脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

アイデンティティと霞のジョーとうたかたの記について

2chスポーツニュースナビ 【野球】やる大矢スレ18【横浜】
明日は我が身。桑原桑原。


最近夕立が酷いです。もう夏ですかね。

君と逢えためぐり逢えた奇跡を抱きしめられたら

アイデンティティ

残酷な天使のテーゼ - 脱積読宣言

アイデンティティ
 人格における存在証明または同一性。ある人の一貫性が時間的・空間的に成り立ち、それが他者や共同体からも認められていること。自己の存在証明。自己同一性。同一性。(『広辞苑 第五版』より引用)

 哲学でいうところの自己同一性。なのですが、バブル期に小中学生時代を過ごした身としては、正直自分探しの胡散臭さばかりが鼻についてしまいます。わざわざ探さないと見つからないものを個性とは言いません。我を殺す、東洋流の個性磨きを再評価すべき時ではないでしょうか。

仮面ライダーBLACK RX+霞

Wake Up, The ヒーロー - 脱積読宣言

仮面ライダーBLACK RX
1988.10.23〜'89.9.24毎日放送系列にて毎週日曜10:00〜放送。全47話。
原作:石ノ森章太郎*1、製作:毎日放送東映
プロデューサー:吉川進・堀長文・井口亮・山田尚良、音楽:川村栄二*2、アクション監督:金田治*3・村上潤*4
メインキャスト
南光太郎倉田てつを*5、白鳥玲子:高野槇じゅん*6、霞のジョー:小山力也*7、ジャーク将軍:(声)加藤精三*8、クライシス皇帝:(声)納谷悟朗*9

霞のジョー
 光太郎*10が怪魔界で出会った地球人。15話*11で登場し、ネックスティッカー*12の洗脳メカで対峙するも、以後は光太郎を兄貴と呼ぶ無二の親友となる。サイを武器に霞流拳法で戦う。改造され記憶消去の身。(『仮面ライダー画報』より引用)
初登場:『仮面ライダーBLACK RX』第15話「ロボライダー誕生」
登場作品:『仮面ライダーBLACK RX
演:小山力也

 『仮面ライダーBLACK RX』で霞といったらこの人しかいないでしょう。若かりし日の力ちゃんこと小山力也演ずる霞のジョー。初代仮面ライダーに於ける滝和也の役どころの、RXに欠かせぬバイブレイヤーです。

 そんな彼の初出は15話。怪魔界に侵入した光太郎を付け狙う謎の刺客としての初登場でした。その後、RXに洗脳装置を破壊され正気に戻ってからは、恩を感じたか、光太郎を「アニキ」と呼び慕うようになります。光太郎も、信彦を失い同世代の秘密と使命を共有できる同世代の友人が欲しかったのか、二人はすぐに無二の友人となります。雑兵チャップには楽勝で、怪人には歯の立たぬ絶妙な戦力バランスで、時に機転で光太郎の窮地を救い、時にポカで危機を演出し、単調になりがちな戦闘を盛り上げていました。その後、婚約者セーラとの再会を果たし、順風満帆に見えたジョーの生活ですが、26話*13にて、視力を失った光太郎を庇い、ボスガンと対峙し、怪魔稲妻剣で腹を薙がれる重症を負い、戦線離脱を余儀なくされます。このままフェイドアウトかと思われましたが、37話*14で華麗に復活。十人ライダーの登場もあり、戦闘では以前ほどの活躍は見れませんでしたが、コメディリリーフとして終盤に向かいとかく重くシリアスになりがちな雰囲気を盛り上げていました。
 余談ですが、初登場から退場まで1クール、再登場までも綺麗に1クール。これを邪推すれば、当初1クールで死亡退場の予定*15が、急遽続投決定したものの、すでに次クールの予定が埋まっていた為、暫く空けての復活と相成ったのではないでしょうか。彼の人気のほどがうかがわれますね。

