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これはえぐい。やはりノンケの人には函の価値が分からないのでしょうか。
遂に新書も読めなくなりました。年が明けたら少しは直るかなあ。
OVA発売記念という訳でもないのですが、今更ながらに「マリみて」に手を出してみました。自他共に認める雑食悪食の管理人ですが、少女小説に手を出すのは初めて。正直、生半可なハードコアのエロ本より買うのに勇気が要りました。
- 作者: 今野緒雪,ひびき玲音
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1998/04/01
- メディア: 文庫
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朝もやの中続く白い道 鳥のさえずり挨拶かわしながら
幼小中高大一貫のカトリック校リリアン女学園に通う平凡を絵に描いたような女の子福沢祐巳。彼女の平穏退屈な日々はまるで少女漫画のような一幕で終わりを告げる。ドアでぶつかった憧れのお姉さま「紅薔薇のつぼみ(ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン)」*1小笠原祥子がほぼ初対面の祐巳を「妹(プティ・スール)」*2に指名。突然のことでそれを拒否した彼女だが、祥子はあくまで諦めない。
恋愛に男が要ると誰が決めた。少女の少女による少女の為の恋愛小説。時を越え、現代に蘇った幻想的なまでに美しいS文学の精髄をご堪能あれ。
内容は浮世離れの極みで、なんとなく今東光の稚児小説が連想されます。一人称と三人称が交錯したり、視点がころころ変わったりと技術的には決して誉められたものではないのですが、その「稚拙さ」というか地に足の着かなさが日常と乖離した舞台設定と相俟って、不思議な酩酊感を覚えます。それでいて、これほどお耽美極まりない題材を取り扱いながらも、登場人物達が地に足の着いた現実感を持っているという奇跡的なバランス。そりゃあ人気も出るはずです。
文章は平易で読みやすく、一冊一時間もあれば読める手軽さで、既刊二十数巻で、一季に一冊は出す速筆と分量的にも問題なし。厳しい現実から逃避して夢の国で遊びたい人向けの本と言えるのではないでしょうか。
急かさないで時よ 私は信じてる
昭和期前期のS文学の正統後継者か、BLの突然変異かどっちに分類すべきか分かりませんが、この作品が日本のサブカル文学に新しい潮流を巻き起こしたのは間違いないでしょう。これにより再びクローズアップされた擬似恋愛としての同性愛の効用。日本の誇るブンシ様方はこの奔馬を乗りこなすことが出来るでしょうか。間違っても倫理道徳なんてつまらないものでこの流れを止めないで欲しいものです。
今日の一行知識
サファイアの石言葉は「貞操」
それで「マリア様の心」の歌詞にサファイアがでてくるんですね。
- アーティスト: ALI PROJECT,福沢祐巳(植田佳奈),今野緒雪,平野義久
- 出版社/メーカー: フロンティアワークス
- 発売日: 2004/08/25
- メディア: CD
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