脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『病気と文明』

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1753737.html
よくやった!微力ながらも拡散に協力。


 年度末!ってことは溜まりに溜まった未整理書類の山を片付けないかん季節ってことなんですが・・・この峻嶮なる未踏峰にどうやって立ち向かうか、アルピニストの血が滾ります。ああ、火事になんねーかなー。


文明と病気〈上〉 (1973年) (岩波新書)

文明と病気〈上〉 (1973年) (岩波新書)

文明と病気〈下〉 (1973年) (岩波新書)

文明と病気〈下〉 (1973年) (岩波新書)

そうさぼくら五臓六腑染みる命さ

 文明が人の所産である以上、文明も病気と無関係でいられない。病気が文明をどう変えたか、そして、文明が病気をどう変えたか?病気の文明論の古典的名作ここに復刊。

 
 病気を社会学的に分析研究してみようって試みのパイオニア中のパイオニアな一冊。病気を経済・社会生活・宗教・哲学・科学・文学・美術・音楽などとの関係という視点で分析しています。しかし、原著は第二次世界大戦中の最中に初版という骨董品な古さゆえに目新しさは絶無。病気の社会学の発展史に興味があるなんてえ筋金入りの研究者にしか実用性はないでしょう。本読みとしては、そこかしこにでてくる社会主義の賛美が時代を感じさせて○。癩病をかたくなにレプラと言い替える態度も実に岩波でgood。内容そのものよりもその本の書かれた時代背景を読むべき一冊でしょう。

過去も今も明日も未来も便利だけじゃ物足りない

 医療業界に身を置くと、病気の日常性に驚かされることしきりなんですが、この本はそれを端的に表した一冊だと思います。いくら医学科学が発展しようとも、病気の撲滅はまだまだ夢物語にすぎない今、我々が為すべきは病気の忌避ではなく、病気との共存でしょう。なので、皆さんもっと気軽に病院を利用しませんか?病院を老人の社交場にしてたら、いつまでたっても社会保障費は際限なく膨らみ続けますよ。

帰って来た今日の一行知識

ヘルニアはエルフの仕業
解剖学的知見に乏しい中世以前の西洋においては、脳梗塞や腰椎ヘルニアなどの外傷を伴わない突発性麻痺を、妖精が悪戯に放った不可視の投げ矢―エルフィンダート―に貫かれた所為と解釈していたようです。しかし、俺は、美しきエルフの嫉妬を買う様な幸せな目にあった記憶がないんですが、何がいけなかったんでしょうか。