脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『航路』

なんJ PRIDE : 【野球】ヤクルトは本当に強いが広島は今だけという風潮
まだだ、まだ浮かれないぞ。


 I've been back!ようやく引越しも終わり東京の家にもネットが開通いたしましたので、今日から通常営業に復帰します。 皆さん変わらぬご愛顧をよろしくです。


第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇』進捗

航路(上)

航路(上)

航路(下)

航路(下)

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Far across the distance and spaces between us

 今日も今日とて臨死体験略してNDE(Near Death Experience)の研究と事例収集にいそしむジョアンナ=ランダー。スピリチュアルなNDEもといNAE(Near Afterlife Experience)の解釈で一世を風靡したミスター・マンドレイクによる資料の汚染に苦しめられる彼女の前に現れたのは、人工的かつ安全にNDEを疑似体験できるという怪しい薬品を持った謎の好青年ドクター・リチャード=ライト。彼女と彼は無事NDEの秘密を解き明かせられるのか。死後の世界はもしかしたらタイタニック号なのかもしれない。


 天才コニー=ウィリスの長編作品。上下段400ページ超の上下分冊という正気とは思えない大長編をきれいにまとめる構成力は見事。そして、途中で飽きの来ない読みやすい文章は著者の力量か訳者の手柄か。SFというか医療系ミステリーファンタジーと言った趣ですので、奇抜なギミックや脳みそかき回されるような新概念なんかはないですが、その分、地に足のついた力強い物語を堪能できます。NDE研究のドタバタコメディの第一部に、NDEの正体に迫る本格ミステリ風の第二部、そして、残された者がどうやって彼女の遺した答えを再発見するのかという倒叙物風の第三部と一粒で三度美味しいのも◎。安易な奇跡や悲劇に逃げ込まずにしっかりと物語をまとめ切るその豪腕には感服します。やっぱりSFは舶来モノに限る。

You're here, there's nothing I fear

 「死んだら何処に行く?そして何が待つ?」智恵の実を食べて以来の人類最大の命題。全ての哲学と宗教はこの答えをでっち上げる為だけに存在すると言い切ってしまっても過言ではないでしょう。「無」という唯物論的現実と向き合うにはまだ人類は幼いのかもしれませんね。

My Heart Will Go on

My Heart Will Go on

帰ってきた今日の一行知識

一昨年までタイタニックの生存者は生きていた
事故当時生後9週間のミルヴィナ=ディーン嬢がそう。「歴史」って意外と最近のことなのかもしれませんね。