仮面ライダーBLACK RX VOL.3 [DVD]

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森鴎外うたかたの記+あらすじ

舞-HiME - 脱積読宣言

森鴎外
 文久二(1862)〜大正十一(1922)年。明治・大正期の軍医・小説家・評論家。石見国津和野藩の典医*16の子。本名:林太郎。別号:鷗外漁史・千朶山房主人・観湖楼主人。東京帝国大学医学部卒業。
 陸軍軍医となり、1884ドイツへ留学、'88帰国後、陸大・軍医学校の教官となる。'89訳詩集『於母影』を出し、雑誌『しがらみ草紙』を創刊。'90小説「舞姫」を発表。翻訳家・評論家・小説家として活躍。坪内逍遥*17との「没理想論争」('91-'92)によっても明らかなように、ハルトマン*18の美学を基調として美的な理想主義を主張した。外国文学の翻訳・紹介にも功績が多く、特に『即興詩人』は名訳として定評がある。一方、軍医として日清戦争に出征。'95陸軍軍医監に任ぜられ、満州から台湾へ転征。'98近衛師団軍医部長兼陸軍軍医学校長、'99第12師団軍医部長として小倉へ赴任。日露戦争には第2軍軍医部長として出征。1907陸軍軍医総監。'09雑誌『スバル』が創刊されると「半日」「仮面」「ヰタ・セクスアリス」「青年」「雁」などを書き、'10雑誌『三田文学』が創刊されると、それにも「花子」「あそび」「沈黙の塔」「妄想」などを発表。自然主義文学に対抗する一勢力の中心をなした。'12乃木希典*19の殉死は鷗外にも転機をもたらした。歴史小説の第1作である「興津弥五右衛門の遺書」に始まり、「阿部一族」「護持院ヶ原の敵討」「山椒大夫」「高瀬舟」などの名作が生まれた。その後、史伝「渋江抽斎」「伊沢蘭軒」「北條霞亭」の執筆に没頭した。軍医としての公的生活と、文学者として私人として互いに矛盾する生活をいかに統一するかの苦闘が、鷗外独自の文学を生み出したといえよう。(『コンサイス日本人名事典 改訂版』より引用)

うたかたの記
森鴎外の短編小説。1890雑誌『しがらみ草紙』に発表。’92.7作品集『美奈和集(水沫集)』に「舞姫」「文づかひ」とともに収録。2作品とともに森鴎外のドイツ三部作の一部を為す。(wikipediaより引用)

あらすじ【粗筋】
 あらましの筋。概略。特に、事件の経緯や書物・演劇などの内容のあらかたの筋道。梗概。(『広辞苑 第五版』)

 友に誘われてミュンヘンのカフェ・ミネルヴァを訪れた主人公巨勢。偶然にも、そこの「女主人」マリーは巨勢が以前白銅貨を恵んだことのある花屋の娘であった。その縁で二人は親密になり、巨勢は自身のアトリエにモデルとしてマリーを招く。そこで語られたマリーの身の上話。曰く、「父は王に仕える画工であったが、ある日母が狂気を得た王に襲われ、それを気に病んだか病を得て亡くなり、花売りに身にやつすこととなった。その後、巡り巡って美術学校のモデルになった」とのこと。その後、二人は湖に舟遊びに出かけたが、そこで完全に狂人となった王と再会し、動顚した王とマリーは湖に落ち溺死してしまうのだった。

 かなり適当なあらすじにするとこんな感じ。ただこの小説は構成とか筋とか追うべきものではなく、大仰な文語文と西洋かぶれの小説技法とのミスマッチを味わうのが、正しい鑑賞のしかたでしょう。
 それでは最後に、この短編で唯一もとい一番心に沁みた台詞を。

われを狂人と罵る美術家ら、おのれらが狂人ならぬを憂へこそすべきなれ」byマリィ=ハンセル

舞姫・うたかたの記―他3篇 (岩波文庫 緑 6-0)

