脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

ロマン砲とターミナル・エクスペリメントと光武帝について

【悲報】GANTZ作者『仮面ライダーギーツ』にブチ切れ「今やってる仮面ライダーのプロデューサーさん、GANTZの著作権切れてると思ってるのかな笑」 | やらおん!
いうほど似てるかなあ?同シリーズ内の古典中の古典たる龍騎のフォーマットを最近流行りのPUBGとかハクスラのフレーバーで再構築した感じだとばっか思ってたんですが。


 いままでずっと家のネットも携帯からのテザリングで運用してたんですが、Vtuberにはまって以来いくらあっても足りやしないギガに恐れをなしてついにうちもWi-Fi導入いたしました。さあこれで思うさまVの泥濘に首までずっぽりはまれるぞ。

誰よりも誰よりもおまえは人間が好きなんや

ロマン砲

ロマン砲
 漢の夢。
 決まれば絶大な威力や効果を発揮するものの、事前準備が非現実的だったり使用した際のデメリットがあまりにも大きなものの総称である。それらの手間やコスト・リスクを考えると多少効果が低くてもこっちの方法でよくね?という無難な選択肢が他にある場合が多い。デメリットを打ち消したり、効果を極大まで引き上げる特殊な環境や条件が揃わないと基本的に採用されることは無い。だからこそ、浪漫に溢れているのだ!!(ニコニコ大百科より修整引用)


 男の子の夢ロマン砲。野球における10年前のカープの堂林とか、遊戯王の「封印されしエグゾディア」とか、格ゲーにおける見てからガード余裕な超必殺技なんかが該当するでしょうか。しかしこうやって挙げてみると、野球では「多分大成しないだろうけど・・・な若手の大砲」、TCGでは「決まると勝確だけどそもそも前提条件満たすのがほぼ無理ゲー」、格ゲーでは「当たればラッキーのやけくそでぶっ放すギャンブル技」と地味に意味するものが違っていて興味深いです。そう考えると一言で男のロマンって言っても色々複雑なんですね。

ターミナル・エクスペリメント

ターミナル・エクスペリメント ハヤカワ文庫 SF・ソ・1・4
平成九(1997)年5月20日初版発行
著者:ロバート・J・ソウヤー*1、訳者:内田昌之*2、発行者:早川浩*3、発行所:株式会社早川書房
解説:瀬名秀明*4


 『SFベスト201』や『トンデモ本?違うSFだ!』での激賞に興味を持って読んでみた一冊。感想を一言でいうと「白人さんはどうしてここまで魂の座とか死後の世界にこだわるんだろう」と。海外SFらしい硬質な文体や展開で実に面白かったんですが、肝心要の根幹部分が今一共感しきれなかったんで、正直「ネビュラ賞受賞!」って程の熱量は理解しがたかったり。とは言え、「自分の人格の一部を欠落させてコピーしたAIのうちどれが犯行に至る動機を育てうるか」って筋立ては実に新鮮ではあるのでミステリファンの人も是非どうぞ。かなり面白い思考実験を楽しめますよ。

光武帝

光武帝
 建平元(前6)~建武中元二(57)年。中国、後漢の建国者。在位:建武元(25)~建武中元二(57)年。姓名:劉秀。
 漢の王室の一族で、高祖*59世の孫。王莽*6の末年(22)、兄*7とともに地方豪族軍を組織して、南陽湖北省)に挙兵。23同族の劉玄*8を立てて漢帝(更始帝)とし、自らはその武将として王莽軍を昆陽(河南省)に破る。その後、河北に進出し、しだいに人望を集めて、26即位、建武改元し、都を洛陽に定め、漢王朝を復興。赤眉・銅馬などの農民反乱および蜀の公孫述*9、隴西の隗囂*10らの軍閥を次々と平定し、36天下を統一。在位中、豪族勢力とは極力衝突をさけ、これと提携。その政策は豪族連合の性格をもつ。対外的には消極政策をとり、内政上では儒学を尊重し、いわゆる礼教主義の政治方針を確立した。(『コンサイス人名辞典 外国編』より引用)


