脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『アステロイド・ツリーの彼方へ』

鯉速@広島東洋カープまとめブログ : 広島で景色が綺麗な場所
黄金山一択。


祝介護職員初任者研修修了。何度か挫折しかけましたが、無事終わってよかった。さあこれから夏を満喫するぞ!(嘘)


競馬進捗・・・H29収支-38870

シレン進捗

  • 食神のほこら16Fにてちびタンクに射殺

いだき合ったくやしさもいだき合った望みも

ヴァンテアン

 微分因数分解よ。大腸菌はそういうのが得意なの」by田奈橋杏


 なんとも小気味のいい短篇。

小ネズミと童貞と復活した女

 「パルフョン・セミョーノヴィチ!」byアグラーヤ=エパンチナ


 『白痴』と『アルジャーノンに花束を』と後なんだこれ。「全部乗せ」の上にやりたい放題の大暴走。呼んでる内に何とも言えない酩酊感に襲われます。取りあえず、『白痴』が最高のエンターテイメント作品に思えて読みたくなったけど、手を出したら絶対に後悔するんでやめとこう。

製造人間は頭が固い

 「つまり―あなたを説得できれば、私たちの子供を助けていただけるのですか?」byオハラ氏


 『ブギーポップは笑わない』の作者だけあって実にラノベテイスト。

法則

 「だったら発想を変えてみようと」byジェシ


 作者の高笑いが聴こえるようなアイデア勝ち。

無人の舟で発見された手記

 わたしたちは人間ではない獣の一つらしいが、他の獣たちと違うところもある。


 小難しいのは好かん。

聖なる自動販売機の冒険

 「その自動販売機、うちの自動販売機でしょう」byお宮さん


 どうってことのないお話なのに、なんとも洒落てて心がほっこりするのは流石森見登美彦

ラクーンドッグ・フリート

「ちちん、ぷいぷいッ」byセンバ丸


 食わず嫌いしてましたが速水螺旋人もいいかもしんない。

La Poésie sauvage

 「これは人工知能が詩作をしているときの内部状態。まだ詩が言語になる前のむずむずした状態ね」byアリス=ウォン


 小難しいのは・・・

神々のビリヤード

 「さ、三文字も!うーむ。私の負けだ」by神A


 『妖魔百物語』の「本魔界〈な〉」を思い出す・・・と思ったら、同じ作者だった。

〈ゲンジ物語〉の作者、〈マツダイラ・サダノブ〉

 〈このわたし〉がこうした形で存在するのは、登場人物の名前さえきちんと決めようとしない〈作者〉の怠惰のせいなのだが、こうした小説の書き方が当節流行であるとも聞く。


 実験小説もここまでくると清々しい。

インタビュウ

 「しまった!巨大陸棲生物インタ・ビウィだ!凶暴な奴に見つかった!」by香月祥宏


 これも実験小説になるんでしょうが、↑に比べて大分スマートで読みやすかったです。

なめらかな世界と、その敵

 「もう私の人生には、脇道も寄り道も無い」by厳島マコト


 夏の匂いの感じるど真ん中の青春物語。視点の錯綜による酩酊感と爽やかな読後感を両立したのは凄まじい。

となりのヴィーナス

 「私は金星人なのです。自分探しのために、この星に来たのです」by天都ミカ


 これもド直球の青春譚。ただ漫画にするとスマートすぎてちょっと物足りないかな。

ある欠陥物件に関する関係者への聞き取り調査

 「どうも。例の物件の建設現場にいたものです」by関係者


 アイデア一発勝負のショートショート。なんじゃこれと思いながら読んでて最後のオチで大爆笑した。

 「本当に、このまま残って薄れきえてしまうつもりなのですか。それでもかまわないと」by溝内


 だから小難しいのは(以下略)

たゆたいライトニング

 「あなたがエマノンになるのね。わかったわ。ここに来た瞬間に。感じたの」byヒカリ


 名前は聞けども手は出せてなかった「エマノン」シリーズ、今度腰据えて読んでみようと思わせてくれました。

ほぼ百字小説

 娘とプールに行った帰り道、巨大な天使が更地に落ちていた。家につくなり妻に娘を渡し、カメラを掴んでまた自転車に飛び乗った。どうしたの、と叫ぶ妻に、天使っ、とだけ答えて自転車を漕ぎながら見上げる空は、赤。


 Twitterの制限を逆手に取った見事な文学作品。いつかこんな洒脱な文章書けるようになりたいなあ。

言葉は要らない

 「血管を見つけられずに何度も針を刺されるより、僕はむしろ事務的にロボットがちゃっちゃっとやってくれたほうが愛情深いと思います」by五十嵐カムイ


 全医療人必読。我々がいつか辿り着かなければいけない世界への予習です。

ステロイド・ツリーの彼方へ

 「猫型端末は需要が多いからね。パーツを揃えるのは簡単だった」by嘉山主任


 いつもの上田節。この方の短編は「くさびらの道」のような悍ましくも美しい作品の方が好みです。

吉田同名

 「あぁ、僕もだ」by「吉田大輔」


 以上19編全てを前座に押しやる最高傑作。地に足が付いた状態のまま、事態が際限なくエスカレーションしていく爽快感は見事。これで新人なんだから将来が楽しみです。ただ、贅沢を言えばシンクロニシティとか群体ではなく、最後まで同一アイデンティティを保持する個体群の共同生活の社会実験って体をとってもらいたかったと思うのは、文系のサガでしょうか。

時は流れても星はめぐっても

 毎度思いますが、アンソロジーは半強制的に知らない作家や食わず嫌いしてた作家も読めるのでいいですね。今回は、既述の梶尾真治に加えて、野崎まどと伴名練と新人賞の石川宗生が他の作品も新しく読んでみようかって気にさせられました。読みたい本が際限なく増えていく、愛書狂にとってこれ以上の嬉しい悲鳴はありません。

アニメ・ミュージック・カプセル(銀河旋風ブライガー/銀河烈風バクシンガー/銀河疾風サスライガー)

アニメ・ミュージック・カプセル(銀河旋風ブライガー/銀河烈風バクシンガー/銀河疾風サスライガー)

帰って来た今日の一行知識

当初人間はヴァン・アレン帯を突破することはできないと考えられていた
短時間であれば、宇宙船と宇宙服で十分遮蔽できることが判明して無事解決。・・・したはずなんですが、これをアポロ陰謀論の論拠にしてる方がたまにいますね。科学の世界でも、「できない理由」を探したがる輩は多いんだなあ。