脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『ゴジラ幻論』

年々存在感の薄れるユーキャン流行語大賞「そだねー」が年間大賞に他「大迫半端ないって」「おっさんずラブ」「ご飯論法」など…ご飯?:ハムスター速報
同じカーリングでもまだ「もぐもぐタイム」の方が・・・


 職場で女の子が電話で「(今まで奥さんの言いなりだった旦那さんが)ついにクーデターを起こした」と言っていたので、流石にそれは剣呑ではないかい?と注意したらじゃあなんというのが正しいのか議論になりました。「サボタージュ」とか「レジスタンス」とか出たんですが、今一ピンとこず。一番ニュアンス的に正しいのは「リベリオン」なんでしょうが、流石にこれをカタカナ英語で使うのは中二に過ぎるし・・・。皆さんだったらどう言いますか?

ゴジラ幻論 ――日本産怪獣類の一般と個別の博物誌

ゴジラ幻論 ――日本産怪獣類の一般と個別の博物誌

If I die in this world, who will know something of me

 現代に光臨した悪神ゴジラ。彼のものはいつ何処でどのようにして誕生した何物なのか、現代科学の粋を凝らし、その謎に挑む。その果てには、何故生まれたかの答えは待っているのだろうか。


 『シン・ゴジラ』世界での学術発表という体を取った、ゴジラゴジラシリーズの怪獣たちを生物学的に考察してみようのコーナー。飽くまで便乗本なので、怪獣たちのスチールは絶無*1な上に、かなりガチな進化生物学系考察がなされているので、特撮ムック本でも・・・的なノリで読むと返り討ちにあいます。とは言え、怪獣という取っ付きやすいテーマで大真面目に進化生物学の議論を門外漢にも分かりやすく書いてくれているので、進化生物学の入門書的な使い方もできるのではないでしょうか。個人的にはゴジラは爬虫類が巨大化したものではなく、哺乳類が爬虫類的意匠を獲得したものという結論は非常に合点がいきました。そうかそれでゴジラ(ゴリラ+クジラ)って名前なんだ!と。言ってしまえば、ふた昔くらい前に流行った空想科学読本系の一冊ですが、それが今ではここまで進化してるんだと感銘させてくれる一冊です。正直気楽な気持ちで読める本ではありませんが腰を据えてでも読む価値のある本だと思います。

I am lost, no-one knows, there's no trace of my yearning

 こういう雑学的考察大好き。明らかに作者が意図していた以上のものを自身の知識を通して読み解く、読書家冥利に尽きます。こういった妄想考察にたえうる創作がもっと増えてくれると嬉しいなあ。

帰ってきた今日の一行知識

近代以前の博物学ではクジャク鳳凰も、キリンも麒麟も一緒くたに扱われてた
冷静に考えると幻獣も遠い異国の珍獣も、話にゃ聞くけど実際には見たことないってことでは同じですもんね。そう考えると動物園は偉大です。

*1:代わりに生物の教科書系の図版は豊富