 参考文献:「やる夫が光武帝になるようです」。というのは冗談ですが、かなり秀逸にまとまっていて面白いので是非ご一読を。という訳で、そんなレベルの大分怪しい解説ですが、後漢創始者光武帝の即位までの概略を力不足を承知で以下紹介。
 景帝の六世孫として舂陵の豪族の次男として生を受けお気楽な人生を約束されていた劉秀ことのちの光武帝。その人生が一変するのは赤眉の乱の混乱に乗じて兄劉縯が挙兵したこと。舂陵軍の盟主として緑林軍と合流し、劉玄を更始帝として擁立するなど順調な反乱軍ライフを満喫していた兄弟でしたが、100万人とすら号される新の大軍を昆陽の戦いで打ち破ったことによりその声望は絶頂に達します。ところが好事魔多しとはこのことで、劉縯はその声望を憎まれ反乱の嫌疑をかけられ謀殺。劉秀は兄の粛清にも動じず更始政権への臣従を続けますが、長安への遷都を期に河北へ左遷。王郎軍との泥沼の戦いを余儀なくさせられます。とは言え、捨てる神あれば拾う神ありで、昆陽の戦いでの武名を慕って集った反王郎の諸豪族を糾合し光武帝として即位し後漢を建国。中華統一の覇業へと乗り出すのでした。フィクションや伝記では青年期の長安遊学時代から漢室復興の青志を抱き、臥薪嘗胆の果てに皇帝即位の流れになっていることが多いですが、個人的にはその武才とカリスマで必要とする周囲に流されて工程にまで上り詰めた、日本でいえば足利尊氏系のタレントな気がします。サイコパスチックな断固たる恐怖政治を布かず部下たちを愛し愛された名君だったせいで、強力な豪族の割拠を許し後代の戦乱の種をまいたところもそっくり。やはり経営者は愛される優しい側面だけではダメなんですね。

愛は語らないけど夢も見ないけれども

 ターミナル・エクスペリメントの主人公ホブスンのように様々なリスクを冒してまで殺害を実行するまでの恨みはないけど、そろそろいなくなってくれねえかなあと思う人って誰にでもいますよね。消去法でなんだか長期政権になりそうな岸田総理も地味にその域に足を突っ込みかけている気がします。安倍元首相や光武帝の様な歴史を画する名君なんてわがままは言いませんから誰か夢を託せるロマン砲のような政治家いないもんでしょうか。個人的には高市早苗とか小野田紀美とかの女傑に頑張って欲しいんですが。


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*1:Robert James Sawyer。代表作:『ホミニッド ―原人―』、『フラッシュフォワード』、『さよならダイノサウルス』他。

*2:代表作:『揺籃の星』、『老人と宇宙』、『竜のグリオールに絵を描いた男』他

*3:早川書房社長。SFの名門出版社早川書房を父より受け継ぎ、老舗へと成長させた。

*4:瀬名秀明事務所代表。第16代日本SF作家クラブ会長。代表作:『パラサイト・イヴ』・『BRAIN VALLEY』(小説)、『NHK 100分de名著『アーサー・C・クラークスペシャル ただの「空想」ではない』』(NF)他。

*5:前漢初代皇帝。諱は邦。父劉太公、母昭霊皇后。泗水に勢力を扶植し、陳勝呉広の乱の混乱に乗じて秦を滅ぼし、垓下に項羽を破り中華統一。郡国制度を導入し漢代200年の繁栄の基礎を築いた。

*6:新朝皇帝。魏郡元城県委粟里の人。字は巨君。父曼、母功顕君。外戚として頭角を顕し朝政を壟断。平帝を暗殺したのち禅譲の体をとって新朝を樹立。周礼に倣った復古的改革が人民の離反を招き、赤眉の乱昆陽の戦いの敗北などにより王朝は崩壊し横死。

*7:縯。大司徒。荊州南陽郡蔡陽県の人。字は伯升。父劉欽、母樊嫺都。舂陵で反王莽の兵を挙げ、近隣の諸軍を糾合し一大勢力を築く。漢帝の座を一族の劉玄に譲るもその声望を憎まれ誅殺。

*8:更始帝。漢朝皇帝。南陽郡蔡陽県の人。字は聖公。父子張。新末の混乱に乗じて挙兵。劉縯率いる緑林軍の躍進に焦った平林軍に擁立され即位。長安・洛陽陥落の大功を挙げ、中央政権化を図るも頓挫。張卬らの反乱により、長安を放棄したのち赤眉軍に投降するも処刑。

*9:成家皇帝。右扶風茂陵県の人。字は子陽。父仁。前漢末から新代にかけて蜀の太守として善政を布くも、赤眉の乱の混乱に乗じ、成家の皇帝として即位。一時は蜀のみならず漢中まで勢力下に収めるも、後漢の侵攻により成都防衛線にて戦死。

*10:西州大将軍。涼州天水郡成紀県の人。字は季孟。新滅亡時の混乱に乗じ漢室復興の檄と共に隴西で挙兵。一時更始政権に参加するも、光武帝の即位に伴い後漢に帰順し成家の公孫述との交渉窓口として厚遇を得る。成家と後漢の対立が決定的なものとなると離反し公孫述に降るも、来歙らの猛攻により勢力は失墜。失意の中憤死。