脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『侍』

痛いニュース(ノ∀`) : 「私たちのお金はどこ?」「生活も楽ではない」 ビットコイン取引所に説明求め利用者ら抗議 - ライブドアブログ
「ガチガチの本命だったのに落馬した。謝罪と賠償を」なんて馬鹿は相手にする必要はありません。博奕は負けても笑ってすませれるお金で遊びましょう。


 2月もあっと言う間に逃げていきました。この調子だと2014年も短そうです。


艦これ進捗

  • 西方海域リランカ島空襲攻略中。第一艦隊旗艦:響改。

侍 (新潮文庫)

侍 (新潮文庫)

燃ゆる望みを胸に秘め

 谷戸の地に逼塞する侍長谷倉六右衛門。彼に命じられた使命は海を越えノベスパニヤへと至りエスパニヤとの国交を樹立すること。日本での宣教権の独占を目論むベラスコの野心と彼の挺身とは日本にいかなる未来をもたらすのか。

 
 慶長遣欧使節をモチーフにした小説。遠藤周作文学の伝に漏れず全体を覆うどんよりと曇ったような重苦しい雰囲気が出色。キリスト教布教の野心に燃え同行の使節団を道具としか考えないベラスコと、キリストを「醜い痩せこけた男」と軽蔑する長谷倉二人の相容れない男たちが苦難の旅路と遠征の失敗を経て互いに感化されゆく姿は感動的で、クリスチャンではない自分にも何か考えさせられるものがありました。そんな宗教小説としての一面を除いても、日本人西洋人のステロタイプとして造形された両主人公に加え、己が使命に飽くまで準じる田中太郎左衛門、無邪気で好奇心旺盛な西九郎、そして自分たちは捨て石に過ぎないと自嘲する懐疑的な松木忠作と登場人物全員しっかりとキャラが立っているので、難しく考えず約束された破滅へと突き進む良質の悲劇として楽しめます。暗鬱な冬にぴったりな一冊と言えるのではないでしょうか。

 

我が日の本の御光を西の果てまで示したる

 ローマ教皇にすら謁見した光栄なる使節団も帰国すれば単なるやっかいもの。と組織の方針転換の前には全く無力な社畜の悲哀がこの作品には込められています。いつだって狡兎が死ねば走狗は烹られるものです。そうならない為にも、いつかは起業の志は捨てずに置きたいものです。その為にも、早くロトあたんねーかなー。

帰って来た今日の一行知識

戦国時代に来日した宣教師たちは「日本人は一番キリスト教に向かない民族」と嘆いている
キリスト教以前に経典宗教自体が無理なんじゃないかなと。日本人の成文法嫌いは異常です。