定例の言い訳。まさかカープがロッテに勝てるとは思いませんでした。
- 作者: 須田泰成
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 1999/01
- メディア: 単行本
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Albatross!!
さて今日、某友人と、「ギャラリーフェイク」のフジタのモデルで有名な藤田嗣治展(@京都近代美術館)に行ってまいりました。フランスに帰化しただけのことはあり、和風のかけらも感じれない*1完全な洋画であまりのバタ臭さに食あたりを起こすところでした。常設展示の日本画と四階の大きな窓から見える東山の風景があれほど心癒されるものだとは。
といった具合に自他共に認める文化国粋主義者の私ですが、こと笑いの分野に於いては、「モンティ・パイソン」ひいてはイギリスこそが世界第一だと信じます。
てなわけで今日は「モンティ・パイソン」について熱く語ってしまおうのコーナーを開催します。では遅くなりましたが依例如例以下ネタバレ注意
あほの子演じさせたら天下一品のジョン=クリーズ、とぼけた演技が魅力のエリック=アイドル、気障で傲慢なイギリス人のステロタイプなグレアム=チャップマン、女装と裸がよく似合う知性派俳優テリー=ジョーンズ、ミスター「イッツマン」マイケル=ペリン、天才アニメーターテリー=ギリアム。知性と教養と無双のギャグセンスを兼ね備えた生粋の英国紳士*2が、権威や常識糞食らえで作ったチープでシュールなブラックジョーク。これで面白くなければ嘘です。これで笑えなかった貴方。今すぐ世界史の勉強することをお勧めします。一級のジョークを理解するには知性と教養は不可欠*3ですからね。まあ無理にとは言いません。ジョークには言う人間と、理解して笑う人間と、理解できなくてキョトンとする人間が必要ですからね。良き傍観者でいてください。
以上熱くて痛い推薦文終わり。正気の証明に以下解説を少々。
日本で似たジャンルの笑いを思いつきませんが、強いて言えばラーメンズが似た空気を持っているでしょうか。尤も毒のきつさは比べ物に成りません。ビクトリア女王をコケにして*4みたり、神の実在の論争の決着をボクシングの決着に委ね*5たり、スコットランド人は出てくるだけで笑えたりと日本でやったら次の日の丸一日謝罪放送に当てなきゃならなく成りそうなネタの宝庫です。これをBBC(公共放送!)でやれるのだからホントイギリスはいい国です。
毒だけがパイソンズの魅力ではありません。冒頭に掲げた「ヒトラーのいる民宿」とか、一度聞いたら二度と忘れられないランバージャックの歌やデニス=ムーアのテーマと多種多様なスケッチが存在します。
and now・・・
このままだとこのサイトの題名が「『モンティ・パイソン フライング・サーカス』各スケッチの解釈と鑑賞」になりそうなのでここらで切り上げますが、入手困難では有りますが是非各人で御鑑賞下さい。ネタの内容的に人は選びますが、見て損のない、いやむしろ見ないのは人生の損失な作品です。
これをみてつくづく思います。日本はなんとタブーの多い国なのでしょうか。「大正天皇漫遊記」とか「血斗!!大作対隆法」「ザイニチ観察日記」「あるブラクの一日」。これらをNHKが放送できるようになってこそ、日本は大人の成熟した国家になったと言えるのではないでしょうか。
嗚呼、もし来世が有るのならイギリス紳士*6に生まれたひ。
今日の一行知識
グリアム=チャップマンの辞世は「(ジョン=クリースに)お前は自分を誇りに思うべきだよ!イギリスTV史上初めてShitと言ったんだからな!だが俺はお前に王室記念式典の最中にFuckと言って欲しいんだ」
イギリス史上最高の喜劇人の反骨と矜持ここにあり