脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

スノッブと黒部川第三発電所と悪魔の飽食について

芸人・千鳥大悟「何このジーンズwww変質者やんw」爆笑 ⇒ デザイナーブチ切れ「ふざけるなぁ!」 | やらおん!
「凡人にはこのハイセンスは理解できない」って余裕かますのが正解でしたでしょうにね。大衆化も貴族化もできない中途半端なブランドはそろそろ御役御免な気がします。


 予想通り一度切ったエンジンの再点火にはしばらく時間がかかりそうです。ああこれが五月病か。

つまらないのに僕は笑って慣れた手つきで身振り手振りさ

スノッブ

スノッブ
 一般に俗物、またスノビズム(snobbism)は俗物根性と訳され、多くの場合「知識・教養をひけらかす見栄張りの気取り屋」「上位の者に取り入り、下の者を見下す嫌味な人物」「紳士気取りの俗物」といった意味で使われる。一方で、耽美主義やダンディズム、粋、洒落を含意したりと(特にファッションにおいて)、単に批判的な言葉としてのみ使用されるわけではない。(wikipediaより修整引用)


 エリートたらんと背伸びをしてるはずが、何故だか世間からは鼻持ちならない俗物と後ろ指をさされ・・・を地で行く私ですが、そんなやっかみにも負けず今日も頑張って更新していきたいと思います。元はイギリスの学生が隠語として使っていたものが世間に広まったもののようで、その語源はラテン語で「貴族でない」を意味する「sine nobilitate」。産業革命以後急速に台頭し子息を最高学府にまで送り込めるようになった中産階級への、上流国民の焦りを背景とした侮蔑感がよく表れています。
 そんな訳で、誇り高き平民の出として今後は堂々とスノッブを自称していきたいと思います。

黒部第三発電所

黒部川第三発電所
所在地:富山県黒部市宇奈月温泉、交通:黒部峡谷鉄道欅平」駅そば。 種別:一般水力、 発電形式:ダム水路式、発電方式:調整池式。認可最大出力:81,000kW、常時出力:0kW。最大使用水量:33.60㎥/秒。有効落差:278.33m。水車:立軸フランシス水車×3台(総出力99000kW)、発電機:立軸三相交流同期発電機×3台、導水路:総延長5620.4m(主要導水路 圧力トンネル:口径3.70m・延長566.4m)、調圧水槽:差動式(非越流型)サージタンク(口径5.70m×高68.62m)、水圧鉄管:内径3500~1350mm・板厚16~22mm・延長498.58m・3条、入口弁:スルースバルブ、放水路:幅37.00m×高9.00m・総延長19.9m。取水位標高:851.00m、放水位標高:556.00m。流域面積:284.1k㎡。取水:黒部川第四発電所黒部川仙人谷ダム]、放水:黒部川
1936.9着工、'40.11.22運用開始、'42.4配電統制令により日本電力株式会社より日本発送電株式会社へ所有者変更。'51.5.1電気事業再編成令により関西電力株式会社へ所有者変更。(水力ドットコムより修整引用)


 吉村昭の名著『高熱隧道』の舞台となった難工事の果てに完成した黒部川第三発電所関西電力に移管され現在でも元気に稼働中で、関西の生活を支える土台となっている模様です。そう考えると、あの工事の犠牲者も無駄死にではなかったんだなあとしみじみ。観光としては仙人谷ダムの見学の一環として外観を見れる様なのですが、黒部ダムに輪をかけた深山幽谷の立地故なかなか気軽に訪れるのは難しそうです。欅平から丸一日かけての山行か、これまた半日かかる「黒部ルート見学会」に申し込むかの二択の模様。いつか時間取れたら行ってみたいなあ。

悪魔の飽食

悪魔の飽食
 小説家森村誠一*1の1980年代の著作。
 第二次世界大戦中の日本の人体実験を告発する内容で、1981.11光文社から刊行。'82続編『続・悪魔の飽食』とともに1982年の日本のベストセラーに数えられた。下里正樹*2が共同作業者を務めた。『続・悪魔の飽食』は誤った写真が掲載されていたことが問題となり、絶版・改収。後に改訂版が出版された。第3部は'83角川書店の「カドカワノベルズ」から単行本として刊行された。2014KADOKAWAから電子書籍版も発売。


 南京大虐殺従軍慰安婦と並ぶ旧日本軍の三大蛮行が一、七三一部隊。眉唾にもほどがある前二者と比べて事実関係ほぼ完璧に立証されてて言い逃れの出来ない割に今一盛り上がらない七三一部隊の暗部を白日の下に曝け出した歴史的名著『悪魔の飽食』三部作を読んでみました。
 まず無印は丁寧な取材と抑えた文体で圧倒的なリアリティで読む者の胸を打つ文学性すら感じさせる名著中の名著。続く『続・悪魔の飽食』は、望外のベストセラーに気を大きくしたか、物言いは尊大でぽつぽつポエムも混じり始めなんだか嫌な感じ。ただアメリカ側の史料っていう超特大の大ネタがあるんで必読。で『悪魔の飽食 第三部』になると完全に『中国の旅』コース。中共のアテンド付のお気楽ご気楽取材旅行記で全く読む価値なし。こうまで分かりやすく著者の「堕落」を見せられると読者としては天を仰ぐしかありません。真面目に無印は時代を劃すにたる大傑作なので是非ご一読を。特に、日本を舞台にした収容所もののエロフィクション書くならこれ読話になりませんよ。

矛盾ばかりの街は夕暮れ満員電車を追いかけ飛ぶ鳥

 悪魔の飽食で描かれている通りに悪魔の所業であることは間違いないながらも現代医学の発展の礎であることは否定できない七三一部隊の研究成果に、高熱隧道で描かれたとおりに大量の人死にを出しながらも今も関西の電量事情を支える黒部川第三発電所を作り上げたりと、いくらスノッブとののしられようと人類の進歩には非人道的な所業も必要なのだと痛感いたします。まあどうせ後世の人達から見たら現代のわれわれの働き方や健康管理の水準なんかも非人道的の謗りは免れないでしょうからね。


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*1:代表作:『高層の死角』・『腐蝕の構造』・『悪道』(小説)他。

*2:代表作:『京子浪淘―浪淘沙ながくも声をふるわせてうたふがごとき旅なりしかな』(小説)、『オウムの黒い霧―オウム裁判を読み解く11のカギ』・『白い亀裂 : ドキュメント健保改悪と医療現場』(著作)他。