脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『らせん』

男の30代は顔の劣化具合の差が激し過ぎる:哲学ニュースnwk
最近ようやくお水のねーちゃんに気を遣ってサバ読まれた年齢がビンゴになるようになってまいりました


 昨日のエントリーにも書いた通りのダウナーモード。ふと上がった職場の屋上で見た夕焼けの美しさを多分きっと一生忘れないでしょう。さあ、いつまでもうだうだせずに頑張るぞ。

満たされない気持ちを踏みつける誰かの電話

 謎の死を遂げた友人高山竜司の司法解剖を担当することとなった監察医安藤。物言わぬ死体が語りかける謎の暗号「178 136」。そして、絶滅したはずの天然痘ウィルスによって引き起こされる謎の冠動脈梗塞。「RING」の単語に導かれ安藤は人類の新たな扉を開く。


 個人的オールタイムオールジャンルベスト候補の一冊。サスペンスとミステリーとホラーが高度に融合した一冊で何度も美味しい魅力作。特にホラー描写は前作リングを越えた冷たく這い寄るような禍々しさ。それでいて、ミステリーとサスペンスは実に正統派な大どんでん返し。ちょっと前まで暢気に暗号解読やってたのが人類滅亡の危機に迫るカタストロフが待ってるんだからたまりません。ただ、初読の時は「リング」より先にこっち読んでたから全く気になりませんでしたけど、正当な順番で読むと卓袱台返しもいいとこな展開とオチだよなあこれ。完成度の割には評価が低い訳が何となく腑に落ちました。

違った自分を夢見る心はいつか無意味な身体を離れ

 「今の自分にはこの作品の感動を文字にする力がない」。忘れもしない高1の夏、読書感想文の題材に初めて読んだ際に、2時間書いては消しを繰り返した挙句、一言だけ書いて提出した感想文。あれから早20年、稚拙ながらもようやく宿題を終わらせることができました。少しは文章力が付いたのか、それともただ単に面の皮が厚くなったのか。まあ、間違いなく後者でしょうね。
 しかし、今になって冷静に考えるとよく職員室に呼び出しくらわなかったよなこれ*1

feels like

feels like "HEAVEN"

帰って来た今日の一行知識

鈴木光司は編集者にオチを当てられたため半分ぐらい出来上がっていた『らせん』の原稿を全ボツにして書き直している
それでこんな前作へのアンチテーゼとしか思えない続編ができた訳か。しかし、口を滑らせた編集は蒼くなっただろうなあこれ。

*1:一応先生に確認したところ、「普段は文字数制限ブッチの常連のお前がそう言うなら推敲の果ての一文なんだろう」とのこと。いい先生に巡り合えてるよなあ俺。