脱積読宣言

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『中原の虹 第四巻』

痛いニュース(ノ∀`) : 悪天候を「悪天皇」 両陛下訪問の案内状で入力ミス、職員処分…秋田県 - ライブドアブログ
また器用な間違え方を


 本日は大学時代の友人の結婚式。日本中で見られた光景でしょうが、沢山の小島よしおに会えました。今後「そんなの関係ねー」を聞くたび彼らの幸せそうな笑顔を思い出すことでしょう。とりあえず、末永くお幸せに。

中原の虹 第四巻

中原の虹 第四巻

幽囚の孤独に彷徨う青春は弱さと怒りが姿無き敵ですか

 大清帝国終焉。国民党での袁世凱孫文の醜い覇権争いに対するは、龍玉の定めを背負いし張学良を擁する東北王張作霖西太后の遺志を継ぐ李春雲、そして光緒帝の理想を捧ぐ眠れる天才梁文秀。空白となった中華帝国の皇帝の座を勝ち取るのは誰だ。『蒼穹の昴』から続く中原サーガ遂に完結。


 1巻張作霖、2巻西太后、3巻袁世凱と主人公の二転三転した本作の最終巻の主人公を飾るは、早稲田大学教授柳川文秀改め進士状元登第梁文秀。出番こそ少ないものの、先々代主人公の経験で、新参の追随を許さぬ堂々たる貫禄を見せ付けます。苦い記憶を乗り越え再出馬を決める場面や、中原への帰還時の春雷との感動の再会。彼の「復活」を見届ける為だけでも、『蒼穹の昴』のファンはこの巻を買う価値があるでしょう。
 勿論梁史了再起以外にも見所は沢山あります。個人的には台湾の英雄孫中山を口先だけで実行能力の伴わぬ小人物と造形し、マイナーな宋教仁にスポットライトを当てるひねくれた浅田節が非常に印象に残ってます。なお竜頭蛇尾も極まれりな全然オチてないラストシーンも健在。実に浅田次郎した一冊ですので、ファンの方はお見逃し無く。

とこしえの春に舞い散るまぼろし

 ベタといわれようと、中途の主人公交代は小説として落第と言われようと、挫折した英雄の復活は実に燃えます。惰弱に流れがちな昨今の日本文学界も、古き良き骨太の王道英雄譚に回帰してもらいたいものです。カッコいいは正義だ!

勇侠青春謳

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