脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『怪談~不思議なことの物語と研究』

【新コロ】トイレットペーパー品薄デマを流した介護士、職場から処分される | やらおん!
完全に一罰百戒の見せしめですけど、まあ自業自得しか言いようがないわな。


 ガリガリの専門職の人と経営系のコンサルの人だと同じ日本語使ってても全く通じあわないのね。単語一つ一つからそれの意味と範囲を一々すり合わせすることから始めなならんとは思わなんだ。


DQⅪ進捗

  • セーニャと合流。称号:大海の守護者

教えてよまだ知らない話

耳なし芳一のはなし

壇の浦合戦の段をお語りなされい。あの段は、平家のうちにても、いちだんと哀れの深きくだりじゃほどに」by老女


 最初っから超有名なお話。手を変え品を変え何十回も聞いた話・・・ってのは最高の誉め言葉でしょうね。とりあえず「糞坊主邪魔だてするな」と思ってしまった私は、もうすでに憑りつかれてるんでしょうね

おしどり

どうして……まあ、どうしてあなたは、あのひとを殺したりなさったのですか?」by女


これまたなんとも。夫を亡くした女の慟哭が胸に刺さります。

お貞のはなし

……それにわたくし、きっとふたりはもういちど会えると思いますの」byお貞


何とも美しい純愛ラブストーリー。幾たび生まれ変わっても・・・は日本人のDNAに刻まれてるんですね。そら『君の名は』もうける訳だ。

うばざくら

わたくし、とうとう皆さまがご存知あそばさないことを申し上げる時がまいりました」byお袖


これも見事に日本人の琴線を揺さぶりまくるショートショート。やっぱり王道はいいなあ

かけひき

よろしゅうござんす。きっとお目にかけやす」by科人


個人的に一番好きなお話し。迷信と合理主義の禁断の悪魔合体が最高です。

鏡と鐘

私亡きあとはかの鏡をとかして鐘となすこと、いとたやすかるべく候。ただし、その鐘をつき破りたる者は、わが一念により金銀財宝を授かるべし」by女


 一度あげたものが後になって急に惜しくなるのってよくありますよねえ。とりあえず、本エピソードにだけやたらと挿入される作者の外人さん向けの註釈がなんだかとっても艶消し。

食人鬼

物騒なようなお話でござったが、そのわけはどういうわけか解しかねるが、しかし物の怪・変化の類は、愚僧すこしも恐れませぬ」by夢窓国師


ヤマンバ系の話にころがるかと思いきや話は意外な方向へ。仏教系の教訓話になると怪談っぽさが一気に薄れます

むじな

もし、お女中」by商人


タイトルから想像してませんでしたが、これまた誰でも知ってる超有名な話でした。しかし、何度も落語化されてるだけあってオチまで完璧な流石に見事な構成だなあ

ろくろ首

『捜神記』という書物に、首のない胴体だけのろくろ首を見たものが、その胴体を別の場所に移すと、離れた首は、二どともとの胴体につながることができぬと書いてある」by回竜


 おもてたんと違う。ろくろ首というより飛頭蛮ですねこれ。退治して終わりかと思ったらそこからもうひとひねりあるのが見事。後半部分のビジュアルで現代風にリファインしたら回竜って結構キャラ立ちするんでないかしら

葬られた秘密

それは必定、そのたんすのなかか、さもなくば、そのあたりに、なにか嫁御の心にかかるものがあるにちがいないて」by大玄和尚


 媒体が変わっただけで、今も昔も秘密を処分しないと死んでも死にきれないってのは変わらないんですね。

雪おんな

でも、今夜お前が見たことは、だれにも言ってはいけないよ。おまえのおっ母さんにも、黙っているのだよ。言うと、わたしにゃ、ちゃんとわかるよ。そうしたら、わたしはおまえを殺してやるからね。いいかえ、わたしの言ったことを、よくおぼえてお置き」by女


 これまた古典中の古典。小さなころの絵本からパロディまで何百回と読んだことか。しかし大人になってみると、言わずもがなの一言のせいで愛した夫と子供を残して去らなければいけなくなる雪女の方に同情しちゃうなあ。

青柳ものがたり

武家さま。これなる娘、青柳は、なにを申せ山家のひとり育ち、行儀作法もとんとわきまえぬ、まことにはや、不調法者にござります。そのへんは、いくえにもお許しなされてくださりませ」by翁媼


 ありとあらゆるタイプの悲劇的結末を想起させる不穏な展開ながらも、予想を完全に裏切るオチ。悲劇には違いありませんでしたがこれは正直想像できませんでした。お見事。

十六ざくら

どうか頼みじゃ。もういちど、花を咲かしてくれい。おれは、お身の身代りに立とうでの」by侍


えーと、なんと感想を書いていいものやら。良くある話っちゃあよくある話なんですが、ガイジンさんには珍しかったのかなあ。

安芸之介の夢

まかりそうろうは、常世の国の臣にてそうろう。このたび、主人国王より、厚き旨のかずかず申しつかり、ご用命あらば何なりとも承りてまいれとの御諚にてそうろう。国王には、君をばこれよりただちに王城に召してまいれとの趣なれば、なにとぞ、これなる迎えのみ車に、すぐさまお召しあって然るべう存じそうろう」by家来の人


 胡蝶の夢ガリバー旅行記をごたまぜにしたようななんだか妙な一品。なんとも歯に物の挟まったような読後感が素敵。

力ばか

力はどうしたろうね?」byわたくし


 なんとも切ないお話。・・・なんですが、読後感全部最後のトリビアに持ってかれた気がする。誰がこの無駄知識役立てられるんだろう。

日まわり

あいつ、ウェールズ語で歌うのかな」byロバート


珍しくハーンの故郷のお話。本人にとっては懐かしさ補正でとっても大事な掌編なんでしょうが、思い入れがないこっちとしては・・・

蓬莱

水や空なるわだの原。霞にけぶる空と水。時は春なり、日は朝


流石にネタ切れかここまでくるともう怪談でもなんでもなくなってます。

虫の研究

 蝶・蚊・蟻に対するハーンの私見を綴ったエッセイ。蟻の無私の社会性への視座が実にキリスト教徒で興味深かったり。

今の自分が最悪だって誰がどうしていつ決めた

 浮世絵といい怪談といい、ガラパゴスな進化を遂げたサブカルチャーを再評価してくれるのはだいたい外人さんなんですね。数十年後には今の槍玉に上がりまくってる萌え絵やなろう小説もこれぞ21世紀初頭の日本文化の真髄と呼ばれる日がくるのかしら。

グロウアップ

グロウアップ

  • アーティスト:Hysteric Blue
  • 発売日: 2000/10/25
  • メディア: CD

Hysteric Blue 【 グロウアップ 】

帰ってきた今日の一行知識

万葉集には蝶を詠んだ歌は一つもない

言われてみれば和名もありませんね。意外と嫌われ者だったんでしょうか。今の人気と知名度からすると意外ですね。