脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『ザ・サバイバル』

山上容疑者、反統一教会ブログの運営者に武器の入手など凶行をほのめかす手紙を送っていた模様:ハムスター速報
単なる基地外が一転、「目的を果たすために己と他人の命をたやすく投げ出す志士」に。今のこの世論まで読み切っての犯行だとすると、山上徹也はまごうことなき一種の偉人です。


 京都で来年の統一地方選に向けて始動した旧友の激励兼手伝いに。自民党かせめて国民から立候補してくれるんなら、心おきなく全面支援できるんだけどなあ。

遠くはなれてるここんとこの僕ら

 環太平洋ヨットレースに参加するためヨットを大阪からロスに回航する途上、悪天候によりマストと無線・GPSを喪失し遭難状態に陥った諸井清二氏。生きて家族に再び会うための戦いが今始まる。


 太平洋における現代の漂流記もの。テーマとしては間違いなく面白く外れもない安牌なのですが、いかんせん同ジャンルに『たった一人の生還』って至高の大傑作があるのでどうしてもそれと比べない訳には。特徴としては、本人著ではなく取材によるルポルタージュとなっているのですが、著者が取材対象に肩入れしすぎてるせいか、逆に思いっきり主観的な描写の連続になっているのが面白いところ。遭難者本人だけでなくもう一人の当事者として帰りを待つ奥さんパートもあって、スピリチュアルなエピソード群と相まって良くも悪くもテレビっぽい構成に。あと、航行能力と連絡方法を喪失しただけで居住性能はあらかた維持したままの漂流な上、単独航行で誰の死も間近に見てないので、鬼気迫った切実さはどこか薄く、楽観的な牧歌性すら感じてしまいます。そういった意味でも全体的にマイルドな読み味ですので、漂流記は読みたいけどあんまり殺伐としすぎてるのも嫌だという人におすすめできる一冊です。

黙って見過ごして何週間ガマンできる?

 365°見渡す限り人類の痕跡すら見えぬ水平線。正直少し憧れはします。絆は当然大事だけど同時にそれ以上に孤独であることも大事だよねと思う今日この頃でした。


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