奇異でなく読めてしまうあたり、女権拡張運動の進捗の芳しくなさが如実に表れているのでしょうが。
 著者が19世紀半ばのドイツ人なので、議論の根底にプロテスタントがしっかり根付いてしまっており、良くも悪くもそこから抜け出せてない印象。アジアアフリカは蛮族として一顧だにされてないのも少し憤慨したくなります。本質的に社会主義革命の戦力として女性を組み込もうとしたパンフレットですので、社会主義の世の中になれば、女性は当然的に解放され真の自我を得ることができるという牽強付会の極みな議論がそこここにみられますので笑って流してあげましょう。

逞しさと麗しさを兼ね備え

 「弱き者、汝の名は女なり」と蔑まれた近世ヨーロッパの女性陣。日本史なんかやってると逞しいおっかさんが頻出しますので、どうも男尊女卑の歴史観に馴染めません。儒教キリスト教だのしかめ面しい宗教さえなければ、女は本質的にしなやかな強さを保持しているはずってのは、幻想のもちすぎでしょうか。どうも、男子校育ちの病院勤務なんて難儀な道程通ってしまうと、女性観が妙な感じに歪んじゃってる気がします。誰か、優しいお姉さま、こんな哀れな坊やに手取り足取り女性とは何たるかを教えてくれませんか。

ケツノポリス4

ケツノポリス4

帰って来た今日の一行知識

現代日本では20代女性の方が30代以上の女性より専業主婦志望が強い
ウーマンリブの敗北の証左。まあ、働かなくても食っていけるっていう特権的地位を確保できたって意味では大勝利な気もしますけど。

*1:August Bebel。ドイツ社会民主党初代党首。リープクネヒトに感化されマルクス主義に目覚める。反プロイセン闘争を通じて名を上げ、ドイツ社会主義労働者党の立ち上げに参画。以後はドイツ社会民主党に改名した同党の活動を主導した。