脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『母の待つ里』

痛いニュース(ノ∀`) : ウィル・スミスのビンタに米メディアが批判「最高に異常で醜い。ジョークだろ?空気読め」 - ライブドアブログ
流石ポリコレ先進国。つーかこんな程度の民度だからわざわざポリコレなんてもんが必要とされるんですね。よくわかった。


 女性の社会進出推進派の皆さんへ。ぜひ一度医療福祉業界をご体験ください。責任者としてふるまう訓練のされてない女性に権力を持たせることの意味と結果がこれでもかと堪能できますよ。

かあさんのいるあの空の下はるかな北をめざせ

 ユナイテッドカード・プレミアクラブの新サービス、ユナイテッド・ホームタウン・サービス。ふるさとを喪失した現代人に理想の「故郷」と「老母」を提供するこの奇矯なサービスはいかな顛末を迎えるのか。


 よくぞこの荒唐無稽な設定を力技の感動物語に仕立てたなあと。設定と展開が雑で売り方が下品なのはいつもの浅田文学のお約束なんですが、今回は特にそれが顕著。早々に仕掛けは割れるとは言え、帯の惹句で全面的にネタバレしちゃああかんでしょう。第一章位何が起きてるんだ?の手探り感で読みたかったなあと。あと、完全に東京人目線なので「いつか故郷に錦を」が現実的な人生目標で、近い将来の老親の介護がリアルな課題な上京組からすると、「ふるさとの喪失」なんて甘っちょろい感傷に全く共感も感情移入もできないのがなんだかなあ。ついでに言うと、「物語の約束事を踏み越えて客がホストの人生に土足で踏み込む」って横紙破りが作中ではなぜだか美談にされているのがとっても違和感。やってることはオタクがアイドルにリアルに告白してるのと変わらんぞと。とどめに鬼の首を取ったようにオペレーターがAIの自動音声だったって言い出すのも作者の老耄を感じてオールドファンとしては別の意味で涙が。そして一番の問題は、それらの巨大で膨大な問題点があってなお、普通に面白い感動巨編なこと。美しすぎる文章力の暴力で問題解決するスタイルは褒めていいんだかけなすべきなんだかの判断に迷います。

さあ出発だ今陽が昇る希望の光両手につかみ

 過剰な都会下げの田舎賛美に東京人の傲慢を感じるのはきっと田舎者の僻みなんでしょう。首都圏出身者に共通する不思議な余裕は羨ましくもあり疎ましくもあり。自分のアンビバレンツな感情の処理に戸惑います。


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