脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『「太平記読み」の時代〜近世政治思想史の構想〜』

http://uuseizin.web.infoseek.co.jp/blog/archives/001129.html
藤子不二雄の真髄はやはりこのブラックさ。声優変更には賛否ありましょうが、この魅力をスポイルしていた末期大山ドラの罪は重いです。


 無駄に付いている庭のお手入れしたら、丁度木を一本植えれる位のスペースが余りました。誰か丈夫で見栄えがよくて手がかからなくて回りに迷惑かけなくて虫の湧かない木って知りませんか?

刹那の夢は受け継がれ歴史の空に散る

太平記
 江戸時代の語り物芸能の一。『太平記』を台本として、これを講釈する事及びそれを職とする者をいう。その淵源は室町時代の物語僧にあるとされる。太平記を読み物とした事は、応永年間(1400頃)の西源院本太平記や、公家の日記に散見するが、江戸期の太平記読との関係は明らかではない。元禄頃(18c初)浅草での赤松某の講釈には群集を成したという。一般的に太平記読は西鶴物や人倫訓蒙図彙に見られるごとく惨めな存在であったらしい。太平記の普及と南朝観への影響は大きい。(『改訂増補 日本史辞典』より引用)


 新進気鋭の若手研究家の野心作。江戸初期の社会にどれほど太平記が浸透しており、思想形成にどれほどの役割を果たしたかを明らかにし、太平記を共通項に江戸初期の思想世界を分析する。と意気込みだけは壮大ですが、内情は何処そこの殿様は太平記を読んでいた記録があるとか、かなり強引な各思想家の起源認定とかちょっと残念な内容になっています。まあ学術論文なんてそんなもんだとゆうてしまえばしまいですが。
 てなわけで、過大な期待を捨てて太平記太平記読みによってどんどん勝手にエピソードや登場人物の設定・性格が付加されていく様は非常に面白く読めます。時代が下るにつれて楠木正成が美化に美化を重ねて怪物じみた聖人君子にでっち上げられていく様は日本人の宿痾を感じます。そうか僕らの二次創作好きはここまで筋金入りかと。

結論:日本文化は同人文化。

何処まででも終わりなき旅歩き続けて…歴史となろう

 本来の一悪党に過ぎない楠木正成が何をどういじって魔改造すれば、あそこまで忠君の鑑のような完全無欠のヒーローが出来上がるのか、常々疑問だったのですが、この本読んで少しその謎が解けた気がします。誰かが正成の忠臣属性に着目してそれを強調したキャラで一本ネタ書いたらそれが思いの他受けて他の人もそれを真似して自分なりにアレンジ加えたりして遊んでるうちにいつの間にか、忠臣楠木君みたいなジャンルが出来上がってしまって、そこで描かれる正成は元の悪党とは似ても似つかぬ妙なキャラクターになってしまった。とこういう感じではなかろうかと。最近の例で例えると鶴屋さんちゅるやさんの関係みたいなもんでなかろうかと。そう思えば、軍国主義の象徴たる忠臣正成もなんだかかわいく見えてきますね。

RISING FORCE

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