産経ニュース
相変わらず中国も韓国とは別ベクトルで斜め上に突っ走ってくれます。中国三千年の歴史の前には近代民主主義なぞ二千前に通過した地点に過ぎないのでしょうか。
ハードカバーを読む元気が湧きません。こんな時新書は便利。特に中公は比較的著者のレベルが高空安定気味なのでオススメ。岩波はたまに地雷が混じるのと岩波史観全開なのを除けば良書揃い。講談社現代新書は三桁の若い番号にはレベルの高いのが混じってますが、全体的にやっつけ仕事臭ぷんぷん。特にあの下品な装丁変更は気が触れたとしか。
- 作者: 中村彰彦
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 文庫
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遠い道 ひとすじの光 君がいるから 君さえいれば
保科正之
慶長十六(1611)〜寛文十二('72)年。江戸前期の会津藩主。徳川秀忠*1の四男。母は於静の方*2(北条氏)。幼名幸松丸。肥後守、左中将。秀忠は正室於江与*3を憚り正之を子とせず、'17に信濃高遠城主保科正光*4の養子とした。'31家督を継ぎ、'36出羽山形20万石、'43会津23万石に移る。三代将軍家光の遺言で家綱の補佐となり、幕政に深く関与。藩政の確立に尽力し、初期の名君の一人とされる。朱子学と神道にも造詣深く、死後土津霊神の諡を得、神道式で葬られた。(『岩波日本史辞典』より引用)
江戸名君列伝では上杉鷹山*5や水戸光圀*6と並んで頻出の会津藩祖保科正之の伝記です。作者が心酔してしまってるので、今ひとつ客観性に乏しいマンセー調が続きますが、彼の事績を追うには十分な一冊です。史料の引用元や立論の仕方が無茶苦茶素人臭いのが気になるといえば気になりますが。作者は小説がメインフィールドらしく、構成文体ともに非常に読みやすいものとなっています。読み安すぎて頭に残らないので、勉強のお供には推薦できませんので、暇潰しに読みましょう。今のムカつくあのハゲ上司がはよ更迭されて、部下に優しく人遣いの上手い名君が次のボスにならんかなぁ、って朝の通勤の妄想のタネになんか最適でないでしょうか。さあ、待っていても何も始まりません。上司の左遷にはセクハラ・女性問題が一番手っ取り早いですよ。
閑話休題。肝心の保科正之の人生ですが、絵に描いたような江戸の君主の模範の優等生人生で、けちの付けようもありません。そつがなさ過ぎてエピソードに欠けるのが欠点といえば欠点でしょうか。よくあの複雑な生まれでこうも真っ直ぐ育てたものです。あの馬鹿兄貴二人*7と半分とは言え同じ血を引くとは思えません。よっぽど育ての親に恵まれたのでしょうか。氏より育ちを痛感する伝記でした。
きっと行くよ陽のあたる場所 このままじゃ終われない約束がある
和歌山・宮崎と県知事の不祥事の相次ぐ年の瀬ですが、こうも地方行政の長の無能が露呈されると、「江戸の名君よ今に蘇れ」と叫びたくもなります。特に保科正之の御当地福島県民はその気持ちが強いのではないでしょうか。しかし、福沢諭吉の言を待つまでもなく施政者のレベルは被政者のレベルの反映です。知事の無能や公務員の腐敗を嘆き怒る前に、そんなのを上に戴かざるを得ない自分の地域の「民度」の向上を目指す方が先決ではないでしょうか。
ところで、我が故郷の広島市長選に柏村武昭氏が立候補するそうです。古葉竹識を落選させた前回に比べ市民の「民度」はどうなっているでしょうか。千葉や東京よりはましでありますように。南無南無。