脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

A級戦犯について

YouTube
今年もオールスターで見たかったな

 更新したい時に試合はなし。と言うわけで、本日は巷で話題の極楽山本吉本解雇昭和天皇靖国発言メモ発見について、思うさま語って見たいと思います。例によって、手持ちの資料を流し読みしただけの不完全かつ偏向した記事なので、事実誤認の指摘や議論大歓迎です。どしどしコメントして下さい。ってゆーかうちコメント少なくて正直淋しいっす。
産経ニュース

もう汚れた感情なのか すべて君のためだとしても

 しかし、何故これがこんなに話題になってるんでしょう。正直不可解です。昭和帝が軍部の連中を蛇蝎のごとく忌み嫌ってたのは周知のことだと思ってたんですが、世間では違ったんでしょうか。
 今回の一件で新たに明らかになったのは、A級戦犯合祀後の靖国参拝停止は、政治的配慮によるものではなく、ヒロヒトの個人的意向に過ぎなかったということだけでしょう。何故これが靖国参拝の是非や分祀論に繋がるのでしょうか。進歩的文化人様御一行は、天皇陛下の御気色は、国民の意見や政治の都合に優先するとでも思っているようです。流石憂国勤王の徒の考えることは一味も二味も違います。
 むしろこの発言で問題にすべきは、自身の個人的嫌悪を政や国家安寧の祭祀に優先させた、昭和天皇の不見識と自覚の不足だけでしょう。近隣諸国への配慮とかの卑屈な大義名分があるならともかくも、私事で怨霊鎮魂という大事を蔑ろにするとは、「英明なる摂政宮」も永年の籠居で耄碌してしまったようです。
 ハレの象徴たる天皇が参拝することで名を充たし、ケの権化の総理大臣は近隣諸国に配慮自粛し実を取る。これが最善の形だと思うのですがいかがでしょう。

松岡白取までもが

 以上真面目?な提言終わり。個人的にはこの二人が名指しで非難されてるのが一番興味深かったです。あの東条よりも、自身の親英米路線を完膚無きまでに踏みにじったこの二人の方が遥かに憎かったんですね。昭和帝の性格思想信条を考えるのには今後非常に重要な資料となるはずなんですが、不思議と問題にされていません。やはりお偉いぢゃーなりすと様の叡慮は私のような凡俗の及ぶところではないようです。にしても、死後四十年経っても恨みを忘れんとは、相当嫌いだったんでしょうね。

松岡洋右
 明治十三(1880)〜昭和二十一(1946)年。外交官。山口県生まれ。十四歳で渡米しオレゴン州立大卒。1902年に帰国。外交官試験に合格するが、パリ講和会議を最後に退官。南満州鉄道理事、27年副社長となり、30年衆議院議員(政友会)。33年国際連盟脱退時の首席全権。35年南満州鉄道総裁。40年第二次近衛内閣の外相となり日独伊ソ四国協商構想を描いて日独伊三国同盟、続いて日ソ中立条約を締結するが41年6月の独ソ開戦で破綻し、一ヵ月後の近衛内閣総辞職で退陣。戦後、A級戦犯容疑者に指定されるが肺結核の為死去。(『岩波日本史辞典』)

白鳥敏夫
 明治二十(1887)〜昭和二十四(1949)年。千葉県生まれ。東京帝国大学卒。1914年外務省に入り、奉天領事官補から駐米大使館三等書記官・外務省事務官などを経て、29年情報部第二課長、30年情報部長。このころアジア派として活発に動いた。33年スウェーデン公使、38年イタリア大使となり、40年松岡外相の下で外務省顧問に就任し、日独伊三国同盟締結をリードした。外務省内では「革新官僚」の指導者として特異な位置を占め、親枢軸外交を推進して「白鳥派」と呼ばれた。42年衆議院議員。敗戦後A級戦犯となった。(『コンサイス日本人名辞典』)

オマケ:A級戦犯列伝

 ついでに備忘録代わりにA級戦犯リスト。☆が今回問題になってる靖国合祀の十四人。うち死刑は板垣・木村・土井垣・東条・武藤・松井・広田。


日米開戦・戦争遂行組

  • 岡敬純・・・開戦時の軍務局長
  • 賀屋興宣・・・東条内閣蔵相
  • 木戸幸一・・・西園寺より元老の役割を引き継いだ重臣会議の筆頭。二次近衛・東条内閣をバックアップ。太平洋戦争後期からは終戦に尽力。戦後はGHQに全面協力で、天皇制存続に尽力。
  • 佐藤賢了・・・国会での「黙れ!」発言で有名な人。東条の懐刀。
  • 嶋田繁太郎・・・東条内閣海相
  • 鈴木貞一・・・戦争経済企画。
  • 東条英機・・・永田鉄山亡き後の統制派のトップ。日米開戦を主導。戦後は自殺し損ねたり、日米ともに天皇への責任追求なしの方針で同意済みの極東裁判で天皇弾劾してみたりと、空気の読めない人。
  • 永野修身・・・対米開戦にて、海軍で強硬論を展開。
  • 橋本欣五郎・・・三月事件・十月事件を首謀。連合軍的には、日中戦争でのイギリス軍艦レディーバート号砲撃事件の方が重罪か。

三国同盟

  • 大島浩・・・ドイツ大使館付武官。
  • 白鳥敏夫・・・イタリア大使。三国同盟を主導。
  • 広田弘毅・・・日独防共協定調印。
  • 松岡洋右・・・国連脱会時の全権。日独伊ソ四国協商構想。こいつさえいなければ。

満州経営・対ソ開戦組

東南アジア解放組

とばっちり

この世に生きるだけで 背負った罪はないだろうか

 最後に今回の騒動への感想でまとめのかわりに。
 
 「歴史において、誰が正義で誰が咎人か」なんて不毛かつ糞面倒臭い議論を真面目にやる奴の気が知れません。そんなもの小説家に任せておけばいいのに、とつくづく思います。鎮魂は死人の為のものではなく、今を生きる者の為の儀式です。小泉首相にも、後継の首相にも、歴史などという益体のない学問に惑わされず、真の国益の為の参拝を行って欲しいものです。

今日の一行知識

二度の世界大戦においてイタリアは両方とも戦勝国 
今度はイタリア・朝鮮抜きでやりましょう。

阿修羅姫

阿修羅姫