今日はまだ2月2日明日の節分楽しみだな、っと。ここ最近過去ログで読み返した人にとっては何がなんだか分からないネタでの入りが続いてますが、深くは気にしないで下さい。三日分のビハインド今日一日で取り戻せたら拍手御喝采を。
ということで、本日一発目のネタはと学会『トンデモ超常現象99の真相』洋泉社(1997)です。最近歴史ものメインの看板が見事に有名無実化してる気がしますが、ケンチャナヨの精神で乗り切りたいと思います。読むのは読んでるんですが、何分感想が書きにくいんでどうしても後回しになっちゃうんですよね。「読了済み」のカテゴリーを作っとくんで、リクエストがあればお願いします。ほっとくと管理人の性格上永久に放置されかねないんで。
さて本題のこの本ですが、世に跳梁する怪しげな超科学の誤謬を大衆に啓蒙しよう、というのがコンセプトなんでしょうが、いかんせん作者が生真面目なため、考察が個別的実証的過ぎて、かなりの理系知識とムー的な事象への関心、そしてサブカル的適性がないと読めたもんじゃない立派な「専門書」と化してます。本末転倒ここにきわまれりというか、真面目な学者の使い物にならなさが露呈したと言うべきか、まあ何にせよ読みすれば面白いからいいんですけどね。では全部紹介してたらきりがないんで、3つほどに絞って紹介してみたいと思います。それでは以下ネタバレ注意。
- 作者: と学会,山本弘,志水一夫,皆神龍太郎
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 1997/03
- メディア: 単行本
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現在は何処を彷徨い行くの
UFO
小学生の頃、図工の時間に未来の世界の街を合作で作ろうという企画があったのですが、そこで旧友がUFOを作ったのに対して、「未来では既知の存在となっているであろう乗り物をUFO(Unidentified Flying Object)と呼ぶのは理屈に合わない。空飛ぶ円盤と呼称すべきだ。」と主張し大層うざがられた苦い思い出があるのですが、そりゃいじめられもするわと反省しきりです。さて、友情を犠牲にしてまで押し通した「空飛ぶ円盤」の呼称ですが、由来は1947年にケネス=アーノルド氏が「円盤を水切りの要領で投げた時のような飛び方をする物体」を見たと言う証言が、間違えて「空飛ぶ円盤状の物体を見た」と伝えられたことによるそうです。面白いのはこの証言が周知されて以降、目撃されるUFOが全て円盤状の形態をとるようになったそうです。先入観の影響の強さを表すいいエピソードだとは思いませんか。
ラエリアンムーブメント
黄教授の偽造事件で一気に後退した感のあるクローン研究ですが、皆さんは数年前人間のクローンの作成に成功したと発表した団体のことを憶えているでしょうか。それがこのラエリアンムーブメントで、その内情は、エロヒムと名乗る異星人に救世主として任命されたラエルを中心としたカルト集団です。彼等は地球上の全生命は二万五千年前にこのエロヒムによって創造されたと主張しており、人類も十分に進化すれば自身の手で新たな生命系を誕生させうると信じています。この度のクローン騒動はその証明の為の第一段階だったとの事です。21世紀を迎えてもなお、科学は宗教に従属せざるを得ないのでしょうか。
百匹目のサル
いわゆるシンクロニシティの発展版で、ある種族の中で同一の思想・知識を持つ個体が一定の閾値を超えるとその思想・知識は種族全体に共有されるという現象のことです。その証明として挙げられるのが、ニホンザルの芋洗いで、宮崎県幸島のあるメスザルが始めた芋洗いの行動がそれを模倣するサルの数がある閾値を超えた(百匹は単なる比喩)瞬間、何の交流もないはずの群馬の高崎山のニホンザルにまで共有される行動となったと言うものです。*1この現象と言うか思想は、非武装中立を主張する団体の中でも特に空想癖の強い団体に、一国だけ平和志向が全世界でも共有できうるというロジックとして用いられているのをたまに見かけますが、こんなものに頼らなければならないほど非現実的な政策を国家ぐるみで実験しようなんて無茶はやめて欲しいもんです。
世界が終わる前に
まだまだ紹介しきれないほど破天荒かつ魅力的な空想科学が掲載されていますが、粗製濫造される超能力特番で当たり前のように規定事項として取り上げられている事象が数多あるのが、この国の未来を案じさせます。ネタと分かって楽しむ分には問題ないと思うのですが、結構頭から信じている人が多そうなのが非常に嘆かわしいです。今の我々はメディアリテラシーなんて大仰な能力を求めるより先に、ネタをネタと見抜く能力を身に着けなければならないのではないでしょうか。
今日の一行知識
悪魔の数字666とは皇帝ネロの暗喩*2
要するにヨハネの黙示録はローマ帝国はこんな風にもうすぐ滅んじゃうぞっていう、空想未来小説だったんですね。今も昔もベストセラーの傾向は変んないですね。
- アーティスト: AKINO
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2005/04/27
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