脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『屍者の帝国』

情強新聞 : 【世論調査】駐韓大使の一時帰国、80・4%が支持 帰任時期については「慰安婦像が撤去されてから」が68・1%
あーあ、一度切れた日本人は怖いですよ。


 猛威をふるったインフルエンザ騒動もようやく沈静化の兆し。はいいんですが、なんだか今朝方から下っ腹が痛いんですけど、まさかこれノロじゃねーよなあ。

数えた残された時を

 時は19世紀末屍者の技術の発明と普及により第二の産業革命が起こされた時代。英露のグレートゲームの最中に、アフガン北方に築かれた「屍者の帝国」。その謎を追い、ウォルシンガム機関の命を受けたワトソンの旅が始まる。


 ワトソン・ヘルシング・バーナビー・M・カラマーゾフハダリー・バトラー・グラント将軍・大村益次郎川路利良etcのフィクションノンフィクション入り混ぜた19世紀末の偉人英傑が跋扈する何でもござれのおもちゃ箱SF。実は『屍者たちの帝国』を先に読んでその世界観に魅了されて本編に取り掛かったので、錯綜する主題にめまぐるしく移り変わる舞台と登場人物、果てしなく広がる大風呂敷に圧倒されっぱなし。多分伊藤計劃の当初予定はこんな知っちゃかめっちゃかじゃあなかったと思うんだよなあ。良くも悪くも勢いと大法螺とパスティーシュの嵐が魅力でもあり欠点でもある一冊。是非ご一読の上、酩酊してみてください。悪酔いしても知りませんけどね。

夢見たあの日の場所で願いを遂げて

 結局一番感動したのは創作秘話を語った文庫版あとがきだったなあ。病魔に倒れた夭折の盟友への敬意に満ちたその文章は一篇の文学作品としても恥ずかしくない出来映え。後事を託せる友がいるなら志半ばに倒れるのも悪くはないなあ、と改めて。いつか自分が道半ばに斃れたとき、誰がバトンを受け取ってくれるのでしょうか。今から楽しみです。まあ、一番可能性が高いのは誰からも見捨てられて野垂れ死に孤独死な気もしますが。

リローデッド

リローデッド

帰って来た今日の一行知識

名探偵ホームズシリーズの翻訳版でワトン表記なのは『詳註版ホームズ全集』(ちくま文庫)だけ
それ以外は全部ワトン表記。原語の発音に近い表記をって理想は素晴らしいですが、やっぱりWatsonはワトソンだよなあ。