本読まないやつと読むやつって結構差があるよね?:哲学ニュースnwk
話も上手くならないし、頭もよくはならないけど、たった一つ、本を読まない奴と話してても面白くない。
敬老祭に向けて当施設もラストスパート、はいいんですが、「文化祭」準備に体育会系の奴がここまで役に立たないとは思わなんだ。
艦これ進捗
- 南方海域サーモン海域攻略中。第一艦隊旗艦:五十鈴改。
- 作者: 三島由紀夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1968/09/17
- メディア: 文庫
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深く大地に還るその日まで
花ざかりの森
わたしはわたしの憧れの在処を知っている。by「わたし」
教科書に載ってる面白くも糞もない純文学の典型。いつもの三島らしくないと思ってみれば、なんと処女作とのこと。そらぁ肩肘張った衒いに溢れた恥ずかしい文章にもなるわなぁと一人納得。
中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜萃
「君は未知へ行くのだね!」by「殺人者」
これも全く面白くない。もう少しで三島好きの看板降ろしそうになるところでした。
遠乗会
「楽陽はどなたでございますか?」by大田原房子
本短編集一押し。三島お得意の帝都東京を揺蕩うお姫さまのお話。不良に走った息子、その彼女、大昔にふった男とそぞろに気を回す姿が実に女々しくて素敵。最後の最後でどんがらがっしゃんの大どんでん返しがあるのも◎。ああやっぱり三島はいい。
卵
「この舌ざわりのよさったら、まるで女だな」by邪太郎
三島の悪癖の全く自分に向いてない分野への浮気。今回はナンセンスユーモア編。明らかに適性外でセンスも天禀もないのに、力技で読めるものにしてしまう文章力は見事。これも一種の溢れる才能の無駄遣いかと。
詩を書く少年
「君はシラーになろうとしてはいけないよ。ゲーテになるべきだ」by学生監
私小説、になるのかな。登場人物がみんな思春期特有の恥ずかしい全能感丸出しで赤面してしまいます。
ところでこの短編と殆ど同じプロットのエッセイを浅田次郎氏の作品で読んだことがある気がするのは気のせいでしょうか。
橋づくし
「小弓さん、いい橋を選っといてくれた?」by満佐子
永井荷風チックな江戸前の粋な姐さんたちの物語。迷信深い無教養な女性への侮蔑がストレートに伝わってくるんですが、それでもなお女性陣の魅力を欠片も損なわないという奇跡。
女方
「私なんか、よくわかりませんけど、そういう若い方が、歌舞伎をよく御存知ないで、無鉄砲なことを仰言るとねえ」by万菊
男という器を通してこそにじみ出る女性の美しさと見せかけた厭らしさの描写が秀逸。貧乏劇団にありがちなドロドロの三角関係が、三島が描けばこうも美しくなるのか。
百万円煎餅
「きのう見たら、黒鯛の切身も四十円だったな。まあいいや。百万円札をバリバリ喰べながら、不景気なことを言うなよ」by健造
『バクマン』で秋人が言ってた「何でもない日常を淡々と描いてそれが面白ければ無敵」を地で行く作品。こんなことされて勝てるかい。
月
「みんなうるさい。藷ばっかりだ、奴らは」byハイミナーラ
当時流行のヒッピーの無気力な日常の物語。天才三島をしても時事ものは時代の流れに勝てない。ぶっちゃけ現代から見ると史料価値もないただの綺麗なゴミです。
穏やかな愛が行き交う場所
自分が小説家の夢をあきらめたのは三島を好きになってしまったからかもしれないと思う時があります。ひたすら暴力的に美しい文章。物書きとしての最果ての深淵を覗いてなおその境地を目指せるほどの情熱と狂気は自分にはありませんでした。友人との酒の席での与太話「一つだけ超能力を身につけれるなら何がいい」で一番最初に思いついたのが「三島のような文章力」だったあたりに私のコンプレックスが見うけられます。いつの日か生まれ変われたなら、無謀とはしりつつもその頂を目指せるくらいの強い人間になれたらいいなあ。
帰って来た今日の一行知識
「橋づくし」の迷信は三島の創作
リアリティのある嘘をつけるってのが小説家としての第一の天分ですね。