脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『北ボルネオ 死の転進』

http://blog.livedoor.jp/chihhylove/archives/7391506.html
見栄と打算の一切混じらない「親友」は手に入りますよ。対人スキル(特に女性関係)とトレードオフですけど。


 引越しを前に本棚整理。重労働ながらも幸せな一時を堪能したんですが、改めて見ると・・・、引越しホントどうしよう。まあ、京都時代と違って、まだ悪名ははせてないはずなんで、何人かだまくらかして手伝ってもらえるでしょう。今からリストアップしときます。


SRWZⅡ再世篇進捗

北ボルネオ死の転進 (集英社文庫)

北ボルネオ死の転進 (集英社文庫)

畜生這う行方に外道みち

 タワオからサンダカン、そしてラナウへ。机上の空論でいともあっさり発令された北ボルネオ密林縦断の転進命令。その死の行軍に彼ら名も無き兵卒たちは何を見るのか。


 敗戦による潰走の結果の惨劇たる餓島やニューギニアと違って、不要不急の無謀な転進命令による自爆の飢餓街道を現出したボルネオの戦いの物語。凄惨な死の行軍も玉砕戦もどこか漂う牧歌的な空気が逆に実にリアリティ。人は意外とのどかに死んでいくもんなんだなと謎の感動を覚えてみたり。
 戦記文学の名手たる豊田穣氏の筆になるだけあって、飽くまで文章は簡潔かつ優美で読み進むのにストレスを感じません。愚にもつかない後知恵の上層部批判や主義主張の垂れ流しが必要最小限なのも二重丸。一編の「娯楽」小説として及第点な一冊でしょう。但し、そんな訳で逆にトラウマを刻み込むような脅迫教育の役には全くたたないであろうでしょうので悪しからず。悲憤慷慨の血涙を流したい方は別を当たってください。

この肉体朽ち果てて蟲棲む土となっても

 「直線距離でほんの数十キロだから余裕みて一か月もあればつくよね」現場と指揮所のディスコミュニケーションの典型のような当方面戦で、上層部の紙上作戦の荒唐無稽ぶりの弾劾したいのはやまやまなんですが、事務方やってますと意外と困るのが、現場の業務遂行能力の過少申告。「こんなスローペースかつ余裕のある人材配置でどうやって利益をあげればいいんだ!」って喧嘩は最早日常茶飯事。必然企画部としたら、現場の見積もり無視したノルマを作らざるを得なくなるわけです。現場の方々も文句ばっか言ってないで、もう少し協力的になっていただけるとこっちとしても文句上等の喧嘩工程表押し付けずにすむんですけどね。お互いの為にも、自己保身の為のサバ読みは最小限にとどめましょう。

Psychedelic Insanity

Psychedelic Insanity

帰って来た今日の一行知識

一つの島を三ヶ国が分有しているのはボルネオ島だけ
一つの島にインドネシア・マレーシア・ブルネイが同居。意外にも内陸に国境を持つ島って殆どないんですね。