舞姫・うたかたの記―他3篇 (岩波文庫 緑 6-0)

ためらいのない想いだけがただ一つあればいいから

 我がアイデンティティは何処にありやと探せども、そはいつも霞の向こうに。とかく人生は森鴎外の描く「うたかたの記」のようにはかなく難解なもの。なかなか仮面ライダーBLACK RXのようの明るく楽しく単純で分かりやすくとは行かないようです。ここはもう大人しく諸行無常盛者必衰の悟りを得てしまいましょう。西洋合理主義に毒されすぎるのはいくないです。

霞ゆく空背にして

霞ゆく空背にして

帰ってきた今日の一行知識

森鴎外DQNネームのパイオニア
上から順に於菟(おと)、茉莉(まり)、杏奴(あんぬ)、不律(ふりっつ)、類(るい)。残念ながら知性と品性は比例してくれないようです。

*1:代表作:『サイボーグ009』・『人造人間キカイダー』・『HOTEL』(漫画)他

*2:フリー。代表作:『あずみ2〜Death or Love〜』・『冥王計画ゼオライマー』(音楽)、『輝きながら…』(編曲)他。

*3:ジャパンアクションエンタープライズ代表取締役。代表作:『仮面ライダー電王』・『重甲ビーファイター』・『特捜ロボジャンパーソン』(監督)他。

*4:ジャパンアクションエンタープライズ所属。代表作:『激走戦隊カーレンジャー』・『ビーロボカブタック』(アクション監督)、ギャバン(『宇宙刑事ギャバン』)(スーツアクター)他。

*5:森プロジェクト所属。代表作:後宮春樹(『君の名は』)、秋葉和夫(『渡る世間は鬼ばかり』)、壬生利之(『時雨の記』)他。

*6:旧名:澄川真琴。代表作:ダイアナ(『時空戦士スピルバン』)・お松(『影の軍団Ⅳ』)(女優)、牧村美樹(『デビルマン』(OVA))(声優)他。

*7:劇団俳優座所属。代表作:ジャック=バウアー(『24-TWENTY FOUR-』)・コガラシ(『仮面のメイドガイ』)・ハクオロ(『うたわれるもの』)(声優)他。

*8:東京俳優生活協同組合所属。代表作:星一徹(『巨人の星』)、メガトロン(『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』)、木野小次郎竹高(『忍たま乱太郎』)他。

*9:テアトル・エコー所属。代表作:銭形幸一(『ルパン三世』)、沖田十三(『宇宙戦艦ヤマト』)、大首領(『仮面ライダー』)他。

*10:南。仮面ライダーBLACK RX。佐原航空パイロット。父正人、母友子。ゴルゴムの手により仮面ライダーBLACKに改造され、死闘の果てに新たなる世紀王となる。クライシス帝国の侵略の緒戦で敗北するも、太陽の力とキングストーンの共鳴により「太陽の王子」仮面ライダーBLACK RXに進化。

*11:「ロボライダー誕生」

*12:怪魔ロボット。光太郎暗殺の使命を帯びてロボライダーに挑むもハードショットで爆死。

*13:「ボスガンの反撃」

*14:「牙むく獣人忍者隊」

*15:退場の前後は「友との別れ」がテーマのシャドームーン戦。退場後すぐ(3話後)に、次の「第2の戦士」的場響子が参戦と、シナリオ的にもお役目御免の流れ。

*16:静泰。

*17:代表作:「小説神髄」(評論)、「当世書生気質」(小説)、「桐一葉」(戯曲)他。

*18:Nicolai Hartmann。当初は新カント派に属するも、シェーラーの現象論に影響を受け離脱。独自の存在論・美学を構築。

*19:第3代台湾総督。陸軍大将。伯爵。父希次、母寿子。旅順攻略の停滞など失策も多かったものの、水師営の会見で一躍名を上げ、日露戦争の英雄に。明治天皇に殉死。